○山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例

令和六年三月十五日

山梨県条例第二号

山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例をここに公布する。

山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例

(設置)

第一条 富士登山の適正化に資するため、登下山道を設置する。

(定義)

第二条 この条例において使用する用語は、山梨県富士山における登山の適正化に関する条例(令和六年山梨県条例第一号)第二条において使用する用語の例による。

(名称及び位置)

第三条 登下山道の名称及び位置は、次の表のとおりとする。

名称

位置

富士山吉田口県有登下山道

富士吉田市

(登下山道の区域)

第四条 富士山吉田口県有登下山道(以下「登下山道」という。)の区域は、知事が告示するものとする。

(施設の種類)

第五条 登下山道の施設の種類は、次のとおりとする。

 吉田口五合目泉ヶ滝登山道

 吉田口下山道

(利用日)

第六条 登下山道の利用日は、知事が告示するものとする。

(利用の許可等)

第七条 登下山道を利用しようとする者(山梨県登山の安全の確保に関する条例(平成二十九年山梨県条例第三十号)第二条各号に掲げる者を除く。第十条並びに第十一条第一項及び第二項において同じ。)は、知事の許可を受けなければならない。

2 前項の許可を受けた者は、別表に定める使用料を納付しなければならない。

(行為の禁止)

第八条 登下山道において、正当な理由がなく次に掲げる行為をしてはならない。

 施設又は設備を損傷し、又は汚損すること。

 木竹の伐採、植物の採取その他これらに類する行為をすること。

 土地の形質を変更すること。

 鳥獣類を捕獲し、又は殺傷すること。

 貼紙又は貼札をすること。

 ごみの投棄その他不衛生な行為をすること。

 たき火等火災の発生するおそれのある行為をすること。

 立入禁止区域に立ち入ること。

 指定された場所以外の場所へ車馬を乗り入れること。

 テントその他の仮設工作物を設けること。

十一 前各号に定めるもののほか、登下山道の利用又は管理に支障を及ぼす行為をすること。

(行為の許可等)

第九条 登下山道において、次に掲げる行為をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。許可を受けた事項を変更しようとするときも、同様とする。

 物品の販売、募金その他これらに類する行為をすること。

 業として写真の撮影又は映画の撮影その他これらに類する行為をすること。

 集会、展示会、博覧会その他これらに類する催しを行うこと。

2 知事は、前項の許可に登下山道の管理のため必要な範囲内で条件を付することができる。

3 知事は、第一項各号に掲げる行為による登下山道の利用が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第二号に規定する暴力団(第十二条第二項において単に「暴力団」という。)の利益となると認められるときは、第一項の許可をしないことができる。

(利用の制限等)

第十条 知事は、登下山道を利用しようとする者が次の各号のいずれかに該当するときは、登下山道の利用を拒むことができる。

 公の秩序又は善良の風俗に反するおそれがあると認められるとき。

 施設又は設備を損傷し、又は汚損するおそれがあると認められるとき。

 前二号に掲げる場合のほか、管理上支障があると認められるとき。

第十一条 知事は、登山道における登山者の過度の集中及びこれにより生ずる危険を防止し、並びに登山道における登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為を防止するために必要があると認めるときは、知事が指定する日において、知事が指定する登下山道上の地点における登下山道を利用しようとする者の山頂の方向への通行のうち次に掲げるものを禁止することができる。

 規則で定める時間帯における通行

 当該地点から山頂の方向へ向かう第七条第一項の許可を受けた者の数が規則で定める一日当たりの上限の数を超える場合における通行

2 前項に規定する措置の対象となる登下山道を利用しようとする者には、登山道における登山者の過度の集中及びこれにより生ずる危険を生じさせ、並びに登山道における登山者の生命又は身体に危険が生ずるおそれのある行為を行わないと認められる者として規則で定めるものは含まないものとする。

3 知事は、第一項に規定する措置を講ずるに当たっては、警察本部長その他の関係機関と相互に緊密に連絡し、及び協力するものとする。

第十二条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、第七条第一項若しくは第九条第一項の許可を取り消し、その効力を停止し、若しくは同条第二項の条件を変更し、又は行為の中止、原状回復その他必要な措置を命ずることができる。

 第八条又は第九条第一項の規定に違反した者

 第九条第二項の条件に違反した者

 偽りその他不正な手段により第九条第一項の許可を受けた者

 前三号に掲げる者のほか、登下山道の管理に支障があると認められる行為をした者

2 知事は、第九条第一項各号に掲げる行為による登下山道の利用が暴力団の利益となると認められるときは、同項の許可を取り消し、その効力を停止し、若しくは同条第二項の条件を変更し、又は行為の中止、原状回復その他必要な措置を命ずることができる。

(使用料の還付)

第十三条 既に納付した使用料は、還付しない。ただし、知事は、特別の理由があると認めるときは、その全部又は一部を還付することができる。

(使用料の免除)

第十四条 知事は、特別の理由があると認めるときは、使用料の全部又は一部を免除することができる。

(警察本部長への情報提供依頼)

第十五条 知事は、次に掲げる場合においては、第九条第一項の許可を受けようとする者又は受けた者(当該者が法人である場合には、その役員。次条において同じ。)に関し、山梨県暴力団排除条例(平成二十二年山梨県条例第三十五号)第二条第三号に規定する暴力団員等(次条において単に「暴力団員等」という。)であるか否かについて、警察本部長に対し、情報の提供を求めることができる。

 第九条第一項の許可をしようとする場合

 第十二条第二項の規定による第九条第一項の許可の取消し、その効力の停止若しくは同条第二項の条件の変更又は行為の中止、原状回復その他必要な措置の命令をしようとする場合

(知事への情報提供)

第十六条 警察本部長は、前条の規定により情報の提供を求められた場合のほか、その保有する情報により第九条第一項の許可を受けようとする者又は受けた者が暴力団員等であると認める場合においては、知事に対し、その情報を提供することができる。

(委任)

第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和六年七月一日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。

(準備行為)

2 第四条の規定による登下山道の区域の告示、第六条の規定による登下山道の利用日の告示、第十一条第一項の規定による知事が指定する日及び地点の指定並びに次項の規定による知事が指定する日の指定に関し必要な手続その他の行為は、この条例の施行の日前においても、これらの規定の例によりすることができる。

(知事が指定する日における利用の許可の特例)

3 第七条第一項の規定にかかわらず、知事が指定する日における登下山道の利用については、当分の間、同項の許可を要しないものとする。

別表(第七条関係)

単位

金額

一人一回につき

二、〇〇〇円

備考 「一人一回につき」とは、登下山道の利用の態様等を勘案して知事が別に定める。

山梨県富士山吉田口県有登下山道設置及び管理条例

令和6年3月15日 条例第2号

(令和6年7月1日施行)