ふれあい特集号vol.34(デジタルブック版)
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蓄電05 東日本大震災の影響による電力不足への対応や、低炭素社会の実現に向け、太陽光発電などのクリーンエネルギーのさらなる導入が求められています。しかし、これらは、日照時間などの自然条件によって発電量が大きく増減するため、より効率的にエネルギーを利用するには、蓄電技術により、変動する発電量を安定化する必要があります。 そこで県では、繰り返しの使用に強く瞬間的に大きなエネルギーを蓄えることができる「次世代フライホイール蓄電システム」の開発を、公益財団法人 鉄道総合技術研究所などと共同で行うことになりました。今回開発を行うこのシステムは、リニアモーターカーなどにも応用されている超電導技術を用い、エネルギーを蓄えるために回転する円盤(フライホイール)を、摩擦が発生しないように常に浮上させることで、運転効率の向上が期待できます。 計画では、今年度から平成26年度にかけて機器の設計と製作を行い、平成27年度には、米倉山県有地内において新たに建設する予定のメガソーラーとの連系試験を開始する計画です。リニアの超電導技術を応用した蓄電システムの研究開発芦安地区にある金山沢川の砂防堰堤を利用。川の水は堰堤に設けた取水口から河川の脇にある発電所に流れ込み、発電に使用した後は、また河川に戻る仕組みです。運転開始は平成22年2月。最大出力は100kW。一般家庭約200軒分の年間使用電力量に相当する74万kWhが発電され、近くの「南アルプス芦安山岳館」などで使用されています。 県では、小水力開発を希望する市町村や事業所などに、計画立案や建設に対しての技術支援を行っています。既に、約300件の相談を受け、26地点で技術支援を行い、うち4地点が稼働しています。また、現在、県の4カ所目のモデル施設として、身延町の大城川砂防ダムを利用した発電所の建設に向け、実施設計に着手しました。 一方、韮崎市と甲斐市にある2カ所の県有地に民間メガソーラー発電所を誘致し、今年7月には、事業者である三井物産など3社で構成する連合体と協定を締結。来年からの稼働に向け建設が進められています。 「エネルギーの地産地消」を目指す県は、今後、クリーンエネルギーの普及をさらに推進していきます。金山沢川水力発電所(南アルプス市) 農業用水路「村山六ヶ村堰」を利用。平成19年4月に運転を開始。市民には「クリーンでんでん」の愛称で親しまれています。最大出力は320kW。一般家庭約600軒分の年間使用電力量に相当する220万kWhが発電され、近接する大門浄水場で使用されています。村山六ヶ村堰水力発電所(北杜市) 「エネルギーの地産地消」に向けて[問い合わせ先] 企業局電気課 TEL 055-223-5390 FAX 055-223-5393山梨 電気課フライホイール蓄電システムで変動する発電量を安定化0小発電量大61218蓄電装置の内部にある円盤(フライホイール)を太陽光発電などの余剰電力を使って回転させるつまり、電気エネルギーを回転エネルギーに変換して蓄える。曇天で発電量が減少した際に、その減少分を蓄えておいた回転エネルギーを使って発電し補てん。変動する発電量を安定化する。0小発電量大61218時間時間雲が日光を遮るごとに発電量が大きく変動リニアモーターカー晴天時には発電量が安定技術支援を受け完成した小水力発電所

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