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 それは次の5つのメッセージを伝えることです。 1 あなたを信じている(信頼) 2 あなたならきっとできる(自信) 3 あなたをいつも見守っている(安心) 4 あなたはとても大切だ(存在感) 5 あなたは自分で決められる(事由)  こんな励まし方はどうでしょうか? 「一生懸命勉強して100点とったら,あなたの好きな物を買ってあげるね。」 「しっかりやらないとお父さんに怒ってもらうからね。」  これは「励まし」ではなく,「アメとムチ」「褒美と脅迫」です。これでは,見返りがないと動かない,怖いから行動する子どもになってしまいます。  また,「子どもが伸びるしつけ」の4つのステップも紹介しておきましょう。   1 まず,子どもがやってしまったことをはっきりさせる。 2 次に,子どもを問題の当事者にする。 3 子どもが自分で問題を解決するための選択肢を与える。 4 子どもの尊厳を傷つけない。  例えば,ガラスを割ってしまった子どもに,こんな風に接してみてください。 1 「ガラスを割ってしまったんだね。」 2 「あなたが遊んでいて,不注意で割ってしまったんだね。」 3 「あなたならこの問題を解決できるはず。例えば○○と,□□とどっちの方法がいいと思う?」 4 「いつもは慎重なのに,今日は失敗したね。気をつけよう。でも,ケガがなくて安心したよ。」  子どもだからと言って,やたらと叩いたり,怒鳴ったりしていいはずはありません。子どもが苦痛を感じるのなら,しつけとは言いません。サーカスの動物の調教とは違うのです。子どもたちが納得するように叱り,失敗から立ち直るよう手助けをしてあげてください。 ── ■ ある朝の親子の姿…。 ■  まだまだ寒いある朝,車で職場へ向かおうとして信号待ちをしていたときのことです。ふと横を見ると,寒い中,一組の親子が細い路地に立っていました。  どうも,集団登校のグループを待っているようです。まだ小学校2,3年生ぐらいの男の子とお母さんが,何も話さず,じっと抱き合って寒さをしのいでいました。男の子はお母さんの胸の中で,暖かい布団にくるまっているような,実に安心した顔をしていました。  登校までのわずかの時間に,たくさんのエネルギーをもらっているようです。  信号が青になり,車を走らせたのですが,まだその場にいたいような,そんな心温まる雰囲気でした。    子どもに投げかけるどんな言葉よりも,母親の温かい抱擁に勝るものはないと改めて感じた朝の出来事でした。 ■ 大野実氏「子育て講演会」 ■ 2月12日(月)石和スコレーセンターで,京都美山高等学校長の大野実先生の講演会が行われました。ご自分の生い立ちから,家庭教育,学校教育,いじめ問題などを中心に話されました。14年間もラジオのパーソナリティをなさっているだけあり,軽快なテンポの話で,あっという間に終了の時間になってしまいました。 講演の中で歌われたオリジナル応援ソングも,子どもたちへの熱いメッセージを感じさせるものでした。  大野先生の話の中に,いくつか心に残る言葉があったので紹介しておきます。 (※ 以下,〜と〜の間が大野先生の講演での言葉です) 〜大人が楽しくなければ,子どもも楽しくない〜  子どもたちが身近に接する大人はまず親,そして学校の先生,地域の人達です。 楽しく生き生きとした大人の姿を見せることは,これから大人になろうとしている子どもたちが明るい夢を持つ上でとても大切なことだと思います。  暗いニュースが多かったら,それ以上に,明るい,元気の出る話を子どもたちにしたいものです。 〜「自分に自信を持たせること」が,教育の基本であり,大切なこと〜  そのために大切なこと。 1 安心できる家庭や学校であること 2 子どもを認め,ほめ,励ますこと 3 自分の思いや願いを表現すること  子どもたちは,その年齢なりに精一杯成長しようと努力しているはずです。近くにいる大人が,子どもたちを温かく見守って,励ましていきたいものです。 〜だれでもある「3びきのタイ」 「認められタイ」「ほめられタイ」「人の役に立ちタイ」〜  これは大人だってあります。この「タイ」を無視されたとき,人は落ち込んだり,イライラしたりします。子どもだって同じです。気持ちが安定し,満足しながら育った子は,人にやさしくできる人になるでしょう。逆に不満ばかり持って育った子は,攻撃的になり,他人をいじめたりする人になるでしょう。 〜失敗しても許される世の中に〜  一つ失敗すると,立ち上がれないくらい非難されることがあります。だから,大人が危険を取り除いたりして,子どもが失敗しないようにします。でも,失敗から学ぶことはとても多いはずです。  失敗を知らずに大人になることは,温室育ちの観葉植物を,寒風吹き荒れる嵐の中に置くようなものです。 〜今,学校に求められていること〜 1 みんなで一つのことをやり遂げることをする 2 目立たない,おとなしい生徒こそ大切する   確かに学校の持つ大きな意味の一つは,「みんなで学び,生活する」ことです。教育は,一人一人に「生きる力」を身につけさせることを目的とします。  でも,学校や学級の行事をみんなでやり遂げたときの喜びや感動は,大変貴重なものです。そうした体験が本人の大きな自信にもなります。  また,表面的に目立たない子だって,いろいろな悩みを抱えている場合があります。大人はアンテナを高くして,子どもたちの中に入り,じっくり子どもたちの声を聞く姿勢を持ちたいものです。  右の写真のように,参加者も大野先生から,多くの元気をもらいました。  やはり私たち大人自身が,明るく,笑顔で生活することが大切ですね。  元気パワーのバトンを,身近な人たちから渡していきたいものですね。 ■ ろう学校の交流教室 ■    「山梨県立ろう学校」では,同世代の集団や地域での活動を通して,子どもたちの生活経験を拡げ,社会性を伸ばすために,峡東地域の学校や施設等と幅広く交流を行っています。  幼稚部から高等部,生徒会や寄宿舎まで,交流の形も様々ですが,その数,年間約90日。内容は,教科学習での授業交流や行事への参加に始まり,勤労体験学習,部活動やボランティア活動,体験活動等多岐にわたっています。  一口に,交流の推進と言いますが,実現に至るまでには,交流先の理解,行事や教育課程の調整,移動時を含めた安全の確保など様々な課題があります。また,実施にあったっても,毎回綿密な打合せを行い,場合によっては保護者の協力も得て,実施します。  一連の教育改革の中で,「特殊教育」も「特別支援教育」に移行するなど,ろう学校の先生方の業務も確実に増えています。その中で,これだけの交流ができるのは,長い間の積み重ねと職員・保護者の努力の賜物だと思います。  交流先の方々が「特別な活動ではなく,自然に交流している」と口を揃えられている点に,この交流の歴史の重みと意義を感じます。 ■ 「他人の不幸の上に,自分だけの幸せを築くことはできません。」 ■  昨年末に放映された事実をもとにしたテレビドラマ: 「遙かなる約束」の中でクラウディァというロシア人女性が言った言葉です。 第2次世界大戦の終戦の中,ソ連から逃げる途中,離ればなれになった夫を日本で待ち続け,懸命に娘を育てる妻。一方,スパイの容疑をかけられ,日本に帰ることを断念し自殺まで図った夫。そんな彼を絶望の淵から救ったロシア人女性がクラウディァなのです。彼女は彼を必ず日本に帰すと決心します。長い年月が流れ,二人は結婚をします。しかしクラウディァは,日本の妻のことを調べ,彼に彼女が生きていることを知らせます。  帰国をためらっている彼に言ったのが次の言葉です。 『他人の不幸の上に,自分の幸せを築きたくない』  彼女は帰国の手続きをしにモスクワまで行きます。でも彼が帰国するための条件は離婚することだったのです。最愛の夫と離婚までして,彼を日本の妻のもとへ帰したのでした。彼と日本の妻はクラウディァに心から感謝をし,手紙のやりとりをし,その後日本に招いたそうです(実際の映像も流れていました)。  自分の幸せを求めるのは自然なことです。でも,最近のニュースを観ると,他人の不幸の上に自分の幸せを築こうとする事件が非常に増えてきた気がします。ライブドアなどの金融問題,耐震偽装問題,おれおれ詐欺,飲酒運転・ひき逃げ事故の多発,いじめ・自殺問題など,恐ろしい事件や問題が毎日のように茶の間に飛び込んできます。これらは,人々をだまし,ごまかし,隠し,傷つけて自分の欲求を満足させたり,ストレスを解消しようとしたりするものです。何か「人間の潔さ(いさぎよさ)」がだんだん失われてきているような気がします。    このような社会の変化の中で,最大の被害者は子どもたちです。大人社会の問題を子どもの社会問題に見事に映し出していると思います。特に,去年から今年にかけて大きな問題となった「いじめ問題」も,人の不幸の上に自分の幸せを築いていることではないでしょうか。違うのはいじめてる本人も,決して幸せではないということです。いじめを子どもだけの問題としないで,社会の大人の問題として真剣に考えなくてはならない時期に来ていると思います。   ■ 「いじめ育て」をしていませんか? ■  ある本の中に次のような文章がありました。    いじめは「いじめ育て」が原因。  (1)兄弟や他人と比べて育てる。  (2)感情的に怒ったり,叩いたりして育てる。  (3)人より勝ったときにほめ,負けたときには叱る。  (4)仕事や家庭の悩みを子どもにぶつけながら子育てをしている。      そんなことが全て「いじめをする子ども」に育てている。特に親の生き方が,子育てに反映する。 (父親)会社でいやなことがあり,酒を飲んでグチをこぼす。家で妻や子どもにあたり,時には暴力もふるう。 (母親)子育てや近所付き合いで悩み,相談しようにも夫は残業や飲み会で遅い帰宅。ついイライラして子どもを怒鳴ったり,時には手を出したりしてしまう。  こうした親のストレスや不安が子どもに伝わり,少しずつ子どもは暴力的な子どもになっていくと言うのです。  いじめの問題が多く報道されたとき, 「うちの子はいじめられていないか。」 と心配した人は多いでしょう。でも, 「うちの子はいじめていないか。」と考えた人はどれくらいいるでしょうか。  子どもに聞いたとしても「ぼくは手を出したり,悪口を直接言っていないよ」と言われ,「うちの子はいじめてない」と安心したお母さんもいるかもしれません。でも,クラスにいじめられて悩んでいる子がいるのに,何も感じない,何もしないわが子であっても,「よかった」と本当に思えるでしょうか。  砂漠のような家庭に育った子は,サボテンのようにとげを持ち,人を傷つける子どもになります。  「やさしさ,思いやりの心」は自然には育ちません。親や教師,地域の大人がやさしい家庭や学校,地域社会をつくり,一つ一つ子どもに体験させ,教えていくことで豊かな心は育つのではないでしょうか。 ─────────────────────────────────────  「あっ!もしかして いじめかも。」  〔家庭でのチェックポイント〕    □学校の話をさけるようになる  □友達のことを話さなくなる  □登校時に身体の不調を訴える  □感情の起伏が激しくなる  □家族や物にあたりちらす  □寝つきが悪く,寝不足になる  □急に食欲がなくなる  □下校後の服の汚れや破れが目立つ  □持ち物にいたずら書きがある  □ケガやキズを負って帰ってくる  □電話を受けた後,落ち着かない  □突然「友達」に呼び出される  □人に物を貸すことが多くなる  □家からお金を持ち出す        ↓   〔早め早めの対応を〕    □子どもの生活の様子や態度の変化に注意する  □何気ない会話で,親子のコミュニケーションを心がける  □親子の信頼関係に自信を持って,子どもとよく話し合う  □子どもの立場に立って,真剣に話を聞いてあげる  □子どもを守ってあげるという強い姿勢を見せる  □変化が見えた時点で,学校や教育相談室等に速やに相談する  □他の保護者から情報を得る ■ 学校と家庭と地域が連携していじめをなくす!  ■ ○明るく温かい家庭  □あいさつ、笑顔、会話を増やす  □「愛情・自立・生命」を教育の柱に  □ガミガミ叱るよりほめて励ます  □子どもにやる気と自信を持たせる  □親子で何でも話せる関係をつくる  □学校や隣近所の悪口は言わない  □心配事は早めに学校等へ相談する ○安心して楽しく学べる学校  □子どもが喜んで行き、満足して帰る  □子どもが楽しく授業に参加できる  □子ども同士で仲良く遊べる  □先生が真剣に話しを聞いてくれる  □先生が子どもを観てつかんでいる  □全校で「いじめ反対」に取り組む  □家庭や地域・各機関等と連携する ○育ったことに誇りの持てる地域  □大人も子どもも笑顔であいさつ。会話も多い。  □となりや近所で声のかけ合い、助け合いをする  □わが子も、よその子も叱り、ほめる  □大人が子どもの手本になり、自信を持って生活する  □地域の人みんなが子どもを守ろうと行動している ────────────────────────────────────── ● 峡東地域 子育て講演会 講師;文珠 紀久野(もんじゅ きくの) 先生 山梨県立大教授 日時;2月22日(木)13:30〜15:45  受付13:00〜 会場;いちのみや 桃の里ふれあい文化館 (文珠先生を招いてのセミナー;h17) 対象;保育所・園,幼稚園,学校の教職員及び保護者 等 《お問い合わせ》 峡東教育事務所 地域教育支援スタッフ пG0553-20-2737 ● 地域でやっちゃあ!子育て講演会 トーク&ライブ「夢の種まき」 講師;大野 実 先生 (おおの みのる) 京都美山高等学校長 日時;2月12日(月・休日) 1:00〜12:00 受付9:40〜 会場;笛吹市スコレー1F 対象;子育て中の保護者等約200名    ※不登校,高校中退と挫折をくり返してきた少年時代。教師になった現在,オリジナル応援ソングを弾き,夢を   持ち続けることの尊さを語る。 《お問い合わせ》 NPO法人 HappySpace ゆうゆうゆう  пG055-261-0218 hiroba@yuyuyu.org ■ こどもの年中行事 ■  日本人の生活は,四季の移り変わりとともにありました。四季を感じられることは日本人に与えられた特権でした。しかし,今,日本人が求めている「快適な暮らし」は,季節感を排除する方向に向かっているように思います。  冬は暖房,夏は冷房が行き届き,食べ物も,一年中,何でも手に入るようになったのですから,「季節感がなくなった」と嘆くのはわがままかも知れません。  でも,私たちの祖先は四季折々の行事を通して,豊かな心を育んできました。この精神的な豊かさを子ども達にも味わわせてあげたいと思います。 ●「節分」    「鬼は外,福は内」と言って豆をまけば,鬼についての知識なんかなくても,得体の知れない悪い力を追い  払い,家族を守り繁栄させていく一員としての自分に喜びを覚えるでしょう。外界に対して畏れを覚えなが  らも家族愛が育ちます。 ●「終業式」「始業式」      過去を振り返り,未来に向かって夢を育む日です。学校や子ども 任せにしないで「お父さんはこう   思うよ」とか「お母さんはこうなってほしいな」という願いを込めながら相談にのりたいものです。   押しつけはいけませんが,期待されていると感じることは,大事で   す。大晦日や正月も同じように反   省し前進する機会になります。   夢を語り合いたいものです。 ●「誕生日」  「あなたが生まれてきてよかったよ」 「家族のかけがえのない宝だよ」  という気持ちを伝える日です。子どもは,誕生日や子どもの日などを通して愛されていることを再確認しな  がら,すこやかに育っていきます。 ●「敬老の日」      親が祖父母に感謝の形を示せば,子どもも自然と親に感謝をするようになるでしょう。感謝の気持ちは日  々の生活の中で芽生えるものですが,その日は特にはっきりとした形で表すことのできる節目の日です。同じ  ようなものに「父の日」「母の日」,「両親や祖父母の誕生日」「勤労感謝の日」などがあります。  このほかにも・・・  七草,どんど焼き,春と秋の彼岸, 七夕,土用,終戦記念日,防災の日, 十五夜,ハロウィン,冬至,クリスマス,年末の大掃除や年賀状書きの日々,憲法記念日や体育の日などの祝祭日など。  これらは,みんなが知っている当たり前の行事です。でも,家族全体の行事になっているでしょうか。忙しいといってないがしろにしていないでしょうか。  大切なのは,子どもと一緒に行事を楽しむことだと思います。夏休みや冬休みの家族旅行のような大きなイベントも大事ですが,日々の暮らしを楽しむことが楽しい子育てにつながり,豊かな情緒ある子どもを育てていくのではないでしょうか。四季折々の行事には,上手に育てるのではなく,自然とうまく育っていく鍵がいくつも隠されています。(家族を思い,健康を願い,友情を育み,地域と触れあい,夢を育み,命の尊さを知る,などなど)。  そして,これらの行事を通して,親も親として成長していくのだと思います。  生活の中にある行事を見直してみると,意外とメリハリのある生活ができそうです。  季節感のある生活も十分楽しめそうです。