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本人が納得した上で決めてください。」 「母さんが行けと言ったから」「先生がやめろと言ったから」ではなく,最後は本人が納得して決めることが基本です。    別の女の子の話です。     Hさんは成績は中くらいでまじめな生徒でした。しかし,授業中ほとんど手を挙げず,発言しても本当に小さな声でした。   彼女には希望の高校があったのですが,少し難しい状況でした。  懇談の後,家族でよく話し合い,最終的には本人が納得してC高校へ進学したのです。   しばらくして,彼女のお母さんから1通の手紙をもらいました。   彼女は,学級でもトップクラスの成績になったそうです。何よりも自信がついたのか,授業中も発表が多くなり,学級の役員にも立候補し,家庭でもよく話をし,以前の彼女とは別人のように明るくなったそうです。   C高校へ進学して本当に良かった,という内容の手紙でした。    『どの高校へ行くのか』 それはとても重要なことだと思います。でも,それが全てではありません。  「長い人生の3年間をどう過ごすのか」まず自分に合っているのか。そして校風や部活動など,いろいろな角度から希望の高校を検討してみることが必要です。 ■ 高校受検について考えてみました ■   7月から9月にかけて,高校の学校説明会や受検説明会が行われました。中学3年生の皆さんは,いくつかの説明会に参加した中から,意中の高校を決め,希望に燃えて学習に励んでいることと思います。また,先日,第1回の進路希望調査の結果が出ましたので,いよいよラストスパートに入ることと思います。  私も,峡東地域の各高校の説明会に時間の許す限り参加させていただきましたが,各高校とも,例年以上に内容の濃い説明会が行われていました。仕事柄,高校を訪問する機会も多いのですが,各高校とも生徒がよく挨拶をしてくれます。授業の様子も落ち着いていて「どの高校に我が子を進学させても大丈夫だな」などと思ったりしていますが,説明会でその雰囲気は伝わったでしょうか。 いずれにせよ,11月上旬には,公立高校の募集定員が発表され,12月20日(基準日)の第2回進路希望調査を経て,1月12日から前期募集が開始されます。この11月・12月の2ヶ月間は中学3年生にとっては進路決定の最も重要な時期です。  そこで,説明会も一段落ついた今,少しでも判断の材料が提供できればと考え,高校受検について考えてみました。 ● 情報取得について     今後は,中学校の先生からの情報取得が中心になるのではないでしょうか。  中学校の先生方は,高校その他から,いろいろな情報を多角的に得ています。特にこの時期は,中学校に情報が集まりますし,分からない点については,高校や教育委員会に問い合わせてくれるはずです。また,中学校の先生の意見は,生徒の普段の様子や成績・特性を知ったうえでの客観的な意見です。十分に活用したいものです。  なお,情報の扱いで注意しなければならないのは,情報はあくまで情報だということです。あらゆる方面から情報を収集し,最大限に利用しながらも,最後は保護者と子どもでよく相談して,主体的に判断することが大事だと思います。  また,判断するうえで,子どもに期待してあげることは大事ですが,保護者の期待を押しつけるのはよくないと思います。高校生活を送るのは子どもなのですから,子どもが納得する形で考えたいものです。自分が納得して決めたことには「覚悟」が伴いますので,受検勉強もはかどるでしょうし,何よりも高校に進学してからの意欲に違いが出てきます。 高校選択エピソード ┌──────────────────┐ │ Eくんは,勉強が好きではないと  │ │ いう理由で工業高校に進学しました。 │ │ しかし,実習や検定のための学習は │ │ 意外と楽しく,卒業時にはいくつも │ │ の資格を取得するまでになりました。 │ │ 今は地元の建設会社の中堅として頑 │ │ 張る傍ら,地域の野球チームの中心 │ │ 選手になっています。 │ │ ───────────  │ │  中学時代に成績優秀だったIさん │ │ は希望の高校に進学しました。しか │ │ し,進学してみると回りは優秀な生 │ │ 徒ばかりで,そのプレッシャーから │ │ 不登校になってしまいました。彼女 │ │ は転校していきましたが,その後立 │ │ ち直り,国立大学に進学したそうで │ │ す。 │ │ ───────────  │ │ Kさんは,中学時代はあまり成績 │ │ がよくありませんでした。しかし, │ │ 彼女は,どうしても学校の先生にな │ │ りたくて,周囲の反対を押し切って │ │ 実力より上の普通高校に進学しまし │ │ た。初めはいくら頑張っても成績が │ │ 上がりませんでしたが,努力が実っ │ │ て,2年の中頃から成績が上がりは │ │ じめました。今は関西の教育大学に │ │ 行っています。 │ └──────────────────┘ ● 前期募集について         前期募集は得意分野を評価する検査です。各高校で定める「区分」を得意として志望してくる人たちばかりですから,その「区分」の中で,ほんのちょっとできるからという程度では,太刀打ちできないこともあるかもしれません。そのうえ,いくつかの「区分」があり,スポーツの区分を例にとると,その中にいくつもの競技があります。各区分,各競技ごとの合格者はそんなに多くはならないのではないでしょうか。  また,学習の区分や後期募集で入学する生徒との勉強の実力差はどうでしょう。成績が低くてあまりにもかけ離れているようなら,検討し直す必要があるかもしれません。入学後,常に最下位の成績では高校生活が楽しくありません。その上,成績が悪かったり,出席日数不足だと留年や退学になることもあります。  前期募集は自己推薦ですが,担任の先生や顧問の先生に相談したりして,自分の力を客観的に判断したうえで志望するのが良いと思います。  ところで,実は,これからの4ヶ月間が,これまでの学習を基礎として,実力が大きく伸びる時なのです。前期募集に集中することは大事ですが,後期募集のための学習も忘れないでほしいと思います。両方を同時に行うのは難しいことですので,時間配分や家族のサポートが大事です。例えば,面接の練習相手や作文の批評をしてあげることは,ほんのちょっと時間を工夫すれば,誰でもできるのではないかと思います。 ● 保護者にできること   保護者にできることは意外と少ないと思っている方もいるかもしれません。実行するのは子どもなのですから…。でも,保護者は子どものいちばんの応援団です。   まず,保護者にできることは,子どもの将来について,一緒に調べたり,悩むことです。保護者との一体感,これが安心して受検できる下地です。蛇足ですが,保護者が子ども以上に思いこんでしまって子どもの思いや実力を無視してしまうことがあります。子どもと同じ気持ちで真剣に必死になりながらも,人生の先輩として客観的に判断し,アドバイスしてほしいと思います。   次に,心身の状態を整えてやることができます。これは,特別なことは不要です。普段と同じ生活,家庭円満がキーワードです。特に試験前は精神的にも不安定になり,体調も崩しやすいので,保護者のサポートは重要です。 ┌─────────────────────────────────────┐ │峡東地区子育て講演会 │ │ 「保幼小中高の連携を考えよう」 │ │  │ │ 山梨県立大学の堀井啓幸先生をお招きして,いま求められている学校や家庭の│ │ 在り方,教師や保護者の姿などについてのお話を伺います。明日の教育が見えて│ │ くる講演会になると思いますので,ふるってご参加ください。 │ │ 参加を希望される方は峡東教育事務所(0553-20-2737)まで御連絡ください。│ │ │ │  と き 平成18年 12月5日(火) 受付;午後2時15分より2時45分 │ │  ところ 山梨市民会館(山梨市万力1830) │ │ │ └─────────────────────────────────────┘ ● 後期募集について          今年度までの入学者選抜では,推薦で落ちるとショックを受けて学力検査でその高校を受検しない人がいました。しかし,19年度からの,前期募集と後期募集は全く別の内容の検査です。判断する材料が違うのですから,前期で評価されなくても後期で評価されることは十分にあります。前期で落ちたとしても,その高校が落ちた人を必要としていないのではないのです。高校は多様な入試スタイルを提供することで,多様な人材を求めているのです。万一前期に落ちてしまっても,くよくよすることはありません。気持ちの切り替えをしっかりして,後期募集に臨んでほしいと思います。 ● 再募集について           これまでもそうでしたが,推薦と学力検査で定員が満ちてしまう高校や学科がありました。このことは,前期・後期制の入学者選抜になっても変わらないと思います。場合によっては,希望の高校や学科,近くの高校が再募集を行わないことも考えられますので事前にしっかり検討して,再募集を受検しないで済むような選択をしたいものです。  しかし,万全の準備をしていても,例外の事態が起こることはありえます。保護者は,いくつかの候補を考えておくこと,再募集検査の日程を確認しておくこと,再募集が必要になってしまったときに備えて,子どもや学校と相談できる時間を確保しておくことなど,万が一の場合を考えておきたいものです。 ┌─ <地域の高校?> ──────┐ │ │ │ 地元をひいきするわけではありま │ │ せんが,地元の高校には地元の良さ │ │ があります。通学の苦労が少ない, │ │ 友人も多く進学し将来的にも地元に │ │ 友人が多い,高校の情報が入手しや │ │ すい,何かあってもすぐ対応できる │ │ などです。些細なことですが,これ │ │ が意外と重要な意味を持つことがあ │ │ ります。地元以外を検討するとき, │ │ これらの要素を超えて,進学する値 │ │ 打ちがあるのかどうかを考えてみる │ │ のもいいかもしれません。 │ └─────────────────┘ ┌─ <高校を選んだ理由は?> ──┐ │   │ │ 「制服がかっこよかったから」 │ │ 「友達の○○さんも進学したから」│ │ 「甲子園に応援に行けそうだから」│ │ 「○○や××が進学しないから」 │ │ 「勉強したくなかったから」 │ │ 「みんなが進学するから」 │ │ 「高校くらい出ておかないと…」 │ │ │ │ 目的意識を持って進学する生徒ば │ │ かりではありません。でも,彼らも,│ │ しっかり高校生活を送り卒業してい │ │ きます。社会に出てからやっと人生 │ │ の目的を見つける人もいるのですか │ │ ら,少し位の遠回りは仕方がないの │ │ かもしれません。包容力を持って, │ │ 大きな心で見守りたいものです。 │ └─────────────────┘ ┌──────────────────────────────────┐ │声かけて 声かけられて 広がる輪 !! │ │ 「おはよう」で始まる 明るい一日 │ └──────────────────────────────────┘