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■  ある本の中に次のような文章がありました。    いじめは「いじめ育て」が原因。  (1)兄弟や他人と比べて育てる。  (2)感情的に怒ったり,叩いたりして育てる。  (3)人より勝ったときにほめ,負けたときには叱る。  (4)仕事や家庭の悩みを子どもにぶつけながら子育てをしている。      そんなことが全て「いじめをする子ども」に育てている。特に親の生き方が,子育てに反映する。 (父親)会社でいやなことがあり,酒を飲んでグチをこぼす。家で妻や子どもにあたり,時には暴力もふるう。 (母親)子育てや近所付き合いで悩み,相談しようにも夫は残業や飲み会で遅い帰宅。ついイライラして子どもを怒鳴ったり,時には手を出したりしてしまう。  こうした親のストレスや不安が子どもに伝わり,少しずつ子どもは暴力的な子どもになっていくと言うのです。  いじめの問題が多く報道されたとき, 「うちの子はいじめられていないか。」 と心配した人は多いでしょう。でも, 「うちの子はいじめていないか。」と考えた人はどれくらいいるでしょうか。  子どもに聞いたとしても「ぼくは手を出したり,悪口を直接言っていないよ」と言われ,「うちの子はいじめてない」と安心したお母さんもいるかもしれません。でも,クラスにいじめられて悩んでいる子がいるのに,何も感じない,何もしないわが子であっても,「よかった」と本当に思えるでしょうか。  砂漠のような家庭に育った子は,サボテンのようにとげを持ち,人を傷つける子どもになります。  「やさしさ,思いやりの心」は自然には育ちません。親や教師,地域の大人がやさしい家庭や学校,地域社会をつくり,一つ一つ子どもに体験させ,教えていくことで豊かな心は育つのではないでしょうか。 ─────────────────────────────────────  「あっ!もしかして いじめかも。」  〔家庭でのチェックポイント〕    □学校の話をさけるようになる  □友達のことを話さなくなる  □登校時に身体の不調を訴える  □感情の起伏が激しくなる  □家族や物にあたりちらす  □寝つきが悪く,寝不足になる  □急に食欲がなくなる  □下校後の服の汚れや破れが目立つ  □持ち物にいたずら書きがある  □ケガやキズを負って帰ってくる  □電話を受けた後,落ち着かない  □突然「友達」に呼び出される  □人に物を貸すことが多くなる  □家からお金を持ち出す        ↓   〔早め早めの対応を〕    □子どもの生活の様子や態度の変化に注意する  □何気ない会話で,親子のコミュニケーションを心がける  □親子の信頼関係に自信を持って,子どもとよく話し合う  □子どもの立場に立って,真剣に話を聞いてあげる  □子どもを守ってあげるという強い姿勢を見せる  □変化が見えた時点で,学校や教育相談室等に速やに相談する  □他の保護者から情報を得る ■ 学校と家庭と地域が連携していじめをなくす!  ■ ○明るく温かい家庭  □あいさつ、笑顔、会話を増やす  □「愛情・自立・生命」を教育の柱に  □ガミガミ叱るよりほめて励ます  □子どもにやる気と自信を持たせる  □親子で何でも話せる関係をつくる  □学校や隣近所の悪口は言わない  □心配事は早めに学校等へ相談する ○安心して楽しく学べる学校  □子どもが喜んで行き、満足して帰る  □子どもが楽しく授業に参加できる  □子ども同士で仲良く遊べる  □先生が真剣に話しを聞いてくれる  □先生が子どもを観てつかんでいる  □全校で「いじめ反対」に取り組む  □家庭や地域・各機関等と連携する ○育ったことに誇りの持てる地域  □大人も子どもも笑顔であいさつ。会話も多い。  □となりや近所で声のかけ合い、助け合いをする  □わが子も、よその子も叱り、ほめる  □大人が子どもの手本になり、自信を持って生活する  □地域の人みんなが子どもを守ろうと行動している ────────────────────────────────────── ● 峡東地域 子育て講演会 講師;文珠 紀久野(もんじゅ きくの) 先生 山梨県立大教授 日時;2月22日(木)13:30〜15:45  受付13:00〜 会場;いちのみや 桃の里ふれあい文化館 (文珠先生を招いてのセミナー;h17) 対象;保育所・園,幼稚園,学校の教職員及び保護者 等 《お問い合わせ》 峡東教育事務所 地域教育支援スタッフ пG0553-20-2737 ● 地域でやっちゃあ!子育て講演会 トーク&ライブ「夢の種まき」 講師;大野 実 先生 (おおの みのる) 京都美山高等学校長 日時;2月12日(月・休日) 1:00〜12:00 受付9:40〜 会場;笛吹市スコレー1F 対象;子育て中の保護者等約200名    ※不登校,高校中退と挫折をくり返してきた少年時代。教師になった現在,オリジナル応援ソングを弾き,夢を   持ち続けることの尊さを語る。 《お問い合わせ》 NPO法人 HappySpace ゆうゆうゆう  пG055-261-0218 hiroba@yuyuyu.org ■ こどもの年中行事 ■  日本人の生活は,四季の移り変わりとともにありました。四季を感じられることは日本人に与えられた特権でした。しかし,今,日本人が求めている「快適な暮らし」は,季節感を排除する方向に向かっているように思います。  冬は暖房,夏は冷房が行き届き,食べ物も,一年中,何でも手に入るようになったのですから,「季節感がなくなった」と嘆くのはわがままかも知れません。  でも,私たちの祖先は四季折々の行事を通して,豊かな心を育んできました。この精神的な豊かさを子ども達にも味わわせてあげたいと思います。 ●「節分」    「鬼は外,福は内」と言って豆をまけば,鬼についての知識なんかなくても,得体の知れない悪い力を追い  払い,家族を守り繁栄させていく一員としての自分に喜びを覚えるでしょう。外界に対して畏れを覚えなが  らも家族愛が育ちます。 ●「終業式」「始業式」      過去を振り返り,未来に向かって夢を育む日です。学校や子ども 任せにしないで「お父さんはこう   思うよ」とか「お母さんはこうなってほしいな」という願いを込めながら相談にのりたいものです。   押しつけはいけませんが,期待されていると感じることは,大事で   す。大晦日や正月も同じように反   省し前進する機会になります。   夢を語り合いたいものです。 ●「誕生日」  「あなたが生まれてきてよかったよ」 「家族のかけがえのない宝だよ」  という気持ちを伝える日です。子どもは,誕生日や子どもの日などを通して愛されていることを再確認しな  がら,すこやかに育っていきます。 ●「敬老の日」      親が祖父母に感謝の形を示せば,子どもも自然と親に感謝をするようになるでしょう。感謝の気持ちは日  々の生活の中で芽生えるものですが,その日は特にはっきりとした形で表すことのできる節目の日です。同じ  ようなものに「父の日」「母の日」,「両親や祖父母の誕生日」「勤労感謝の日」などがあります。  このほかにも・・・  七草,どんど焼き,春と秋の彼岸, 七夕,土用,終戦記念日,防災の日, 十五夜,ハロウィン,冬至,クリスマス,年末の大掃除や年賀状書きの日々,憲法記念日や体育の日などの祝祭日など。  これらは,みんなが知っている当たり前の行事です。でも,家族全体の行事になっているでしょうか。忙しいといってないがしろにしていないでしょうか。  大切なのは,子どもと一緒に行事を楽しむことだと思います。夏休みや冬休みの家族旅行のような大きなイベントも大事ですが,日々の暮らしを楽しむことが楽しい子育てにつながり,豊かな情緒ある子どもを育てていくのではないでしょうか。四季折々の行事には,上手に育てるのではなく,自然とうまく育っていく鍵がいくつも隠されています。(家族を思い,健康を願い,友情を育み,地域と触れあい,夢を育み,命の尊さを知る,などなど)。  そして,これらの行事を通して,親も親として成長していくのだと思います。  生活の中にある行事を見直してみると,意外とメリハリのある生活ができそうです。  季節感のある生活も十分楽しめそうです。