資料1-2 令和7年度に対応した相談の中から一部を抜粋。 1、県の推進員が対応した不当な差別に関する相談 障害種別、不明 相談者からの主訴、サービスを受けるに当たり不当な差別を受けたとの当事者からの相談 内容、ある釣り施設では、障害者は通常料金の半額で釣りをすることができるサービスを実施している。ただし、当該サービスでは、釣った魚は持ち帰ることができないと従業員から説明を受けた。 健常者は通常料金で、釣った魚を10匹まで持ち帰ることができる。障害者も半額の料金を支払っているので、半分の5匹は持ち帰る権利があるのではないか。施設の対応は差別に該当するのではないか。 これに対する県の対応、 見出し、事業者への聞き取り内容 ・以前は、障害者向けの半額サービスでも釣った魚を持ち帰ることができるようにしていた。 ・しかし、魚や餌の仕入れ価格の高騰により、当該サービスの継続が困難になった。 ・それでも、障害者にも釣りを楽しんでもらいたいという思いから、現在のサービス内容にした。 ・通常料金を支払えば、障害の有無に関係なく魚を持ち帰ることができるため、差別ではないと認識している。 見出し、不当な差別的取扱いについての判断 ・障害者差別解消法における不当な差別は、「障害を理由として、障害者でない者と比べて異なる取扱いをすること」が要件となっている。 ・一方で、サービスの内容は、原則、事業者が自由に設定できるものである。 ・障害者が受けられるサービスを限定したり、障害者でない者と同額の料金を支払っても同等のサービスを受けられなかったりすることは不当な差別に該当する可能性が高いが、今回の事例では、通常料金を支払うことにより障害者でない者と同じ量の魚を持ち帰ることが出来るため、不当な差別には該当しないと判断。 見出し、相談者への対応 ・上記の内容を説明し、理解を得た。 2、県の推進員が対応した合理的配慮に関する相談 障害種別、肢体・その他 相談者からの主訴、病院の車いす使用者用駐車区画について当事者家族からの相談 内容、ある病院の車いす使用者用駐車区画、以下当該区画とする、に介護事業者等が駐車している。相談者は、車いす使用の当事者の診療の付添をしているが、当該区画が空いていないため、入口から離れが区画に駐車せざるを得ず負担となっている。 4年前から病院へ見回りの実施など要望しているが対応してもらえない。 役場に相談しても改善されないため、県から病院へ指導してほしい。 これに対する県の対応、 見出し、病院への聞き取り内容 ・合理的配慮のことは承知しており、既に以下の対策を講じている。 @院内掲示物による当該区画の適正利用の周知 A歩行可能な透析患者に対する、当該区画の利用を控える旨のお願い B当該区画付近への注意喚起の看板設置(更に目立つ看板の設置も検討している) C自動放送による案内 ・相談者の要望する見回りの実施は経営的に困難である。 ・また、当該区画は、法令上、車椅子使用者だけでなく身体の機能上の制限を受ける者も使用可能であり、障害者に限らず、けが人も利用可能であることから、障害者マークの有無により、利用を制限するというような対応は困難である。 ・相談者は、当該区画の件以外でも、看護師に大声で罵声を浴びせる等の問題行動があり、顧問弁護士と法的措置を検討するほど対応に苦慮していることから建設的対話は困難と考えている。 見出し、今後の対応 ・病院は当該区画の適正利用のため、複数の対策を講じており、一定程度の合理的配慮を行っているものと判断。 ・今後、相談者から同様の要請があった場合、病院の対応状況を丁寧に説明し理解を求めることとした。 3、市町村の地域相談員が対応した合理的配慮に関わる相談 障害種別、聴覚・弱視 相談者からの主訴、学習塾の説明会での対応について当事者家族からの相談 内容、学習塾の説明会に手話通訳者の同席を希望したところ、「最後列での参加で良いのであれば対応可能」と言われ、役場の意思疎通支援事業を利用して参加した。しかし、会場が広く、視覚障害もあり、最後列からはスクリーンが見えにくかったため、前方の席を希望したが、当初からの条件であることを理由に、最後列に着席するよう指示された。 今後この塾に通う予定はないが、対応に納得できない、県に報告をしてほしい。 これに対する市町村地域相談員の対応 手話通訳者の同席希望に対し、最後列という条件を付したことは、不当な差別に該当する可能性がある。また、視覚障害を理由とした席の移動の要望に応じなかったことは、合理的配慮の提供義務違反に該当する可能性が高い。 今回は相談者の意向を尊重し、相談を傾聴したうえで、県への報告にとどめたが、今後同様の相談を受けた場合は、相談者の了解を得たうえで、事業者を確認し、聞き取りを行うこととしていきたい。 4、県の推進員が対応したその他の相談 障害種別、精神・うつ病 相談者からの主訴、動物病院の対応について当事者の相談 内容、ある動物病院を受診した際、看護師に領収書の発行を求めたが対応してもらえなかった。院長が出てきて、自身に対して「無礼だ」と発言し、以降の受診を拒否された。当該病院の対応には問題があるため、指導してほしい。ただし、自身の氏名は伏せてほしい。 これに対する県の対応 見出し、病院への聞き取り内容 ・相談者の氏名を伏せたうえで、病院側に聞き取りを実施した。病院側も思い当たる人物がいるとのことであったため、同一人物であるとの仮定の下、聞き取りを進めた。 ・領収書の発行を拒否したことはない。今回のトラブルの原因は、看護師が領収書を手渡す際に「領収書はどうされますか」と問いかけるような口調で当事者に確認したことによるものである。 ・相談者は看護師を強い口調で叱責しただけでなく、能力を否定する発言もあり、看護師は精神的負担を受けている。 ・相談者は以前から病院スタッフや他の客に対する攻撃的な言動があり、病院では、カスハラとして記録を取っている。 ・そのため、「今後も同様の態度をとるのであれば、もう診療はできない」 と伝えたところ、当事者は更に激怒し、帰って行った。 見出し、対応と判断 ・当該事案は、領収書を渡す際の発言に改善が望まれるものの、差別的な意図は確認できなかったため、聴取にとどめたが、今後同様の事例があった場合、障害特性を踏まえた対応が円滑な接客につながることを周知していきたい。