ふれあい特集号vol.33(デジタルブック版)
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03 続いて訪れたのは、富士吉田市歴史民俗博物館。館内には、富士山信仰に関する貴重な品々が展示されており、日本人が富士山を崇め、大切にしてきた歴史を学ぶことができます。古より続く信仰の歴史。富士山に寄せる人々の思いに、胸を打たれます。いにしえ 「こんなに昔から、多くの人が富士山を目指したなんて、思ってもみませんでした。当時は白装束で、夏でも雪が残る富士山に登ったのですから、その大変さを考えると、まさに命懸けの登山だったのでしょうね」と、しみじみと語った皆藤さん。富士山の神として信仰される木花開耶姫像を見つけると、「うわー、富士山の上に、美しいお姫様がいらっしゃるんですね。実は私、富士山って、どことなく女性的だと感じていました。こんなに素敵な女神様がご神体だなんて!」。古今東西の創作活動に、影響を与え続ける富士山さまざまな創作活動の題材となってきた富士山。『万葉集』『古今和歌集』『伊勢物語』といった文学作品や、芭蕉や蕪村の俳句などにも取り上げられています。一方、絵画の世界では、江戸時代の浮世絵。北斎や広重によって描かれたさまざまな富士山の姿が、ゴッホやモネといった印象派の画家や、音楽家のドビュッシーにも影響を与えました。さらに、近代日本画でも、『群青富士』で有名な横山大観をはじめ、多くの画家がその存在に刺激を受け、数々の作品を残しています。富士山と信仰葛飾北斎冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏同 凱風快晴▲木花開耶姫像を見て感激する愛ちゃん富士講は参詣の時に講社名を記した「マネキ」を目印に掲げていたこのひめやさくはな山梨県立博物館蔵

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