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■ 人間はどうして暦をつくったのでしょう。そして,どうして正月を祝ったりするのでしょう。それはたぶ ん,変化を見極められない日常に節目を付けることによって,意欲や目標を得るためなのだと思います。 だから,お父さんは「一年の計は元旦にあり」とかいって,禁煙を誓ったりするのです。  そのような意味で節目となる日はたくさんありますが,卒業式は喜びと共に過去を振り返り,未来を眺 望する貴重な節目です。この日を大切にして,新しい社会での第一歩を確実に踏み出すための手助けをし てあげたいものです。 ◆卒業はステップ・アップ  一般に卒業は,次の,より高次な社会への入口と接しています。そして,次の高次な社会に挑戦するた めには,卒業までに力を蓄えておく必要があります。  だから,例えば,保育園・幼稚園から小学校に上がるときに「何ができなければいけないの?」 と不安になったり,「今になってそんな準備はできないよ」ということも出てきます。  でも,あまり心配しないことが大事。話がしっかり聞けて返事ができるとか,自分のこと(整理整頓や 衣服の脱着など)は自分でできるとかいう基本的なことができていれば,幼稚園や保育園で出遅れてしまっ ていても大丈夫。先は長いから。小学校や中学校で出遅れたって大丈夫なこともあります。要は,子どもが, 「いつ自覚を持つか」が大事なのです。  「高校へ入ってからですよね。」とM君の父親。そういう意識を培ってきたのでしょう。見事,第一希望 の大学へ合格。親がいろいろ言うよりも自覚した子どもは強い。M君には「受験勉強は高校から」という方 針がしっかり受け止められていたのではないでしょうか。  だから,一番大切で忘れてはいけない準備は,小学校でいえば「学校は楽しいところという期待を持たせ ること」なのだと思います。(基本は中学校・高校・大学・実社会みな同じですが,特に小学校に上がると きは大事です)。 ◆卒業は巣立ち?  卒業はよく「巣立ち」に例えられますが,人間は簡単には巣立ちません。 高校生になっても,大学生になっても,場合によっては,社会人になっても。  だから,親に必要なのは,成長に合わせたサポート。実は,大人になるほど注意深いサポートが必要。子 どもが勝手に動き回るようになるから。理想は孫悟空に対するお釈迦様。自由に動いているように思えて, 実はその両手の中にいる。視線はいつも注がれている。  もっと言えば,究極の目的は立派な社会人になること。もしこれができるのなら,卒業しなくたっていい。 本人がその気になれば,高校卒業程度認定試験があったり,生涯学習社会で学習する機会はいっぱいあるの ですから…。  ゆったりと構えて,おおらかで大きな心で子育てに取り組みたいものです。 ■ 地域教育推進事業へのご協力 本当に ありがとうございました。■ 私たち,地域教育推進の業務には主に次のようなものがあります。 (1) 保・幼・小・中・高・養・大の連携の推進。 (2) 地域の子育て支援の推進と子育て講演会の開催。 (3) 情報紙「エリアウェッブ」の月1回の発行。 (4) 教育行政相談,教育相談窓口。    これらの業務のうち主なものをあげながら,1年間をふり返ってみたいと思います。 ◆峡東地域教育推進連絡協議会の開催  8月3日(木)。山梨市・甲州市・笛吹市の教育委員会や各学校,保育所・園などがさらに連携できるよ うに,峡東地域教育推進連絡協議会を設立しました。 ◆講演会,セミナー等の開催 ・8月3日(木)八代総合会館 「愛されて育った子は親を忘れない」  講師;坂本 光男 先生 ・12月5日(火) 「峡東地区の連携の在り方について」  講師;堀井 啓幸 先生 ・2月22日(木) 「最近の育児事情」  講師;文珠 紀久野 先生 <文珠 紀久野 先生の講演会より>  「今,子どもにしてあげられること」 (1) 子どもらしい環境と時間を用意。 (2) 子どもの権利,人格を大切にする。 (3) 親が子育ての貴重な体験をさせてもらっているという自覚を持つ。 (4) 自分が子どもだった時にやってほしかったことを,子どもにしてあげる。 ◆地域に開かれた学校づくりへの協力  小中学校や県立学校,産業技術短期大学校などの開かれた学校づくりに協力しました。「新しい高校入試 説明会」で中学校へ講演にも行きました。 ◆中学・高校生の職業体験受入事業所リストの作成 「高校生向けジュニア・インターンシップ受入協力事業所リスト」を作成し,峡東管内の中学校と高校に 配布しました。今後も大いに利用されることを願っています。 ◆保・幼・小・中・高・養・大の連携の推進  峡東地域の教育委員会や保育所・園,各学校等を訪問しました。また,子育て支援の関係団体や子育てサ ークルなども取材をし,多くの情報を得ることができました。 改めて異校種間の連携の重要性,地域の子育てをしっかり応援することの大切さを痛感しました。 ◆地域教育情報紙「エリアウェッブ」の 作成と配布  年間12回,各回1200部を印刷し,管内の保幼小中高,短大,教育関係機関,県庁関係課等へ配布しまし た。  多くの保育所・園,学校等で増し刷りをし,職員の方や各家庭へ配布していただきました。又,電話やメ ールなどで多くの感想・ご意見をいただき,大変参考になりました。  このように,本年度の事業を無事に終えることができたことは,関係者の方々の多くのご協力・ご支援を いただいたおかげだと思います。本当にありがとうございました。 ────────────────────────────────────── 峡東教育事務所 地域教育推進 志 村 篤 男 中 込 富 夫 宮 ア   靖 ────────────────────────────────────── ┌─────────────────────────┐ │ 声かけて 声かけられて 広がる輪 ! │ │ おはようで 今日も始まる 明るい一日 │ └─────────────────────────┘