□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□■■■■■□■□□□■□■■■■■□□□■□□□□□□□□□□□□□□□□□□■■□□□ □□□□□■□□□■□□□■□□□□□■□■■■■■□■■■■■□■□■□■□■■■■■□□□ □□□□□■□□□■□□□■□□□■□■□■□□□■□□□■□□□■□■□■□□□□□■□□□ □□□□□■□□□□□□■□□□□■□□□□□□■□□□□■□□□□□□■□□□□□■□□□□ □□□■■■■■□□□■□□□□■□□□□□□■□□□■■■■■□□□■□□□□□■□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □地域教育情報紙『エリアウェッブ』第27号 (平成18年(2006年)6月16日発行) □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□峡東教育事務所地域教育推進担当(TEL 0553-20-2737/FAX 0553-20-2733)□ ◎ 回覧・配布をお願いします。増す刷り配布はご自由にどうぞ。   ◎ この情報紙は山梨県庁のホームページでも掲載中です。           http://www.pref.yamanashi.jp/barrier/html/kyoiku-hym/index.html ■ すずめの子育て… ■   毎年春になると,すずめが我が家の玄関先に巣を作ります。はじめの頃は,「毎年毎年,困ったものだ。」と思っていましたが,そのうちに「こんな我が家の玄関先でよかったら使ってくれ。」という気持ちになってきました。  今年も巣を作って,毎日えさを運んでいます。するとある日「チュン,チュン」と,かわいい声が聞こえてきたのです。「元気よく育っているな。」と思って見ていると,巣の中から親鳥が顔を出しました。私は,その親鳥の姿を見て「あっ。」と声を上げそうになりました。身体は,げっそりとやせこけ,羽はぼさぼさで,何ともみすぼらしい姿だったのです。  この親すずめは,一日に何回,いや何十回とえさを取っているはずです。でもその大半を,巣の中で待っている子どもたちに与えてしまっているのでしょう。  子を思う親すずめの愛情に心を打たれる思いでした。同時に,子育ては我が身を削るぐらいの覚悟が必要だと言われているようでもありました。  きっと,どの親も「我が子を愛している」と言うでしょう。しかし,「どれくらい子どもを愛していますか?」と聞かれたら,どのように答えますか。 「すごく愛しているよ」,「めちゃめちゃ愛している」…。改めて質問されると難しいですね。ある教育学者は,「自分の時間を,どれだけ子どものために使ったのかで表すことができる」と言います。「なるほど。」と思います。  例えば,次のような子育てをしてはいないでしょうか。 ・子守歌をラジカセやビデオに代用させて,子どもを寝かせている。 ・休日なのに,親は自分の趣味に忙しくて,子どもと遊んだりしない。 ・子どもが,ゲームばかりしていてもほったらかしにすることが多い。 ・朝,子どもより遅く起きることが多く,朝食はあまり作らない。 ・店屋物やレトルト食品の食事が多い。  子どもたちは,「親の声,表情,肌の感触やぬくもり,親がどれだけ自分と過ごしてくれるか」などから親の愛情を感じ取るものです。    子育ては,いい加減な気持ちや,片手間ではできません。テレビやゲームが代われるはずはないのです。  「我が子を立派に育てるんだ。」  「絶対に一人前の人間に育てる。」  そんな親の覚悟や真剣さが,必ず子どもたちに伝わることでしょう。 ┌───────────────────────────────────┐ │ 声かけて 声かけられて 広がる輪 !! │ │  「おはよう」で始まる 明るい一日 │ └───────────────────────────────────┘ ■  地域の中で育つ子どもたち ■    青少年犯罪の低年齢化が多く報道されています。「もっと豊かな心を育てなくては」「子どものしつけがなっていない」。その度に,このような声を耳にします。果たして今の子どもたちは,本当に世間で言うほど心が荒れているのでしょうか。  実は,こんなデータがあります。山梨県はボランティア活動の年間行動者率が39.1%で,なんと全国1位なのです(2001年・15歳以上)。3人に1人が何らかのボランティアの体験をしているということです。峡東地域の2校の例をご紹介します。 ◇地域の廃品回収に参加する浅川中学校の生徒(5月21日笛吹市八代町)  毎年2回,八代町南区の廃品回収に,南区在住の生徒が参加をしています。その日は日曜日の朝で,まだ眠そうな生徒も何人かいました。  各家庭から出された廃品をいっぱい積み込んだ軽トラックが,次々と集荷場に入ってきました。  すると今度は,駐車場で待機していた生徒たちが,新聞,広告など,種類別に 業者のコンテナに積み込みます。  だれ一人さぼっている子はいません。朝,眠そうな顔をしていた子どもたちも,実にいい顔をして作業していました。  あるお年寄りが,「腰が痛いもので,本当に助かります。」と,顔をほころばせながら言っていたのが印象的でした。 ◇地域のジベ処理作業に参加する勝沼中学校の生徒(5月22日甲州市勝沼町)  甲州市の勝沼町でも,2日間にわたり, 勝沼中の2年生が,町内のぶどう園のジベ処理の手伝いをしました。  ジベレリンとは種なしブドウを作るのに使う植物ホルモンです。房全体にしっかりつけないと,うまく成熟した種なしブドウができないそうです。  手が真っ赤になったり,首や腰が痛くなったりして大変な作業です。  参加生徒88名のうち,約半数が農協を通じて依頼された農家の畑に,残りの生徒は自宅や親戚又は友達の農園へ手伝いに行きました。 「親の苦労がよくわかった。」 「大変だったけど楽しかった。」 「農家の人の役に立てて良かった。」 このような感想が多かったそうです。  「自分が地域の役に立っている」。こうした意識と実際の体験が,子どもたちに「やる気」と「自信」をつけさせることになります。  ここに紹介した2つの学校以外に,すばらしい活動を実施している学校が数多くあると思います。是非多くの情報を,峡東教育事務所までお寄せください。 お年寄りがキラキラ輝く地域づくり ■ 山梨県ことぶき勧学院〜ある授業風景〜 ■  子どもたちだけでなく,お年寄りも様々な場所でがんばっています。子どもたちやお年寄りが生き生きとしている地域は,まず生活しやすい所と言っていいと思います。  「ことぶき勧学院」東八代学園・東山梨学園の様子を取材しました。お年寄り,いや学生さんたちのキラキラした表情が印象的でした。 「健康づくり・仲間づくり」教室            《東八代学園》  「先生,週間天気予報じゃあ 雨かもしれんよ。」  グランドゴルフを楽しみにしていた学生さんたちの心配が的中し,当日は雨になってしまいました。そこで急きょ室内ゲームになりました。年に18回ある授業のうち,1・2年生が親しくなり,心や体のふれ合いが出来る唯一の授業です。初めは,緊張でなかなか話もしません。(学生さんたち,案外「シャイ」かも)  しかし,「挨拶ゲーム」や「人間知恵の輪」などを通して,次第に和やかな雰囲気になってきました。  普段は難しい講義が多いのですが,時には写真のように「健康づくり・仲間づくり」をしています。1年生が木曜日,2年生が火曜日に,八代町の八代総合会館で勉強しています。是非一度見学に来てください。  「陶芸クラブ」            《東山梨学園》 「知り合いから,お皿を5枚も頼まれちゃったのよ。」 「おれは孫からせがまれちゃったよ。」 「これで焼酎を飲むとうまいぞ。」  楽しい会話を交えながらも,手は忙しく動いています。こねたり,切ったり,貼ったりと,とても忙しそうでした。陶芸の先生の教えを聞く表情も真剣そのものです。  会員の方の中には設計図を作り,それに基づいて制作している几帳面な方もいらっしゃいました。  わずか2時間ほど見学させていただいただけでしたが,仲良しのメンバーと,自分たちの好きな事をすることの楽しさが十分伝わってきました。  ■ 「たかが朝食。されど朝食。」 ■  先日,ある保育園の先生と話をしていて,驚いたことがあります。それは,最近,朝から「ぼーっ」としている子どもが多いということです。理由はいろいろありますが,まず家族全員寝るのが遅く,朝食を食べて来ない子どもが最近増えてきているという話でした。  朝食というと,何か「軽い食事」というイメージで,「朝ぐらい抜いてもいいか。」と安易に考えがちですが,実は朝食はとっても大切なのです。 ◇すばらしい朝食の力!   一日のスタートの活力源として朝食には次のような働きがあります。 1.脳を活発に働かせる  一晩で脳のエネルギーはほとんどなくなってしまいます。朝食を食べることによって,脳にエネルギー(ブドウ糖)が送られ,しゃきっとした頭になる。 2.下がっている体温を上げる  寝ている間に下がった体温を上げて,脳や身体を活発にすることができる。 3.朝の排便の習慣をつける  朝食をとることによって,排便の習慣がつき,体調や生活のリズムを整えることができる。 4.午前中の大切なエネルギー源  朝食を食べることで,昼までのエネルギーを確保する。それによって、運動や勉強がしっかりできる。 ◇朝ごはんを食べないと…   朝食をとらないと次のようなことが 多くなります。   @疲れやすく,肥満になりやすい   A遊びや勉強に集中できない   Bコレステロール値が上がる   Cお腹がすいてイライラする D落ち着きがなく,けがをしやすい ◇家族まとめて,  「早寝,早起き,朝ごはん」   しっかりした朝食をとるためには,それなりの時間が必要です。   そのために,親は多少早く起き,前の晩も早く寝なければなりません。すると自然に子どもも早く寝る習慣がつきます。   つまり,このような生活のリズムを家族全員が身につけることで,しっかりと朝食も取れると言うわけです。 ◇子どもたちは,「親の愛情」 もいっしょに食べている。   朝,家族全員で「いただきまーす」。  共働きが多い近年では,なかなか難しいことかもしれません。   でも,みんなで早起きしてみる。ゆとりをもって今日はいつもよりちょっと手の込んだ朝食を作ってみる。栄養のバランスがとれていれば,そんなにこった食事でなくていいと思います。   なぜなら,子どもたちは,親が食事を一生懸命苦労して作ってくれたことに感謝の気持ちを持つからです。   つまり,お腹がいっぱいになると同時に,心もいっぱいになるわけですね。 ──────────────────────────────────────  〜子どもたちの安全は地域で守る〜   子どもたちを守るために,地域,家庭,学校の連携がさらに必要となってきました。  去る6月8日には,山梨市民会館で「スクールガード養成講習会」が開催され,峡東地区管内の教育関係者や防犯ボランティアの方々約70名が参加しました。 ──────────────────────────────────────  講師の先生からは,次のような取り組みの重要性が話されました。  @危険な場所を発見し,取り除く  A不審者のいやがることをする   (目立つ服装・どんどん声かけ)  B商店等へのあいさつを忘れない  C子どもたちへの頻繁な声かけを  Dきれいな町には犯罪が少ない  また,日下部警察署の生活安全課長さんからは,不審者についての情報を提供してもらいました。  一人一人の意識の持ち方と行動で,安全な町づくりを目指していきたいものです。