ふれあい特集号vol.32(デジタルブック版)
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 山梨県では、昭和30年代から40年代中頃にかけ、新笹子トンネルや中央自動車道の大月までの開通などにより、県外から多くの観光客が訪れるようになりました。これに伴い、魅力的な観光資源の掘り起こしが盛んになり、昇仙峡などの景勝地や温泉などに加え山梨を代表する歴史上の人物「武田信玄」が注目され始めました。 昭和44年、川中島の合戦を描いたNHK大河ドラマ「天と地と」が放映されると、「武田信玄を観光資源へ」という流れに、より一層拍車が掛かりました。 信玄ブームが訪れたこの頃、県民文化の向上と観光開発を目的に甲府信玄祭りが開催されました。母体となったのは、昭和22年から始まった桜祭りと大正8年の創建後、行われてきた武田神社の例大祭における武田二十四将騎馬行列。そして、この甲府信玄祭りを全国から観光客が集まる祭りにしようと生み出されたのが「信玄公祭り・甲州軍団出陣」です。一新された祭りには、川中島の合戦へ出陣した甲州軍団の勇姿を甲府の街に再現させるという壮大なプランが描かれました。 昭和45年4月、第1回信玄公祭りは、信玄公と武田二十四将からなる甲州軍団が壮大な戦国絵巻を繰り広げるという演出の中、多くの観客を前に華やかに幕を開けました。「信玄公祭り」の誕生と歴史 昭和63年、NHK大河ドラマ「武田信玄」の放映により、再び信玄ブームが訪れました。これを機に山梨県の観光資源として「武田信玄」がさらに価値を高め1500人の武者行列をメーンとする「信玄公祭り」は、国内最大規模のよろい武者祭りとして不動の地位を築き上げました。 信玄公役に俳優を起用するなど、創意工夫と試行錯誤の連続で創り上げられた「信玄公祭り」は今年で41回目を迎えます。 山梨に春の訪れを告げる「信玄公祭り」は、今年も、県民や訪れる多くの観光客を魅了します。観光資源として注目された「武田信玄」「信玄公祭り・甲州軍団出陣」誕生山梨の観光PR事業として位置付けられた「信玄公祭り」平和通りを舞台に繰り広げられる甲州軍団出陣〈記事監修〉山梨大学 教育人間科学部教授 齋藤康彦 武田信玄公の命日(4月12日)を中心に武田家や信玄公にちなんだ祭りが今年も県内各地で開催されます。 その中でも、1500人のよろい武者行列をメーンとした「信玄公祭り」は、山梨を県外にアピールする一大イベントとして定着し、今年で41回目を迎えます。 4月6日(金)~8日(日)の3日間にわたり開催される「信玄公祭り」、その歴史を紹介します。国内最大規模のよろい武者祭り信玄公祭り

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