○やまなし子ども・子育て支援条例

平成二十九年十月二十日

山梨県条例第三十四号

やまなし子ども・子育て支援条例をここに公布する。

やまなし子ども・子育て支援条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第九条)

第二章 基本的施策等(第十条―第二十三条)

第三章 支援体制の整備等(第二十四条―第二十八条)

附則

富士山、八ヶ岳、南アルプスなど雄大な山々の麓にある、四季折々の美しい景観や水と緑にあふれる豊かな自然の中で、山梨県の未来を担う子どもたちが、自らを大切に思う気持ちと他者を思いやる心をはぐくみ、夢や希望を持って、健やかに成長していくことは、県民すべての願いであります。

子どもたちを取り巻く環境は大きく変化し、いじめや虐待、貧困などの問題は、山梨県の未来に大きな影響を与えることが懸念されています。

子どもたちの将来が、生まれた家庭の状況や育った環境によって左右されることのないよう、子育ては社会全体で取り組む気運の醸成が必要であり、地域における継続的な支援が求められています。

それと同時に、お父さん、お母さんをはじめ、子育てを担うすべての人が子育てしながら働きやすい環境を整備することも必要です。

このような認識のもと、私たち県民は、豊かな自然や県民相互の強い絆を生かし、山梨県に住むすべての子どもを山梨県の子として、育てはぐくみ「子どもの健やかな成長」が最大限に実現される社会を構築するため、この条例を制定します。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、子ども・子育て支援に関し、基本理念を定め、県の責務並びに保護者、県民、教育関係者及び事業主の役割を明らかにするとともに、子ども・子育て支援に関する施策の基本となる事項を定めることにより、子どもの最善の利益が図られ、一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会の実現に寄与することを目的とします。

(定義)

第二条 この条例において、「子ども・子育て支援」とは、すべての子どもの健やかな成長のために適切な環境が等しく確保されるよう、県若しくは市町村又は地域における子育ての支援を行う者が実施する子ども及び子どもの保護者に対する支援をいいます。

2 この条例において、「子ども」とは、おおむね十八歳未満の者をいいます。

3 この条例において、「保護者」とは、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、子どもを現に監護する者をいいます。

4 この条例において、「教育関係者」とは、教育及び保育に関する職務に従事する者をいいます。

(基本理念)

第三条 子ども・子育て支援は、子どもの最善の利益が実現されるよう、次に掲げる事項を基本理念とします。

 すべての子どもは、かけがえのない存在であり、今を生き、未来を担う一人の人として尊重されること。

 保護者が子育てについての第一義的責任を有するものであること。

 すべての子ども及び保護者が、子ども・子育て支援を必要に応じて受けることができるようにすること。

 家庭、地域その他の場において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるよう配慮すること。

 県、市町村、県民、教育関係者、事業主等は、子どもが未来を担う者であることに鑑み、相互に連携し、及び協働して社会全体で子ども・子育て支援に取り組むこと。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」といいます。)にのっとり、国、市町村、県民、教育関係者、事業主等と緊密に連携し、子ども・子育て支援に関する施策を総合的に推進するものとします。

(保護者の役割)

第五条 保護者は、基本理念にのっとり、生活の基盤である家庭等において、深い愛情をもって子どもを健やかに育てるよう努めるものとします。

(県民の役割)

第六条 県民は、子ども・子育て支援の重要性に対する関心と理解を深めるよう努めるとともに、基本理念にのっとり、地域社会と一体となって、子ども・子育て支援に積極的に取り組み、国、県及び市町村が実施する子ども・子育て支援に関する施策に協力するよう努めるものとします。

(教育関係者の役割)

第七条 教育関係者は、基本理念にのっとり、子どもの安全の確保及び子どもの心身の健やかな成長に資する教育環境づくりに努めるものとします。

(事業主の役割)

第八条 事業主は、基本理念にのっとり、その雇用する労働者が仕事と子育ての両立を図ることができるよう、必要な雇用環境の整備に努めるとともに、国、県及び市町村が実施する子ども・子育て支援に関する施策に協力するよう努めるものとします。

(市町村との連携等)

第九条 県は、子ども・子育て支援に関する施策の実施に当たっては、市町村と連携するとともに、子ども・子育て支援に関する施策については、市町村に対し必要な助言及び適切な援助を行うものとします。

第二章 基本的施策等

(子どもの成長に応じた切れ目のない支援)

第十条 県は、子どもが成長に応じた適切な教育及び支援を切れ目なく受けることができるよう、関係機関との連携の強化その他の必要な施策を推進するものとします。

(育ちの場の充実)

第十一条 県は、地域における子どもの学習活動、自然体験活動、社会体験活動、伝統や文化に関する学習活動、子どもと他の世代との交流等の促進及び子どもが遊ぶことができる場の確保のために必要な施策を推進するものとします。

2 県は、子育て家庭の多様な需要に対応するとともに、子どもの居場所づくりを促進するため、市町村、個人及び団体が行う保育サービスの提供に対する支援、放課後における児童の健全育成に関する活動等に対する支援、児童及び生徒への学習支援活動等に対する支援その他の必要な施策を推進するものとします。

3 県は、豊かな自然環境を生かしながら、子どもに自然と触れあう機会を提供するために必要な施策を推進するものとします。

(地域における子育て支援体制等の充実)

第十二条 県は、市町村が行う地域において子育てを支援する拠点及び子育てに関する不安又は悩みを抱える保護者が交流し、相談することができる場の確保等に対する支援その他の必要な施策を推進するものとします。

(子ども・子育て支援を行う団体等の活動の促進)

第十三条 県は、地域において個人及び団体が行う子ども・子育て支援のための多様な活動を促進するため、情報の提供、相互の交流の機会の提供、人材の育成その他の必要な施策を推進するものとします。

(子ども及び保護者の健康の増進等)

第十四条 県は、子ども及びその保護者の健康の増進等を図るため、母子保健医療体制の充実その他の必要な施策を推進するものとします。

(家庭教育に対する支援)

第十五条 県は、家庭教育を支援するため、保護者と子どもとの良好な関係の構築に係る学習の機会及び情報の提供その他の必要な施策を推進するものとします。

(次代の子育てを担う者への支援)

第十六条 県は、子ども及び若者に対し、家庭を築くこと及び子どもを産み育てることの意義を知ることができる機会の提供その他の必要な施策を推進するものとします。

2 県は、若者が経済的に困窮していることが結婚及び出産をしない理由となることのないよう、就労支援等により若者の経済的自立を支援するものとします。

(経済的負担の軽減)

第十七条 県は、国及び市町村と協力し、子育てに係る保護者の経済的負担の軽減を図るために必要な施策を推進するものとします。

(雇用環境の整備)

第十八条 県は、保護者が仕事と子育ての両立を図ることができるよう、事業主が行う雇用環境の整備について必要な施策を推進するものとします。

(子ども及び保護者からの相談への対応)

第十九条 県は、子ども及びその保護者が不安及び悩みを解消できるよう、子ども及びその保護者からの相談に対応することのできる体制の整備、関係機関との連携の強化その他の必要な施策を推進するものとします。

(特別な支援を必要とする子ども等への支援)

第二十条 県は、疾病、障害、虐待、貧困、家族の状況その他の事情により特別な支援及び配慮を要する子ども並びにその保護者の福祉、教育の充実及び自立の支援のため、専門的な相談、情報提供その他の状況に応じた適切な支援が行われるよう必要な施策を推進するものとします。

2 県は、社会的養護を要する子どもの福祉の充実及び自立の支援のため、児童養護施設、里親その他の社会的養護を要する子どもを養育する者に対する専門的な支援、人材育成その他の必要な施策を推進するものとします。

3 県は、特別な支援及び配慮を要する子ども並びにその保護者並びに社会的養護を要する子どもを社会全体で支える仕組みをつくるため、啓発活動その他の必要な施策を推進するものとします。

(生活環境の整備等の促進)

第二十一条 県は、子ども及びその保護者が安全で安心して暮らすことができるよう、生活環境の整備その他の必要な施策を推進するものとします。

2 県は、子どもを犯罪、交通事故その他の危害から守るために必要な施策を推進するとともに、県民等の取組みを支援するものとします。

(災害時における子ども・子育て支援)

第二十二条 県は、災害が発生した場合にあっては、国、市町村、教育関係者等と連携し、子どもの心のケア、就学及び学習に関する支援を継続的に推進するものとします。

(やまなし子育ての日)

第二十三条 子育ての重要性を認識し、子ども・子育て支援に関する気運を醸成するため、毎年十一月十九日をやまなし子育ての日と定めます。

2 県は、前項の趣旨を踏まえ、県民の子育てに関する関心と理解を深め、子ども・子育て支援に関する活動を促す取組みを行うものとします。

第三章 支援体制の整備等

(基本計画の策定)

第二十四条 知事は、子ども・子育て支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子ども・子育て支援に関する基本的な計画(以下「基本計画」といいます。)を策定するものとします。

2 知事は、基本計画を策定するに当たっては、県民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとします。

3 知事は、基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表するものとします。

4 前二項の規定は、基本計画の変更について準用します。

(実施状況の公表)

第二十五条 知事は、毎年度、基本計画に基づく施策の実施状況を公表するものとします。

(広報)

第二十六条 県は、県民が子ども・子育て支援に係る情報を適時かつ適切に得ることができるよう、市町村その他の関係機関と連携し、広報活動を行うものとします。

(推進体制の整備)

第二十七条 県は、市町村、県民、教育関係者、事業主等と相互に連携して、子ども・子育て支援に関する施策を推進するため、必要な体制を整備するものとします。

(財政上の措置)

第二十八条 県は、子ども・子育て支援に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとします。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現に策定されている、子ども・子育て支援に関する県の基本的な計画であって、子ども・子育て支援に関する総合的かつ計画的な推進を図るためのものは、この条例の規定により定められた基本計画とみなす。

やまなし子ども・子育て支援条例

平成29年10月20日 条例第34号

(平成29年10月20日施行)

体系情報
第5編 生/第2章 児童福祉/第1節
沿革情報
平成29年10月20日 条例第34号