vol.20(平成21年3月31日発行)
10/24

非常勤講師・依田貴石 現代の名工 県ジュエリーマスター認定者 Kazuo Yoda依田 和夫さん Interview多くを経験してこそ、 進むべき道が見えてくる。 工房楽 県ジュエリーマスター認定者 Shunichi Tawara俵 俊一さん Interview自分の将来、業界の未来に向け、 どん欲に学んでください。  卒業後、数年間企業に勤めた後に独立しました。貴金属の製品づくりや原型づくりを手掛けています。この仕事には、平面に描かれたデザインから立体的なものをつくり出していくことにおもしろさがあります。ものづくりには基本となる知識が必要であり、その知識を宝石美術専門学校で学びました。授業では貴金属の知識はもちろん、実際に自分の手で多くのものをつくり出すことができ、とても楽しく充実した日々を過ごすことができました。 今、ジュエリー業界は厳しい状況にありますが、そんな時だからこそ身に付ける人のことを思いながらいいものを提供したい、という思いで取り組んでいます。私の今の仕事では直接身に付ける人に会う機会はありませんが、これからはもっとエンドユーザーに近いところで仕事をして、ユーザーの声を聞けるといいなと思っています。 工房を構えて20年以上。学校時代にしっかりと目的を持って学んできてよかったと、今あらためて実感しています。学校には学ぶこと、学ぶチャンスがたくさんあります。希望としっかりとした目的を持って、どん欲に学べば、必ず将来のプラスになります。ジュエリー業界の未来のためにも、どん欲に学んでください。百瀬貴石プランニングデザイン Erina Momose百瀬 絵里奈さん Interview自らの手で ものづくりした経験が、 今の私の財産です。  4代続く家業の研磨業の技術を生かし、原石を研磨する段階からデザインし、ブランドとして確立していく新しい事業を展開しています。さまざまなことに挑戦できるのは、学校で基本的な知識を身に付けてきたからこそです。働き始めて12年。あらためて宝石美術専門学校で学んでよかったと感じています。 また学校時代にジュエリーづくりの根本的なおもしろさを学べたことはとてもよい経験でした。先生方からも、多くの刺激を受けました。それに自分の手でつくり、企画から加工、工賃の計算に至るまで実践的に学べたことが、今に生かされています。また、同じ感性を持っている学校時代の多くの友人は、今も大切な存在です。今取り組んでいる新ブランドでも、うちではやっていない貴金属加工は職人として業界で活躍している卒業生にお願いしました。 山梨からハウスブランドをつくり出すのが夢です。山梨には世界に通用するレベルのジュエリーを生み出す歴史と土壌があり、その可能性を持っています。ぜひ学生さんにも自らの手を動かし、そこから多くを学び、一緒にこの業界を盛り上げてほしいと思います。卒業生からのメッセージ 1200名を超える卒業生は、 ジュエリー業界を支える原動力として、 さまざまな分野で活躍しています。  水晶をメインとした研磨の仕事をして40年以上。一人前になるまでには多くの苦労もありましたが、頭で描いたものを手の感覚で形にしていく仕事はとてもやりがいがあります。研磨は自分の感覚がすべてであり、独自の感覚から美しいものを生み出すことができる、そこにおもしろさがあると思います。 授業では、学生が自らデザインしたものを研磨してもらうこともあります。デザインとしては美しくても研磨するには難しいものがあるなど、経験して初めて分かることも多いようです。 やはり大切なのは経験すること。石の特徴や仕上がるまでの過程を知ることで、より現実的なデザインが描けるようになり、さらに多方面に生かされていきます。また経験から自分の得手、不得手を知ることも必要。この学校ではジュエリーのあらゆる基礎を学び、経験できるので、きっと自分の進むべき道を選び出すことができるはずです。

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る