vol.19(平成21年1月1日発行)
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ブランドの確立、販路拡大に向けて 漫画「美味しんぼ」で、 唯一和食との相性の良さが 認められた甲州種ワイン。  県ワイン酒造組合では、昨年から11月3日を県産の甲州種やマスカットベリーAで造られた新酒ワイン「山梨ヌーボー」の解禁日と定めました。  フランスのボジョレ・ヌーボーの解禁日である11月第3木曜日と同じように、日本のヌーボーの解禁日として定着することを目指しています。  11月には、県内36ワイナリーが参加し、各地で「山梨ヌーボーまつり」が開催されました。解禁日にイベントを開催した東京・日比谷公園には、漫画「美味しんぼ」の原作者 雁屋哲さんも駆けつけ、県産ワインの魅力をPRしてくれました。 c 雁屋 哲・花咲 アキラ・小学館多くのワイン愛好家が集まった日比谷公園11月3日を 山梨ヌーボー解禁日に 漫画「美味しんぼ」の原作者 雁屋哲さん 県では、県産ワインの高品質化に向け、試験研究や人材育成に取り組む一方で、ワイン酒造組合などと連携し、県産ワインのブランドイメージの向上や、販路を拡大するための取り組みを進めています。  そのひとつが国産ワインの品質と認知度を高めることを目的に、平成15年度から本県で開催されている「国産ワインコンクール」です。昨年7月に開催されたコンクールでは、金賞14点のうち6点を山梨県産ワインが受賞しています。  厳格な審査を通じて、一定の評価を受けた受賞ワインの品質は市場でも認められています。  その結果、県が外務省に対し、このコンクールの受賞ワインを世界各国の日本大使館で使ってもらうよう働きかけたところ、22の大使館から公式行事などで使うために注文がありました。また、昨年の夏開催された北海道洞爺湖サミットにおいても、5銘柄の県産ワインが会食で使われました。国産ワインの発展と、ワイン産地山梨の地位を高めるため、このコンクールをさらに充実させていくこととしています。  また、県産ワインのブランドイメージ向上や販路拡大の具体的方策について、ソムリエやワインジャーナリストなど専門家の意見を聞くため、昨年、「県産ワイン懇話会」を設置しました。昨年10月に開催した懇話会のテーマは「甲州種ワイン」。甲州種ワインは、芯に力がありながらも自分を主張しすぎず、食べ物の持ち味を引き出してくれるので、和食と相性が良いと言われています。懇話会では、甲州種ワインを和食に合わせてテイスティングし、飲食店に売り込むための方策や、広く一般家庭に浸透させる方策などについて意見交換を行いました。  さらに、海外への販路拡大に向けての取り組みも始まっています。欧米では健康志向に伴い空前の和食ブームを迎えており、「和食と合う甲州種ワイン」を売り込むチャンスです。県ワイン酒造協同組合では、県と連携を図りながら、イギリスを始めEU諸国への輸出拡大に向け、着々と準備を進めています。  輸出戦略を学ぶために招いた、世界最高峰の資格「マスター・オブ・ワイン」を持つイギリスのリーン・シェリフ氏が、「ヨーロッパではアルコール度数の低い白ワインが伸びており、甲州種ワインが成功する可能性は十分にある。」と言っており、期待が高まっています。  ワイン産地確立に向けての取り組みは、まだ始まったばかりです。その成果がでるまで少し時間がかかるかもしれませんが、今後の県産ワインにご注目ください。 国産ワインコンクールで金賞を受賞した14点 10

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