○山梨県漁業調整規則
令和二年十一月三十日
山梨県規則第五十二号
山梨県漁業調整規則を次のように定める。
山梨県漁業調整規則
山梨県漁業調整規則(昭和二十七年山梨県規則第五号)の全部を改正する。
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 採捕の許可(第三条―第十九条)
第三章 水産資源の保護培養及び漁業調整に関するその他の措置(第二十条―第二十八条)
第四章 漁業の取締り(第二十九条)
第五章 雑則(第三十条―第三十三条)
第六章 罰則(第三十四条―第三十七条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この規則は、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号。以下「法」という。)、水産資源保護法(昭和二十六年法律第三百十三号)その他漁業に関する法令と相まって、山梨県における水産資源の保護培養及び漁業調整を図り、もって漁業生産力を発展させることを目的とする。
(代表者の届出)
第二条 法第五条第一項の規定による代表者の届出は、次に掲げる事項を記載した届出書を提出して行うものとする。
一 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 代表者として選定された者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
第二章 採捕の許可
(水産動植物の採捕の許可)
第三条 次に掲げる漁具又は漁法によって水産動植物を採捕しようとする者は、漁具又は漁法ごとに知事の許可を受けなければならない。
一 河引網
二 建切網
三 四手網
四 もじり
五 ふくろ網
六 ろうや
七 てんがい
八 さで
九 やな
十 地びき網
十一 張網
十二 す建網
十三 刺網
十四 鵜飼漁法
2 前項の規定は、次に掲げる場合には適用しない。
一 漁業権又は組合員行使権を有する者がこれらの権利に基づいて採捕する場合
二 法第百七十条第一項の遊漁規則に基づいて採捕する場合
(採捕の許可の申請)
第四条 前条第一項の許可(以下「採捕の許可」という。)を受けようとする者は、漁具又は漁法ごとに、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
一 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 採捕の種類
三 採捕する区域、期間及び水産動植物の種類
四 漁具の数及び規模
五 採捕に従事する者の氏名及び住所
六 その他参考となるべき事項
2 知事は、前項の申請書のほか、採捕の許可をするかどうかの判断に関し必要と認める書類の提出を求めることができる。
(採捕の許可をしない場合)
第五条 次の各号のいずれかに該当する場合は、知事は、採捕の許可をしてはならない。
一 申請者が次条各号のいずれかに該当する者である場合
二 漁業調整のため必要があると認める場合
2 知事は、前項の規定により採捕の許可をしないときは、山梨県内水面漁場管理委員会(以下「内水面漁場管理委員会」という。)の意見を聴いた上で、当該申請者にその理由を文書をもって通知し、公開による意見の聴取を行わなければならない。
3 前項の意見の聴取に際しては、当該申請者又はその代理人は、当該事案について弁明し、かつ、証拠を提出することができる。
(採捕の許可についての適格性)
第六条 採捕の許可について適格性を有する者は、次の各号のいずれにも該当しない者とする。
一 漁業又は労働に関する法令を遵守せず、かつ、引き続き遵守することが見込まれない者であること。
二 暴力団員等であること。
三 法人であって、その役員又は漁業法施行令(昭和二十五年政令第三十号)で定める使用人のうちに前二号のいずれかに該当する者があるものであること。
四 暴力団員等がその事業活動を支配する者であること。
(採捕の許可の条件)
第七条 知事は、漁業調整その他公益上必要があると認めるときは、採捕の許可をするに当たり、採捕の許可に条件を付けることができる。
2 知事は、漁業調整その他公益上必要があると認めるときは、採捕の許可後、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、当該採捕の許可に条件を付けることができる。
3 知事は、前項の規定により条件を付けようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
4 第二項の規定による条件の付加に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(採捕の許可の有効期間)
第八条 採捕の許可の有効期間は、三年とする。ただし、漁業調整のため必要があると認められるときは、知事は、三年を超えない範囲内で、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、その期間を別に定めることができる。
(採捕の許可の失効)
第九条 採捕の許可を受けた者が死亡し、解散し、又は分割(当該許可に係る事業の全部を承継させるものに限る。)をしたときは、当該許可は、その効力を失う。
(採捕の休止による許可の取消し)
第十条 知事は、採捕の許可を受けた者がその許可を受けた日から六月間又は引き続き一年間その許可に係る漁具又は漁法により水産動植物を採捕しないときは、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、その許可を取り消すことができる。
3 第一項の規定による採捕の許可の取消しに係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
(適格性の喪失等による採捕の許可の取消し等)
第十一条 知事は、採捕の許可を受けた者が第六条第一項各号のいずれかに該当することとなったときは、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、当該採捕の許可を取り消さなければならない。
2 知事は、採捕の許可を受けた者が漁業に関する法令の規定に違反したときは、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、当該採捕の許可を変更し、取り消し、又はその効力の停止を命ずることができる。
3 知事は、前項の規定による処分をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
(公益上の必要による採捕の許可の取消し等)
第十二条 知事は、漁業調整その他公益上必要があると認めるときは、内水面漁場管理委員会の意見を聴いて、採捕の許可を変更し、取り消し、又はその効力の停止を命ずることができる。
(許可証の交付)
第十三条 知事は、採捕の許可をしたときは、その者に対し次に掲げる事項を記載した許可証を交付する。
一 採捕の許可を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び主たる事務所の所在地)
二 採捕に従事する者の氏名及び住所
三 許可の有効期間
四 条件
五 その他参考となるべき事項
(許可証の携帯義務)
第十四条 採捕の許可を受けた者は、当該許可に係る漁具又は漁法により水産動植物を採捕するときは、前条の許可証を自ら携帯し、又は採捕に従事する者に携帯させなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、許可証の書換え交付の申請その他の事由により許可証を行政庁に提出中である者が、当該許可に係る漁具又は漁法により水産動植物を採捕するときは、知事がその記載内容が許可証の記載内容と同一であり、かつ、当該許可証を行政庁に提出中である旨を証明した許可証の写しを自ら携帯し、又は採捕に従事する者に携帯させれば足りる。
(許可証の譲渡等の禁止)
第十五条 採捕の許可を受けた者は、許可証又は前条第二項の規定による許可証の写しを他人に譲渡し、又は貸与してはならない。
(許可証の書換え交付の申請)
第十六条 採捕の許可を受けた者は、許可証の記載事項に変更が生じたときは、速やかに、次に掲げる事項を記載した申請書を提出して、知事に許可証の書換え交付を申請しなければならない。
一 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 採捕の種類
三 許可を受けた年月日及び許可番号
四 書換えの内容
五 書換えを必要とする事由
(許可証の再交付の申請)
第十七条 採捕の許可を受けた者は、許可証を亡失し、又は毀損したときは、速やかに、理由を付して知事に許可証の再交付を申請しなければならない。
(許可証の書換え交付及び再交付)
第十八条 知事は、次に掲げる場合には、遅滞なく、許可証を書き換えて交付し、又は再交付する。
(許可証の返納)
第十九条 採捕の許可を受けた者は、当該許可がその効力を失い、又は取り消された場合には、速やかに、その許可証を知事に返納しなければならない。前条の規定により許可証の書換え交付又は再交付を受けた場合における従前の許可証についても、同様とする。
2 前項の場合において、許可証を返納することができないときは、理由を付してその旨を知事に届け出なければならない。
3 採捕の許可を受けた者が死亡し、又は合併以外の事由により解散し、若しくは合併により消滅したときは、その相続人、清算人又は合併後存続する法人若しくは合併によって成立した法人の代表者が前二項の手続をしなければならない。
第三章 水産資源の保護培養及び漁業調整に関するその他の措置
水産動物 | 禁止期間 |
あゆ | 十二月一日から翌年五月末日まで。ただし、富士川の本流及び支流においては、十二月一日から翌年五月十五日まで |
うぐい | 四月一日から四月三十日まで |
ます類(にじますを除く。) | 十月一日から翌年二月末日まで |
2 前項の規定に違反して採捕した水産動物又はその製品は、所持し、又は販売してはならない。
水産動物 | 全長 |
うなぎ | 二四センチメートル以下 |
こい | 一七センチメートル以下 |
ふな | 一〇センチメートル以下(富士五湖は、五センチメートル以下) |
ます類 | 一五センチメートル以下 |
2 何人も、かじか又はます類の産んだ卵を採捕してはならない。
(漁法の制限及び禁止)
第二十二条 何人も、次に掲げる漁法により水産動物を採捕してはならない。
一 瀬干漁法
二 瓶伏漁法(富士五湖を除く。)
三 水中に電流を通じてする漁法
四 毒もみ法
五 火光を利用する漁法(鵜飼漁法に係るものを除く。)
六 うばね(類似したものを含む。)を利用する漁法
七 まき網を使用する漁法
八 潜水器具(簡易潜水器を含む。)を使用する漁法
九 石打ち漁法(ハンマー打ち漁法を含む。)
十 水中銃(もりを含む。)を使用する漁法
十一 前各号に掲げるもののほか、人力以外の動力を使用する漁法(しじみをとることを目的とする場合に限る。)
区域 | 期間 |
富士川本流のうち、韮崎市舟山橋上流端から西八代郡市川三郷町三郡西橋下流端まで | 九月一日から十一月三十日まで |
塩川本流のうち、韮崎市穂坂橋上流端から富士川本流との合流点まで | 九月一日から十一月三十日まで |
富士川本流のうち、西八代郡市川三郷町三郡西橋下流端から南巨摩郡南部町万栄橋下流端まで | 九月一日から翌年二月末日まで |
富士五湖 | 一月一日から十二月三十一日まで |
漁具 | 範囲 |
四手網 | 網目六ミリメートル以上 |
投網 | 網目一五ミリメートル以上 |
河川等 | 区域 |
荒川 | 甲府市平瀬町及び甲斐市大字吉沢に位置する桜橋標木から上流 |
隠池 | 甲府市大津町笛吹川、荒川合流点標木から上流、隠池橋標木まで |
桂川 | 南都留郡忍野村大字忍草出口池から下流、膳柵橋標木まで |
発電所 | 水路取入口堰堤上下流とも各二百七十メートル(桂川においては、十一月一日から翌年七月三十一日までの間に限る。) |
(溯河魚類の通路を遮断して行う水産動物の採捕の制限)
第二十六条 溯河魚類の通路を遮断する漁具又は漁法によって水産動物の採捕を行う場合には、河川流幅の五分の一以上の魚道を開通しなければならない。
(有害物質の遺棄又は漏せつの禁止及び魚族の流出防止)
第二十七条 水産動植物に有害な物を遺棄し、又は漏せつしてはならない。
2 水利事業を行う者は、魚族の流失を防止するため適当な施設を設けなければならない。
3 知事は、前二項の規定に違反する者がある場合において、水産資源の保護培養上害があると認めるときは、その者に対しては必要な設備の設置を命じ、又は既に設けた設備の変更を命ずることができる。
(試験研究等の適用除外)
第二十八条 この規則のうち水産動植物の種類若しくは大きさ、水産動植物の採捕の期間若しくは区域又は使用する漁具若しくは漁法についての制限又は禁止に関する規定は、試験研究、教育実習又は増養殖用の種苗(種卵を含む。)の供給(自給を含む。)(以下この条において「試験研究等」という。)のための水産動植物の採捕について知事の許可を受けた者が行う当該試験研究等については、適用しない。
2 前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を知事に提出しなければならない。
一 申請者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 目的
三 適用除外の許可を必要とする事項
四 採捕しようとする水産動植物の名称及び数量(種苗の採捕の場合は、供給先及びその数量)
五 採捕の期間及び区域
六 使用する漁具及び漁法
七 採捕に従事する者の氏名及び住所
3 知事は、第一項の許可をしたときは、次に掲げる事項を記載した許可証を交付する。
一 許可を受けた者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
二 適用除外の事項
三 採捕する水産動植物の種類及び数量
四 採捕の期間及び区域
五 使用する漁具及び漁法
六 採捕に従事する者の氏名及び住所
七 許可の有効期間
八 条件
4 知事は、第一項の許可をするに当たり、条件を付けることができる。
5 第一項の許可を受けた者は、当該許可に係る試験研究等の終了後遅滞なく、その結果を知事に報告しなければならない。
6 第一項の許可を受けた者が許可証に記載された事項につき変更しようとする場合は、知事の許可を受けなければならない。
第四章 漁業の取締り
(停泊命令等)
第二十九条 知事は、漁業者その他水産動植物を採捕し、又は養殖する者が漁業に関する法令の規定又はこれらの規定に基づく処分に違反する行為をしたと認めるとき(法第二十七条及び法第三十四条に規定する場合を除く。)は、法第百三十一条第一項の規定に基づき、当該行為をした者が使用する船舶について停泊港及び停泊期間を指定して停泊を命じ、又は当該行為に使用した漁具その他水産動植物の採捕若しくは養殖の用に供される物について期間を指定してその使用の禁止若しくは陸揚げを命ずることができる。
2 知事は、前項の規定による処分(法第二十五条第一項の規定に違反する行為に係るものを除く。)をしようとするときは、行政手続法第十三条第一項の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
3 第一項の規定による処分に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。
第五章 雑則
(漁場又は漁具の標識の設置に係る届出)
第三十条 法第百二十二条の規定により、漁場の標識の建設又は漁具の標識の設置を命じられた者は、遅滞なく、その命じられた方法により当該標識を建設し、又は設置し、その旨を知事に届け出なければならない。
(漁場標識の記載事項)
第三十一条 前条に規定する漁場の標識は、十二センチメートル角とし、漁場付近の土地又は水面で、見やすい場所に地上又は水面上一・五メートル以上の高さに建設し、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 免許番号
二 漁場の種類及び名称
三 漁場の位置及び区域
四 漁業権者(共有の場合は、その代表者)の氏名及び住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)
五 漁業時期
六 免許年月日
(標識の書換え又は再設置等)
第三十二条 第三十条の標識の記載事項に変更を生じ、若しくは当該標識に記載した文字が明らかでなくなったとき又は当該標識を亡失し、若しくは毀損したときは、遅滞なくこれを書き換え、又は新たに建設し、若しくは設置しなければならない。
(添付書類の省略)
第三十三条 この規則の規定により同時に二以上の申請書その他の書類を提出する場合において、各申請書その他の書類に添付すべき書類の内容が同一であるときは、一の申請書その他の書類にこれを添付し、他の申請書その他の書類にはその旨を記載して、一の申請書その他の書類に添付した書類の添付を省略することができる。
2 前項に規定する場合のほか、知事は、特に必要がないと認めるときは、この規則の規定により申請書その他の書類に添付することとされている書類の添付を省略させることができる。
第六章 罰則
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役若しくは十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の場合においては、犯人が所有し、又は所持する漁獲物、その製品、漁船又は漁具その他水産動植物の採捕の用に供される物は、没収することができる。ただし、犯人が所有していたこれらの物件の全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴することができる。
附則
(施行期日)
1 この規則は、漁業法等の一部を改正する等の法律(平成三十年法律第九十五号)の施行の日(令和二年十二月一日)から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。