山梨県のあらまし2023
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扇状地の立地・自然条件等に適応甲州式ブドウ棚ワイン醸造ブドウ、モモ、スモモ、カキ等様々な果樹の多品目・系統が栽培されながら保存扇状地を利用した果樹農業システムの独特な土地利用(ランドスケープ)恩賜林等観光果実園伝統的果実加工草生栽培栽培される多種多様な果実峡東地域の果樹システムの概要図峡東地域には、果樹栽培による四季折々の美しい風景が広がる 世界農業遺産とは、社会や環境に適応しながら何世代にもわたり継承されてきた独自性のある伝統的な農林水産業とそれに密接に関わって育まれた文化、景観、生物多様性などが一体となった、将来に受け継がれるべき重要な農業システムを認定する制度です。古くから果樹の産地として知られ、独自の栽培技術や果樹加工技術など、世界に誇る特色を持つ「峡東地域の扇状地に適応した果樹システム」が、令和4年、世界農業遺産に認定されました。27長い歴史で培われた知恵と独自のシステム 峡東地域は、日本のブドウ栽培発祥の地とされ、ブドウ「甲州」は平安時代にはすでに栽培されていたといわれています。約400年前に峡東地域で考案された「甲州式ブドウ棚」は、降水量の多い日本の気象に適応するために開発された技術で、現在、日本のブドウ栽培のスタンダードとなっています。他にも、生物多様性を育む草生栽培、枯露柿やワイン醸造といった果実加工、観光果実園などとともに発展し、世界に誇る特色ある地域を形成しています。多様な果樹の特性を生かしGlobally Important Agricultural Heritage Systems果樹農業システムの特徴地形・気象に応じた多種多様な果実栽培 峡東地域では、扇状地特有の傾斜や起伏、土壌などの異なる自然条件や多雨・湿潤な気象条件に適応するため、効率的で独特な土地利用が行われてきました。適地・適作により、10品目以上、品種・系統数は300以上の多種多様な果樹を栽培する地域であり、付加価値が高い世界トップレベルの果実生産により、収益性の高い農業経営を実現しています。世世界農業遺産界農業遺産峡東地域の扇状地に適応した果樹農業システム

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