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 本来四季山水図の一つとして描かれたものと考えられるが、春景図は失われている。京都金地院に残る秋景・冬景図二幅とともに北宋の徽宗皇帝の作とも伝えられる。12世紀初めとも、13世紀初めの作ともいわれるが、足利義満の所蔵印が押されていることから、14世紀には既に日本に伝来していたことが分かる。北宋・南宋時代の山水図を代表する名品である。 達磨が朱衣に身を包んで岩上に座禅する本図は、その生き生きとした描写や重厚な筆致から、優品としての評価が高い。着賛している蘭渓道隆は、鎌倉建長寺を開山した中国からの渡来僧で、東光寺や永岳寺を開山するなど、本県にも関係がある。13世紀頃の作である。 平安時代の風格を今も伝えるこの鎧は、「楯無鎧」の名で知られ、御旗(甲州市塩山 雲峰寺蔵、県指定文化財)とともに武田家の重宝だったとされる。信玄の時代、鬼門鎮護のため菅田天神社に納められたが、武田氏が滅んだ際、敵の手に渡らないよう向嶽寺の大杉の根元に埋めたものを、徳川家康が掘り出し再び同社に納めたと伝えられる。国宝 鎌倉時代の密教系本堂の代表的建物で、東日本で最も優れた和様建築ともいわれている。内部の隅柱にある1286(弘安9)年の刻銘から、1270(文永7)年の火災で焼失した後、鎌倉幕府の援助を受けて再建された、山梨県では最古の建物であることが判明している。文化財り出し、守り伝えられてきた宝物cultural assetsof Yamanashi302021 yamanashi ken no aramashi昭和30年6月22日指定(甲州市勝沼町 大善寺)大だいぜんじほんどう善寺本堂 附つけたり 厨ずし子 昭和27年11月22日指定(甲州市塩山 菅田天神社所有)小こざくらかわおどしよろい桜韋威鎧兜かぶと、 大おおそでつき袖付 昭和28年11月14日指定(甲州市塩山 向嶽寺所有)絹けんぽんちゃくしょくだるまず本著色達磨図昭和30年6月22日指定(身延町 久遠寺所有)絹けんぽんちゃくしょく本著色夏かけいさんすいず景山水図 守 この仏殿は、小規模な中世禅宗様仏殿の典型例として知られる。清白寺創建時の1333(正慶2)年の建築と伝えられてきたが、1917(大正6)年の解体修理の際に発見された墨書によって、1415(応永22)年であることが確認された。昭和30年6月22日指定(山梨市三ケ所 清白寺)清せいはくじぶつでん白寺仏殿守守守守守

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