ふれあい特集号vol.31(デジタルブック版)
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 明治末期、相次いで発生した大水害により、山梨県は大きな被害を受け県民は大変苦しい生活を余儀なくされました。明治天皇はこの窮状を知り、明治44(1911)年3月11日に県下の御料地約16万4千㌶を県の復興に役立てるよう本県に御下賜されました。これが県土の約3分1を占める県有林の基となっており、一般には恩賜林と呼ばれています。 県では、御下賜への感謝の気持ちを後世に伝えるため、明治45年に御沙汰のあった3月11日を恩賜林記念日と定めました。また大正6(1917)年から3年の歳月をかけ、県の中心にある甲府市内、舞鶴城公園に謝恩碑を建設し、記念日には、毎年、その前で記念式典を開催しています。明治40年8月、県下を襲った台風は、死者233人、破壊・流失した家屋11,943戸の未曽有の大水害をもたらしました明治40年の大水害の状況式典には、鹿野農林水産大臣、林業関係者など約1800人が参加式典の様子皇太子殿下から、「これまで100年間にわたって、恩賜林のために関係者がたゆみなく続けてきた尽力に対して深く敬意を表するとともに、これからも、この恩賜林が『人々のための森林』として、大切に守り育てられることを願います」との、天皇陛下のおことばをいただきました天皇陛下のおことばを伝えられる皇太子殿下恩賜林の発展に貢献した個人54人、4団体を功労者として表彰。160の恩賜林保護団体に感謝状を贈呈恩賜林御下賜100周年記念功労者表彰10「恩賜林御下賜100周年皇太子殿下の御臨席を賜り記念大会」が開催されました 大水害により大きな被害を受けた県土の復興のために、明治44(1911)年、明治天皇から御下賜された恩賜林。以来、県民共有の財産として、県土の保全・木材の供給・水源のかん養などさまざまな面から私たちの生活を支え、昨年、100周年を迎えました。 これを記念し、恩賜林御下賜100周年記念大会を昨年11月13日にコラニー文化ホール(甲府市)で開催しました。 式典には、天皇陛下の御名代として、皇太子殿下の御臨席を賜り、天皇陛下から託されたおことばが読み上げられました。また、緑の少年隊による森づくり宣言や100人の子どもたちが演じた創作劇などを通して、次の100年に向けた森づくりへの決意を新たにしました。ごかしおん し りん恩賜林のあらまし 明治末期、相次いで発生した大水害恩賜林のあらまし

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