修正版山梨県のあらまし2024
34/40

箕みみ饉だき各地域で受け継が  ひ よくふくゆうきんは、飢せい33山梨の郷土食にんじんめし(市川三郷町)市川三郷町の大塚地区は「のっぷい」と呼ばれる土壌で、肥沃な上に石がほとんどないため、1mもの長さに育ち、食物繊維を多く含み、栄養価が高い「大塚にんじん」を育てるのに適した地域。毎年12月に「のっぷい農産物直売所」で収穫祭が開催されている。カツ丼(県内全域)山梨県で「カツ丼」を注文すると、ご飯の上にキャベツがのり、その上にとんかつがのった丼が出てくる。この上にたっぷりとソース(ウスター)を掛けて食べる。とんかつの肉汁や、ソースが浸み込んだご飯も絶品とされている。県外で一般的な「卵でとじたカツ丼」は「煮カツ丼」と呼ばれ、別の料理である。おざら(中北地域、峡南地域)おざら(おだら)は古くから伝わる郷土料理の一つで、ほうとうに使用するより細めの冷やした麺を温かいしょうゆベースのつゆにつけて食べるのが一般的。のど越しがよく、夏場に食べることが多い。酒まんじゅう(上野原市)炊いた米と米麹を合わせて一次発酵させたものを生地に練り込んであんこを包んだ、上野原の粉文化が生み出した郷土食。かつて、上野原の甲州街道沿いは、甲斐絹(かいき)の里として市が立ち、江戸と甲州の多くの商人が行き来しましたが、この地に集まった商人達に愛され、広く伝えられたとされています。みみ(富士川町)富士川町十谷の集落に伝えられている郷土料理。小麦粉を練って薄く延ばし、3cmの正方形に切り「箕」(農作業で使う道具)の形を作り、季節の野菜と一緒にみそで煮込む。昔、神様に奉納した「福」になぞらえて食べられるようになったともいわれている。馬刺し(県内全域)山梨県は主要街道である甲州街道が通り、また、富士山信仰で登山者の荷上げ用で必要とされ、馬が身近であったことから、馬肉料理が盛んになったともいわれている。馬肉生産量全国5位、吉田のうどんにも馬肉が用いられている。せいだのたまじ(上野原市)たまじと呼ばれる小さなジャガイモをみそで甘辛く煮詰めた郷土料理。江戸時代の名代官・中井清太の際にジャガイモ栽培を夫広めて窮地を乗り切った。人々が感謝を込めてジャガイモのことを「せいだ」と呼ぶようになったのが、名前の由来といわれている。Local cuisine 山梨の

元のページ  ../index.html#34

このブックを見る