ふれあい特集号vol.33(デジタルブック版)
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  02世界文化遺産登録を目指している富士山。美しいその姿は「芸術の源泉」や「信仰の対象」となってきました。〝愛ちゃん〞こと皆藤愛子さんが太宰治の『富嶽百景』を手に富士山の素晴らしさを皆さんにお伝えします。 御坂峠にある天下茶屋。ここから眺む富士山は、「天下第一の絶景」と称されます。その雄大な姿と対峙し、歓声を上げた皆藤さん。「東京からも見えますけど、迫力が全然違いますね」と、目を輝かせます。 この天下茶屋に、深い関わりを持つ文豪が太宰治。昭和13年の初秋、29歳の太宰は、当地に滞在中の師・井伏鱒二を訪ね、約3カ月を過ごしました。その時の、エピソードを書いたのが、『富嶽百景』です。 復元した滞在当時の部屋の窓際に腰掛け、正面の富士山を眺めながら、「太宰もこの富士山を見ていたんですね」と、感慨深げな皆藤さん。「やはり富士山には特別な力があるんですね。圧倒的な存在感で心に何かを訴えてくる。太宰に『「いいねえ。富士は、やっぱり、いいとこあるねえ。よくやってるなあ。」富士には、かなわない』と言わせたのも納得です」。富士山を世界文化遺産に三七七八米の富士の山と、立派に相対峙し、みぢんもゆるがず、なんと言ふのか、金剛力草とでも言ひたいくらゐ、けなげにすつくと立つてゐたあの月見草は、よかつた。富士には、月見草がよく似合ふ。   太宰治『富嶽百景』文豪たちを魅了した天下第一の絶景です。富士山と芸術キャスター皆藤愛子さん1984年1月25日生まれ。千葉県出身。早稲田大学在学中の2005年に、フジテレビ系情報番組「めざましテレビ」のお天気キャスターとしてデビュー。同番組の情報キャスターを経て、現在は「めざましどようび」のメインキャスターを務める。最近は、バラエティーやドラマ、ラジオ、CMなどにも数多く出演。活躍の場を広げている。ニックネームは「愛ちゃん」。小学生の頃は、ジャングルジムに登り富士山を探すのが毎朝の日課だったとか。今も、富士山を見ることができた日は、一日中幸せな気持ちで過ごせるとのこと。やまなし発展の芽富士河口湖町・御坂峠 天下茶屋からの富士山じたい※「三七七八米」など、原文のとおり

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