地域教育情報紙『エリアウエッブ』第4号(平成16年(2004年)7月30日発行) 峡東教育事務所地域教育推進担当(TEL0553-20-2737/FAX0553-20-2733) ◎子どもたちの健全育成はあいさつから  多発している青少年の非行・犯罪などの状況を考えるとき,社会全体のモラルや規範意識の低下が問題 とされています。前々から,家庭の教育力の低下・地域の教育力の低下が叫ばれ,家庭や地域の教育力の 回復が課題だと言われています。  子どもにとって,一番小さい社会は家庭です。その次に地域・学校と広がっていきます。その一番小さ な社会で子どもを孤立させないための方策の一つとして,『声かけ・あいさつ』があるのではないでしょ うか。  私達が小さい頃は,家で黙っているわけにはいきませんでした。家族の一員としての手伝い等があった ために,何らかの会話をせざるを得ません。また,家を一歩出ると「○○さんの子ども」として見られ, やはり地域の方々とあいさつや会話をせざるを得なかったし,悪いことをしていると叱られもしました。 子ども同士の遊びにしても,仲間を集めて遊ぶために,他の子どもたちと会話をせざるを得なかったし, 交わり能力を身につけざるを得ませんでした。そんななかで,親と子・地域のコミュニケーションや連帯 感が生まれ,人への思いやりや人との関わり方の智恵を身に付けていくことにもつながったのではないで しょうか。  私達が峡東地区の学校訪問や地教委訪問する中でも,多くの実践を聞くことができ,各々がこの運動に 力を入れていることがわかりました。また,新聞にも,多くの実践が載りました。その中の一つ,5月 21日の山日新聞の記事を紹介します。 『 生徒ら見守りあいさつ運動 』  石和高校PTAは定期的に,通学路に立ち「声かけ・あいさつ運動」を進めている。このほど開始以来, 4回目となる活動を展開。父母ら約50人が参加し,生徒らを見守りながら「おはよう」「車に気をつけ て」などと声をかけた。 同校では以前から,登校指導として教師が定期的に通学路に立ち,生徒の安全 確保などに努めている。地域の教育力低下などが取りざたされる中,保護者も積極的に指導に関わろうと, 昨年12月から登校指導に合わせ,あいさつ運動をスタートさせた。この日の運動は,保護者らが通学路 や同校の正門など13カ所に分かれ,黄色の旗を振りながら,生徒らに声をかけた。小林PTA会長は 「子ども,大人が一人でも多く顔を覚え合い,地域の結び付きを深めたい」と話している。  現在では,地域や学校等で「声かけ・あいさつ運動」への取り組みがなされ,県民運動としても取り組 みが展開されています。ぜひ地域や家庭でもできるところから始めてみませんか。 「声かけ・あいさつ」先ず家庭から!! 「声かけ・あいさつ」みんなで実践を!!     ◎「 夏まっさかり 」  今年は史上まれにみる異常な暑さに,日本中がおそわれています。山梨では,から梅雨,北陸では集中 豪雨による災害被害もあったりでたいへんです。  でも子どもたちにとっては,待ちわびている夏です。未来に夢をふくらませ,皆が健康で安全な夏を過 ごして欲しいと願っています。  去る7月12日に「青少年の非行問題に取り組む県民大会」が甲府市の総合市民会館で開かれ,参加し てきました。高校生などの意見発表や講演等があり,県内各地の青少年健全育成の団体や教育関係者が参 加し盛会のうちに終わりました。  その中の講演では「青少年健全育成の現状の問題点と課題」と題して明星大学の高橋史郎先生のお話が ありました。次のことが,強く印象に残っています。 ・現代の食生活の乱れは,人間の脳機能を低下させている。  @ 栄養の偏りは,イライラにつながる。(キレやすい子)  A 間食の増加は,糖質の摂取過多となり,肥満・成人病へとつながる。  B 柔らかい食品の増加は,かむ力を減少させ脳の発達に悪影響を与える。  高度経済成長の前後を経験している私には,このような状況がよくわかりますが,易きに流されている ことに,反省させられました。その他,具体的な事例を引用されてのお話がありました。最後に,子ども たちを変えていくのには,まずわれわれ大人が変わるのだと,高橋先生は強調されました。     ◎夏の「子育て日記」(YBSテレビ・日曜日 あさ 7:45〜8:00) 8月 1日・ 8日  −「おむつでコミニュケーション!」           …あやしたり,ふれ合ったり,おむつを替える時間は親と子どもの大切なコミニュ            ケーションの場なのです。 8月15日・22日  −「しつけのおきて」           …どんな時に叱っていますか?誉めていますか?社会へ出るための第一歩,            "しつけ"について考えます。 8月29日・ 9月 5日−「森へ出かけよう」           …木々や花,虫たちとふれ合ってますか?自然は人間本来がもつ"生きる力"を育ん            でくれます。 9月26日・10月 3日−「子どもの病気」           …新しい病気やその対応など,子どもの病気への理解を深めます。親は子どもの主            治医です。