vol.19(平成21年1月1日発行)
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021945年東京都八王子生まれ。モダンダンスを学んだ後、土方巽に私淑。1982年ミュンヘン演劇祭最優秀パフォーマンス賞受賞。農業と舞踊の同時実践のために1985年白州町(現・北杜市)で身体気象農場開設。1997年には敷島町(現・甲斐市)に移り住み桃花村舞踊団および農事組合法人桃花村を結成。2002年山田洋二監督「たそがれ清兵衛」で映画デビュー、日本アカデミー賞最優秀助演男優賞・新人俳優賞を受賞する。以後、映画・舞踊で活躍。2009年2月にはTOKIOの長瀬智也さんと共演のロード・ムービー「ヘブンズ・ドア」公開予定。プロフィール 6山梨に魅かれて 山があればいい、   空があればいい。 インタビュー 舞踏家・俳優 Min Tanaka田中 泯さん  20年以上前、国道20号線をバイクで走っていた時に印象に残った白州町(現在の北杜市)の山々。「このあたりで畑を借りて農業ができれば」。そんな思いをきっかけに、山梨での暮らしが始まりました。10年前には過疎で住み手がいなくなっていた甲斐市の山間の村を、自らの手で開墾し、道を直し、古民家を修復し、桃花村という名の村をつくりました。 「ここは南のど真ん中に富士山、背後に茅ヶ岳があり、東西も山に囲まれた、まさに山に守られているところです。こっちの山もあっちの山も、なだらかな斜面がいりくんでいるのが好きなんです。斜面だらけのところに住みたかったですからね。あえてつらいなと思うところに住んで、創造力を思い切って広げてきた昔の芸術家に、もともと共感があるんです。僕も便利な生活を捨ててそういうところに行こう、山があればいい、空があればそれでいいって思いましたね」探し求め、たどりついた、 斜面だらけの地 世界中の踊りは、 地面を踏みしめることから 始まっている  山を求め、空を求め、斜面を求めてたどりついた桃花村。今、その地に昔の段々畑をよみがえらせようと夢中で開墾しているそうで、そんな土をいじっている時間が好きだといいます。 「芸術もほとんどが土の上から始まっている。世界中の踊りも地面を踏みしめ甲斐市芦沢の山間にある里山「桃花村」。山々に囲まれた斜面が続くこの地で、 泯さんは土をいじり、季節の移ろいを感じ、大地とともに暮らす日々を送っています。 「自然とともに生きている」。そう感じさせてくれるこの地は、 多くのものを与えてくれるといいます。 とうかそん

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