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「身に着ける人を感動させるストーリーを考えて、“一生モノ”になるようなジュエリーをデザインする。」関戸和代((株)ガイアジェム代

ジュエリーデザインを行う(株)ガイアジェムの代表・関戸和代氏。

毎シーズン、Koo-fuコレクションにデザイナーとして参加し続け、

自身の母校である県立宝石美術専門学校でデザインを教えるために教壇に立っている。

「ジュエリーが身に着ける人にとって“人生のしおり”になるようにデザインしてます。」

そう語る関戸氏は、クライアントとのコミュニケーションを通して、

その人だけのストーリーを付した、“一生モノ”になるジュエリーをデザインしている。

Koo-fuコレクション2011の作品、インパクトありますね!

それは富士山をイメージしてるんです。石はブルーレースっていう水色の瑪瑙(めのう)を使ったの。縞模様が山の峰みたいに見えるでしょ。静岡側から見るとこんな風に見えないけど、山梨側から見るとこう見えるんです。

石の模様がキレイですね。研磨した職人さんは?

これはね、甲府の女性の職人さんにお願いしたんですよ。原石を磨き上げるとどういう姿になるのかっていうのは、デザイナーの私にはイメージしにくいんです。なので、彼女の頭の中にあるイメージを教えてもらうんです。この石を研磨すればこういう模様が出るとか、色合いはこんな風になるとか。そのプロセスを楽しみながら作り上げました。

へぇ。熟練の職人と組んだからこそですね。

そうなんです。山梨みたいに毎日富士山が見える場所ってなかなかないじゃないですか。山梨に住んでいることってホント贅沢なことなんだって思うんです。これはジュエリー産業でも同じことが言えるんだけど、山梨には熟練の職人さんがいっぱいいる。夜中に急に石に穴を空けたいって時も「仕方ないな」って削ってくれる職人さんが近くにいる。これってスゴイことなんです!今回のコレクションの作品にはそういう意味も込めているんですよ。

そんなメッセージが隠れていたんですね。普段デザインするときは?

身に着ける人にとって、私がデザインしたジュエリーが“人生のしおり”になるようにと思っています。この前のお客様は婚約指輪とネクタイピンを持ってきて、これを使ってリフォームしてほしいという依頼でした。で、よくよく聞いてみたら、どちらも亡くなったご主人の遺品だったので、そこからパーツを切り取って、奥様の婚約指輪をリフォームして、一緒にしてあげましょうって提案したんです。そうすれば、奥様の指輪の中でご主人はいつも一緒でしょ?指輪はご主人の思い出が詰まったメモリーになるわけで、それを見ればご主人のことをすぐに思い出すんです。

ステキなストーリーですね。

ええ。すごい泣いて感動してくれましたよ。彼女にとっては、まさに“一生モノ”のジュエリーになると思います。でもそのためには身に着ける人の“人生”を知ることがすごい大事。なので実際に会ってお客様と色々お話して、身に着ける人の記憶に残るようなストーリーを考えてデザインするんです。マリッジリングのデザインを依頼されたときは、男性用と女性用を二つ並んで合わせると、向きの違うスカルの顔がまるでオデコにキスしてるようにデザインしました。いつかケンカしたときにこれを見て、結婚したときはこんな気持ちだったねって思い出してもらえるように。

面白いアイデアですね!

ええ。面白いと言えば、数年前に喫煙具のデザインをさせていただきました。発案者は甲府市在住の輿石和人さんという方で、彼のアイデアは国際特許を取得しているんです。「マキマスカ」っていう金属製のタバコフィルターで、ゴミも少なく、副流煙も少なくて、とてもエコなフィルターなんです。最初に製作の相談を受けたときは、喫煙具?って思ったけど、知れば知るほど山梨県で作るべき道具だなと思って、喜んでお引き受けしました。もともと山梨にはシルバーのキセルを作る職人さんがいたので、山梨で喫煙具を作ることは自然なことなんですよ。それに、人にも地球にも迷惑をかけない生き方こそ、人に誇れるジュエリーだなと思いますしね。実際、マキマスカでタバコを吸っている姿はカッコいいですよ。さらに、経済的にも普通のタバコよりかなりお得になるんだから、もう文句のつけようがありません。小さいけど色んなアイデアが詰まっているんですよ!純粋なタバコ葉って見たことあります?

おぉ、いい匂い!残念ながら今ここでは吸えませんが(笑)。そういえば、ここ(県立宝石美術専門学校)でデザインを教えていますね?

はい。私自身が宝石美術専門学校を卒業していて、学生のときはデザインを学んでいました。デザイン画もそうですけど、もともと絵を描くことは自信があったんです。中学生のときから画家の安永元典先生の下で絵を教わっていましたから。放課後、友達が部活をしているときに私は先生のアトリエに行って修行してました(笑)。

なるほど。先生のデザイン画が上手なわけです。生徒へ伝えたいことは?

生徒に夢を与えるのが教育だと思ってます。仕事をしている姿を見せるというより、世の中に対して、各人に色々な役割があることを知ってもらいたいかな。私の場合は、人の幸せや喜びを形にすることが、天から与えられた使命ですね。生徒たちには、ジュエリーは可能性のある仕事なので、どん欲に学んで自分の道を切り開いていってほしいですね。

これからも身に着ける人を感動させ、“一生モノ”となるようなジュエリーデザインを楽しみにしています。今日はありがとうございました。

 

企業情報

名  称:株式会社ガイアジェム

E-mail : info@gaiagem.co.jp

事業内容:オリジナルジュエリーのデザイン

       お手持ちのジュエリーのリフォームのデザイン  

  

 

Koo-fuコレクション2011

 女性の職人さんにより研磨されたブルーレースが美しい。

関戸氏デザインのイヤリング

 

関戸氏が描いたデザイン画

 

関戸氏がデザインした喫煙具「マキマスカ

 

県立宝石美術専門学校で非常勤講師を務める関戸氏。

授業中での一コマ。

 

 

Kazuyo Sekido 関戸和代

●(株)ガイアジェム代表●県立宝石美術専門学校で非常勤講師を務める●Koo-fuコレクション2008~2011に参加●国際特許取得の喫煙具「マキマスカ」を製造販売しているクルカ企画のデザイナー

富島英樹

大森弘子

 山本健一