ふれあい特集号vol.36(デジタルブック版)
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高島:富士山と甲斐駒ヶ岳と八ヶ岳が全部見 える、ぜいたくな場所ですね。移住先を山梨 に決めた理由は?高橋:東京から1時間半と近いのに、この美しい 山々や、きれいでおいしい湧水などの大自然が あり、ゆったりとした時間が流れていること。高島:こちらでの生活はいかがですか?高橋:人がとても温かい。僕らが育った時代の 東京・下町のように、みんなで一緒になって 遊んだ子どもたちの関係が今もあるんです。 それに、大きな声であいさつしてくれる。少年 野球をしていて、移住を一番嫌がっていた長男 が真っ先になじみ、もっと早く来れば良かったと 言っています。この地で、四季の移ろいを感じな がら、子どもたちを育てる幸せを感じています。03「あの桜、どうなるんだろう?」から地域の歴史を受け継ぐ大切な場所に 「庭の立派な桜の木は、郵便局だったこの家とともに、みんなが集う地域のシンボル的な存在だったようです。改修を始めた頃、近所の方たちは、『切ってしまうんだろうか』と心配そうに眺めていました」と高橋さん。その桜は、店のシンボルであるブランコとともに、今も地域のランドマークとなっています。「地元の方たちの利用が多いんですよ。『慣れない土地での生活、不便はない?』など、とても心配してくれます」と高橋さんは話します。「レストランとしてリニューアルした今も、地域の人たちにとって大切な場所なんて。伝統が引き継がれていて素敵」と、高島さんも笑顔がこぼれます。 いい匂いに誘われて、厨房をのぞいた高島さん。手作りパン、フォカッチャの仕上げをしていた高橋さんを手伝うことに。ハーブを手にして、「このローズマリーは、とても香りが良いですね」と話し掛けた高島さんに、「実は私が作ったんですよ」と高橋さん。「野菜は地元の農家から分けてもらっているんですが、ゆくゆくは自分でも栽培したいと思っているんですよ」と話す目が、少年のように輝いています。「それは素敵。おいしいお野菜作ってください!」と高島さんがエールを送りました。 手間を掛けて作った高橋さん自慢のランチをいただいた高島さん。「この地で育った物だからでしょうね、スーッと体の中に入っていく感じ。とてもおいしくいただきました」と、すっかりご満悦の様子でした。店名の「ふらここ」は、ブランコの雅語。「ふらっと、ここに」の意味も込めて。高橋さんご夫妻が語るやまなし暮らしの素晴らしさ!料理には、地元の旬の野菜ゆくゆくは自分で栽培したい▲今日のランチは、アンティパスト(前菜・一番奥)、野菜のラグ―ソース パスタ、県産豚ロースのグリル(手前左)、そしてドルチェ(手前右)。 どの料理も彩りが鮮やかブランコは、立派な桜の木にしつらえてあるブランコは、立派な桜の木にしつらえてある

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