やまなし県のあらまし2019
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322019 yamanashi ken no aramashi葡萄畑が織りなす風景―山梨県峡東地域― 甲府盆地の東部は平坦地から傾斜地まで葡萄畑が広がり、初夏には深碧の絨じゅうたん緞、秋には紅葉の濃淡が日に映え、季節ごとに様々な風景を魅せてくれます。 奈良時代から始まったと伝えられる葡萄栽培は、先人たちの知恵と工夫により、かつて水田や桑畑だった土地を一面の葡萄畑に変え、またその葡萄畑に育まれたワインは日常のお酒として地域に根付きました。今も歴史を語る技術や建物は受け継がれ、葡萄畑の風景の中に溶け込んでいます。星降る中部高地の縄文世界―数千年を遡さかのぼる黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅― 日本の真ん中、八ケ岳を中心とした中部高地には、ほかでは見られない縄文時代の黒曜石鉱山があります。鉱山の森に足を踏み入れると、そこには縄文人が掘り出したキラキラ耀(かがや)く黒曜石のカケラが一面に散らばり、星降る里として言い伝えられてきました。日本最古のブランド「黒曜石」は、最高級の矢じりの材料として日本の各地にもたらされました。 麓のムラで作られたヒトや森に生きる動物を描いた土器やヴィーナス土偶を見ると、縄文人の高い芸術性に驚かされ、黒曜石や山の幸に恵まれて繁栄した縄文人を身近に感じることができます。山梨市 笛吹市 甲州市山梨県  甲府市 韮崎市 南アルプス市     北杜市 笛吹市 甲州市長野県  茅野市 富士見町 原村 諏訪市     岡谷市 下諏訪市 長和町 川上村※日本遺産とは、日本の歴史に眠るストーリーにスポットを照て、国内外に発信していくプロジェクトです。 2018年5月24日、山梨県の文化・伝統を語る2つのストーリー「葡萄畑が織りなす風景」と「星降る中部高地の縄文世界」が日本遺産に認定されました。2つのストーリーが日本遺産に認定日本遺産Japan Heritage北杜市津金御所前遺跡出産土器韮崎市石之坪遺跡動物文土器甲州市殿林遺跡流水文土器笛吹市一の沢遺跡土偶「いっちゃん」甲州市勝沼町内フルーツライン付近より撮影甲府市甲州市川上村富士見町原村茅野市笛吹市韮崎市北杜市南アルプス市諏訪市岡谷市下諏訪町長和町南アルプス市鋳物師屋遺跡人面土器甲府市上野原遺跡水煙土器

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