山梨県のあらまし2023
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れる山梨の食文化(県内全域)ジビエとは、狩猟により得られた野生鳥獣の食肉のこと。野生鳥獣による農林業被害が深刻な状況の中、捕獲したシカの肉等の料理や加工品など、素材を活用した特産品づくり、地域振興に生かす取り組みが広がっている。県では、やまなしジビエ認証制度を創設し、より安全・安心なシカ肉の流通を推進している。34吉田のうどん(富士吉田市)富士吉田市では織物業が盛んで、女性が中心的な働き手であったことから、男性が食事の支度をしていた。そのため簡単に作れ、非常に腰があり歯ごたえがあるうどんが、よく作られるようになった。具にキャベツをふんだんに使うことも特徴で、富士吉田市を中心に50軒以上のうどん店がある。月の雫(甲府市、甲州市)果樹王国山梨を代表する品種「甲州ぶどう」の粒を、一つずつ砂糖蜜で塗り固めたお菓子。昔菓子職人が、偶然甲州ぶどうを砂糖蜜に落としてしまったのが起源といわれ、甲州ぶどうの甘酸っぱさと砂糖の甘さが絶妙の組み合わせになっている。鳥もつ煮(甲府市)鶏の砂肝、ハツ、レバーなどを甘辛く濃厚なしょうゆダレで照り煮した甲府独自の料理で、市内のそば屋やほうとう屋の定番メニューとなっている。「B1グランプリ」でゴールドグランプリを受賞し、山梨の郷土食として全国区となった。うらじろまんじゅうジビエ料理(甲州市)日当たりの良い山野に生息するキク科のオヤマボクチの葉を練り込んだまんじゅう。甲州市大和町では、オヤマボクチを葉の裏が白いことから「うらじろ」と呼んでいる。ヨモギとは違った風味がある。富沢こわめし(南部町)南部町の名産品たけのこを用いたおこわで、旧富沢町で作られていたことから「富沢こわめし」と呼ばれている。地元で採れた旬の山菜も使用し、春の季節を感じることができる。毎年4月に、たけのこまつりが開催されている。小豆ほうとう(中北地域、峡南地域)まず小豆を甘く煮立て、さらにほうとうを入れて煮た小豆ほうとうは、地区行事や祝い事の折にも食べられてきた。北杜市須玉町若神子の三輪神社で毎年7月末に行われる祭りでは、小豆ほうとうが振る舞われることから「ほうとう祭り」とも呼ばれている。ほうとう(県内全域)「うまいもんだよ カボチャのほうとう」といわれ、誰もが知る山梨県の代表的な郷土食。武田信玄公が考案した陣中食であったといわれているが、文献上は江戸時代以降に多く登場する。峡南地域では「のし入れ」「のし込み」とも呼ばれている。 of Yamanashi郷土食

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