○山梨県世界遺産富士山の保全に係る景観配慮の手続に関する条例

平成二十七年十二月二十五日

山梨県条例第四十六号

山梨県世界遺産富士山の保全に係る景観配慮の手続に関する条例をここに公布する。

山梨県世界遺産富士山の保全に係る景観配慮の手続に関する条例

目次

第一章 総則(第一条―第三条)

第二章 技術指針(第四条)

第三章 富士山景観配慮地区(第五条)

第四章 景観配慮の手続

第一節 景観評価の実施(第六条)

第二節 景観配慮書(第七条―第九条)

第三節 事業者見解書(第十条―第十五条)

第四節 景観配慮書等の公表(第十六条)

第五節 対象事業の実施等(第十七条―第十九条)

第五章 対象事業の内容の変更等の手続(第二十条―第二十五条)

第六章 手続の併合等(第二十六条)

第七章 対象事業以外の事業に係る景観配慮の手続(第二十七条)

第八章 雑則(第二十八条―第三十三条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、富士山の有する顕著な普遍的価値が富士山が所在する場所及びその周辺における景観の美しさと密接に関連するものであることから、富士山の保存と活用の調和を図るためには、これらの場所において土地の形質の変更、工作物の新設等の事業を実施しようとする者がその事業の実施に当たりあらかじめ景観評価を行うことが極めて重要であることに鑑み、これらの場所において実施される事業であって景観影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものについて景観評価が適切かつ円滑に行われるための手続その他所要の事項を定め、その手続等によって行われた景観評価の結果をその事業に係る景観の保全のための措置その他のその事業の内容に関する決定に反映させるための措置をとること等により、その事業に係る景観の保全について適正な配慮がなされることを確保し、もって富士山の保全に資することを目的とする。

(適用範囲)

第二条 この条例は、その実施に係る区域の全部又は一部が富士山景観配慮地区内である対象事業に適用する。

(定義)

第三条 この条例において「富士山」とは、山梨県世界遺産富士山基本条例(平成二十七年山梨県条例第三号)第二条第一号に規定する富士山をいう。

2 この条例において「富士山の保全」とは、山梨県世界遺産富士山基本条例第二条第二号に規定する富士山の保全をいう。

3 この条例において「顕著な普遍的価値」とは、山梨県世界遺産富士山基本条例第二条第三号に規定する顕著な普遍的価値をいう。

4 この条例において「景観評価」とは、事業(特定の目的のために行われる一連の土地の形質の変更(これと併せて行うしゅんせつを含む。)並びに工作物の新設及び増改築をいう。以下同じ。)の実施が景観に及ぼす影響(以下「景観影響」という。)について調査、予測及び評価を行うとともに、これらを行う過程においてその事業に係る景観の保全のための措置を検討し、この措置が講じられた場合における景観影響を評価することをいう。

5 この条例において「対象事業」とは、別表第一に掲げる事業であって、規模(形質が変更される部分の土地の面積、新設される工作物の大きさその他の数値で表される事業の規模をいう。第二十七条第一項において同じ。)並びに富士山が所在する場所及びその周辺の地形、土地利用の状況その他の事情に照らし、景観影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものとして規則で定めるものをいう。

6 この条例において「事業者」とは、対象事業を実施しようとする者(委託に係る対象事業にあっては、その事業を委託しようとする者)をいい、対象事業に係る計画を作成しようとする者を含むものとする。

第二章 技術指針

第四条 知事は、景観評価を合理的に行うための手法の選定及び景観の保全のための措置に関する技術的な指針(以下「技術指針」という。)を定めるものとする。

2 知事は、技術指針について常に必要な科学的判断を加え、改定を行うものとする。

第三章 富士山景観配慮地区

第五条 知事は、別表第二に掲げる市町村の区域のうち、富士山の保全を図る上で事業に係る景観の保全について特に配慮する必要があると認められる区域を、富士山景観配慮地区として指定するものとする。

2 知事は、富士山景観配慮地区の指定をしようとするときは、あらかじめ、前項に規定する市町村の長の意見を聴くものとする。

3 知事は、富士山景観配慮地区の指定をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、その旨を公告し、その案を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供するものとする。

4 前項の規定による公告があったときは、富士山景観配慮地区の指定をしようとする区域内の土地の所有者その他の利害関係人は、同項に規定する縦覧期間満了の日までに、規則で定めるところにより、縦覧に供された案について、知事に意見書を提出することができる。

5 知事は、前項の規定により縦覧に供された案について異議がある旨の意見書の提出があったときは、規則で定めるところにより、当該意見書を提出した者の意見の聴取を行うものとする。

6 知事は、富士山景観配慮地区を指定する場合には、その旨及びその区域を告示するとともに、第一項に規定する市町村の長に通知するものとする。

7 富士山景観配慮地区の指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。

8 第二項から前項までの規定は、富士山景観配慮地区の区域の変更について準用する。

第四章 景観配慮の手続

第一節 景観評価の実施

第六条 事業者は、技術指針で定めるところにより、対象事業に係る景観評価を行わなければならない。

2 前項の規定による景観評価は、景観の保全のための措置が柔軟に講じられるようにするため、対象事業に係る計画の立案の段階その他の対象事業の実施に先立つできるだけ早い段階において行うものとする。

第二節 景観配慮書

(景観配慮書の作成及び送付)

第七条 事業者は、前条の規定により景観評価を行ったときは、規則で定めるところにより、当該景観評価の結果に係る次に掲げる事項を記載した景観配慮書を作成しなければならない。

 事業者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

 対象事業の名称

 対象事業の目的及び内容

 対象事業の実施に係る区域及びその周囲の概況

 調査、予測及び評価の手法

 景観評価の結果のうち、次に掲げるもの

 調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果

 景観の保全のための措置

 景観評価の全部又は一部を他の者に委託して行った場合には、その者の氏名及び住所(法人にあってはその名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地)

2 事業者は、景観配慮書を作成したときは、速やかに、規則で定めるところにより、知事にこれを送付しなければならない。

(景観配慮書についての知事等の意見)

第八条 知事は、前条第二項の規定による送付を受けたときは、当該送付を受けた日から起算して六十日を超えない範囲内において規則で定める期間内に、事業者に対し、景観配慮書について景観の保全の見地からの意見(当該対象事業の実施により景観影響の程度が著しいものとなり、富士山の保全に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときにあっては、富士山の保全の見地からの意見。次条第三項及び第十二条第一項において同じ。)を書面により述べるものとする。

2 知事は、前項に規定する場合には、関係市町村長(対象事業に係る景観影響を受ける範囲であると認められる地域(第五条第一項に規定する市町村の区域内の地域に限る。)を管轄する市町村の長をいう。以下同じ。)その他の関係行政機関の長(以下「関係市町村長等」という。)に対し、景観配慮書の写しを送付し、かつ、関係市町村長に対しては、期間を指定し、景観配慮書について景観の保全の見地からの意見を求めるものとする。

3 第一項の場合において、知事は、前項の規定による当該関係市町村長の意見を勘案するものとする。

4 知事は、第一項の規定により意見を述べたときは、当該意見書の写しを関係市町村長等に送付するものとする。

(説明の機会の付与等)

第九条 知事は、事業者が前条第一項に規定する意見書を受領した後三十日以内に請求したときは、当該事業者に対し、景観配慮書の記載事項について説明する機会を与えるものとする。

2 前項の規定による説明は、書面により行うものとする。

3 知事は、第一項の規定による説明の内容を記載した書面(以下この項及び次項において「説明書」という。)の送付を受けたときは、当該送付を受けた日から起算して六十日を超えない範囲内において規則で定める期間内に、事業者に対し、説明書について景観の保全の見地からの意見を書面により述べるものとする。

4 知事は、前項に規定する場合には、説明書の写しを関係市町村長等に送付するものとする。この場合において、知事は必要に応じ、関係市町村長に対し、期間を指定し、説明書について景観の保全の見地からの意見を求めることができる。

5 前条第三項及び第四項の規定は、第三項の規定により知事が意見を述べる場合について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは「次条第三項」と、「意見」とあるのは「意見(当該意見のほかに次条第四項の規定による当該関係市町村長の意見が述べられたときにあっては、これらの意見)」と読み替えるものとする。

第三節 事業者見解書

(景観配慮書の記載事項の検討等)

第十条 事業者は、第八条第一項の意見が述べられたときはこれ(当該意見のほかに前条第三項の意見が述べられたときにあってはこれら)を勘案して景観配慮書の記載事項について検討を加え、当該事項の修正を必要とすると認めるとき(当該修正後の事業が対象事業に該当するときに限る。)は、次の各号に掲げる当該修正の区分に応じ、当該各号に定める措置をとらなければならない。

 第七条第一項第三号に掲げる事項の修正(事業規模の縮小を除く。第十三条第一項第一号において同じ。) 規則で定める事項を知事に届け出ること。

 第七条第一項第一号第二号又は第七号に掲げる事項の修正(前号に該当する場合を除く。) 当該修正後の事業について、次条から第十六条までの規定による景観評価その他の手続を行うこと。

 前二号に掲げるもの以外のもの 技術指針で定めるところにより当該修正に係る部分について対象事業に係る景観評価を行うこと。

2 知事は、前項第一号の規定による届出があったときは、当該届出に係る修正が軽微な修正その他の規則で定める修正(以下「軽微な修正等」という。)に該当するかどうかの判定を行い、その結果を事業者及び関係市町村長等に通知するものとする。

3 事業者は、前項の規定による通知を受けたときは、次の各号に掲げる当該通知の区分に応じ、当該各号に定める措置をとらなければならない。

 第一項第一号の規定による届出に係る修正が軽微な修正等に該当しない旨の通知 第六条第一項及び第七条から第十六条までの規定による景観評価その他の手続を経ること。

 第一項第一号の規定による届出に係る修正が軽微な修正等に該当する旨の通知 当該届出の内容を事業者見解書に記載すること。

(事業者見解書の作成及び送付)

第十一条 事業者は、前条第一項第一号に該当する場合を除き、同項第三号の規定による景観評価を行った場合には当該景観評価及び景観配慮書に係る景観評価の結果に、同号の規定による景観評価を行わなかった場合には景観配慮書に係る景観評価の結果に係る次に掲げる事項を記載した事業者見解書を、規則で定めるところにより作成しなければならない。

 第七条第一項各号に掲げる事項

 第八条第一項の知事の意見

 事業者が第九条第一項に規定する説明をした場合には、その内容

 第九条第三項の知事の意見がある場合には、その意見

 第二号及び前号の意見についての事業者の見解

2 事業者は、事業者見解書を作成したときは、規則で定めるところにより、知事にこれを送付しなければならない。

3 前項の規定による送付は、次に掲げる日のうちいずれか早い日の六十日前までに行うものとする。

 対象事業に係る行為が文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百二十五条第一項の規定による許可を要するものである場合には、当該許可の申請をしようとする日

 対象事業に係る行為が森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第十条の二第一項の規定による許可を要するものである場合には、当該許可の申請をしようとする日

 対象事業に係る行為が自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第十条第二項の規定による協議の申出、同条第三項の規定による認可の申請、同条第六項の規定による協議の申出若しくは認可の申請、同法第二十条第三項若しくは第二十一条第三項の規定による許可の申請又は同法第三十三条第一項の届出を要するものである場合には、これらの規定による手続のいずれかをしようとする日

 対象事業が環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)第二条第三項の第二種事業(同法第三条の十第一項後段の規定による通知がされたものを除く。)に該当するものである場合には、同法第四条第一項の規定による届出(同条第六項の規定により判定を受けることなく同法の規定による環境影響評価その他の手続が行われる事業にあっては、同項後段の規定による通知又は書面の作成。第二十五条第一項及び附則第二項第四号において同じ。)をしようとする日

 対象事業が、山梨県環境影響評価条例(平成十年山梨県条例第一号)第二条第三項の第二分類事業である場合にあっては同条例第七条第三項の規定による送付を、同条例第二条第四項の第三分類事業に該当するものである場合にあっては同条例第六条第一項の規定による届出(同条第六項の規定により判定を受けることなく同条例の規定による環境影響評価その他の手続が行われる事業にあっては、同項後段の規定による通知。第二十五条第一項及び附則第二項第五号において同じ。)をしようとする日

 対象事業に係る行為が景観法(平成十六年法律第百十号)第十六条第一項の規定による届出を要するものである場合には、当該届出をしようとする日

 前各号に掲げる日のほか、法令の規定による手続で規則で定めるものをしようとする日

4 前項の規定は、事業者が、次条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行った後に、前項各号に規定する手続をすることを妨げない。

(事業者見解書についての知事の意見等)

第十二条 知事は、前条第二項の規定による送付を受けたときは、当該送付を受けた日から起算して六十日を超えない範囲内において規則で定める期間内に、事業者に対し、事業者見解書について景観の保全の見地からの意見を書面により述べるものとする。

2 知事は、前項に規定する場合には、事業者見解書の写しを関係市町村長等に送付するものとする。この場合において、知事は、必要に応じ、関係市町村長に対し、期間を指定し、事業者見解書について景観の保全の見地からの意見を求めることができる。

3 第八条第三項及び第四項の規定は、第一項の規定により知事が意見を述べる場合について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項」とあるのは「第十二条第一項」と、「意見」とあるのは「意見(当該意見のほかに次条第四項又は第十二条第二項の規定による当該関係市町村長の意見が述べられたときにあっては、これらの意見)」と読み替えるものとする。

4 第九条第一項から第四項までの規定は事業者が第一項に規定する意見書を受領した場合について、第八条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する第九条第三項の規定により知事が意見を述べる場合について、それぞれ準用する。この場合において、第八条第三項中「第一項」とあるのは「第十二条第四項において準用する次条第三項」と、「意見」とあるのは「意見(当該意見のほかに次条第四項(第十二条第四項において準用する場合を含む。)又は同条第二項の規定による当該関係市町村長の意見が述べられたときにあっては、これらの意見)」と読み替えるものとする。

5 第一項の規定にかかわらず、知事は、同項の意見を述べる必要がないと認めるときは、速やかに、その旨を事業者に通知するものとする。この場合においては、知事は、当該通知をした旨を関係市町村長等に通知するものとする。

(事業者見解書の再検討及び補正)

第十三条 事業者は、前条第一項の意見が述べられたときはこれ(当該意見のほかに同条第四項において準用する第九条第三項の意見が述べられたときにあってはこれら)を勘案して、事業者見解書の記載事項に検討を加え、当該事項の修正を必要とすると認めるとき(当該修正後の事業が対象事業に該当するときに限る。)は、次の各号に掲げる当該修正の区分に応じ、当該各号に定める措置をとらなければならない。

 第七条第一項第三号に掲げる事項の修正 規則で定める事項を知事に届け出ること。

 第七条第一項第一号第二号若しくは第七号又は第十一条第一項第二号から第五号までに掲げる事項の修正(前号に該当する場合を除く。) 事業者見解書について所要の補正をすること。

 前二号に掲げるもの以外のもの 技術指針で定めるところにより当該修正に係る部分について対象事業に係る景観評価を行うこと。

2 知事は、前項第一号の規定による届出があったときは、当該届出に係る修正が軽微な修正等に該当するかどうかの判定を行い、その結果を事業者及び関係市町村長等に通知するものとする。

3 事業者は、前項の規定による通知を受けたときは、次の各号に掲げる当該通知の区分に応じ、当該各号に定める措置をとらなければならない。

 第一項第一号の規定による届出に係る修正が軽微な修正等に該当しない旨の通知 第六条第一項及び第七条から第十六条までの規定による景観評価その他の手続を経ること。

 第一項第一号の規定による届出に係る修正が軽微な修正等に該当する旨の通知 事業者見解書について所要の補正をすること。

4 事業者は、第一項第三号の規定による景観評価を行った場合には、当該景観評価及び事業者見解書に係る景観評価の結果に基づき、規則で定めるところにより、事業者見解書の補正をしなければならない。

5 事業者は、第一項第一号に該当する場合を除き、同項第二号第三項第二号又は前項の規定による補正後の事業者見解書の送付(補正を必要としないと認めるときは、その旨及びその理由の通知)を知事に対してしなければならない。

6 知事は、前項の規定による送付又は通知を受けたときは、その写しを関係市町村長等に送付するものとする。

(事業者見解書の内容についての措置要請)

第十四条 知事は、前条第五項の規定による送付又は通知を受けた場合において、当該送付又は当該通知に係る対象事業の実施により景観影響の程度が著しいものとなり、富士山の保全に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、事業者に対し、必要な措置をとるよう求めることができる。

2 知事は、前項の措置をとるよう求めたときは、その旨を関係市町村長等に通知するものとする。

(適正な配慮の確保)

第十五条 知事は、事業者が対象事業に係る工事を実施することについて、許可、同意その他これらに類する行為(以下この条において「許可等」という。)又は届出(当該届出に係る法令において、当該届出に関し、当該届出を受理した日から起算して一定の期間内に、その変更について勧告又は命令をすることができることが規定されているものに限る。以下この条において「特定届出」という。)を要する場合において、当該許可等を行い、又は当該特定届出を受理する権限を有するときは、当該許可等又は当該特定届出に係る事項の審査に際し、当該対象事業に係る事業者見解書の内容について配慮するものとする。

2 知事は、前項に規定する場合において、対象事業に係る許可等を行い、又は特定届出を受理する権限を有する者が知事以外の者であるときは、当該許可等を行い、又は当該特定届出を受理する権限を有する者に対し、当該許可等又は当該特定届出に係る事項の審査に際し、当該対象事業に係る事業者見解書の内容について配慮するよう要請するものとする。

第四節 景観配慮書等の公表

第十六条 知事は、第十二条第一項の意見を述べ、又は同条第五項の規定による通知をした後においては、景観配慮書その他の規則で定める書類を、規則で定めるところにより、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

2 知事は、前項の規定により公表するに当たっては、個人及び法人の権利利益を不当に侵害することのないよう配慮するものとする。

第五節 対象事業の実施等

(対象事業の実施の制限等)

第十七条 事業者は、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行うまでは、対象事業に係る工事に着手してはならない。

2 事業者(対象事業を実施している者(委託に係る対象事業にあっては、その事業の委託をしている者)を含む。第二十一条第四項第二十三条第一項及び第三項第二十四条第二十六条第一項並びに第三十一条第一項第二号を除き、以下同じ。)は、対象事業に係る工事に着手したときは、規則で定めるところにより、着手の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、その旨を知事に届け出なければならない。

3 知事は、前項の規定による届出があったときは、その旨を関係市町村長等に通知するものとする。

(事業者の景観の保全の配慮)

第十八条 事業者は、事業者見解書に記載されているところにより、景観の保全についての適正な配慮をして当該対象事業に係る工事を行わなければならない。

(対象事業の完了の届出等)

第十九条 事業者は、対象事業に係る工事を完了したときは、規則で定めるところにより、完了の日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、その旨を知事に届け出なければならない。

2 第十七条第三項の規定は、前項の規定による届出があったときについて準用する。

第五章 対象事業の内容の変更等の手続

(事業者の氏名の変更の届出等)

第二十条 事業者は、第七条第二項の規定による送付を行ってから対象事業に係る工事を完了するまでの間に、同条第一項第一号に掲げる事項に変更が生じたときは、その日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、その旨を知事に届け出なければならない。

2 第十七条第三項の規定は、前項の規定による届出があったときについて準用する。

(景観配慮の手続の終了後における事業内容の変更の場合の届出等)

第二十一条 事業者は、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行ってから対象事業に係る工事を完了するまでの間に第七条第一項第三号に掲げる事項の変更(事業規模の縮小を除く。)をしようとする場合において、当該変更後の事業が対象事業に該当するときは、規則で定める事項を知事に届け出なければならない。

2 知事は、前項の規定による届出があったときは、当該届出に係る変更が軽微な変更その他の規則で定める変更(次項において「軽微な変更等」という。)に該当するかどうかの判定を行い、その結果を事業者及び関係市町村長等に通知するものとする。

3 事業者は、前項の規定により第一項の規定による届出に係る変更が軽微な変更等に該当しない旨の通知があったときは、当該変更後の事業について、第六条第一項及び第七条から第十六条までの規定による景観評価その他の手続を経なければならない。

4 前項の規定により景観評価その他の手続を経ることを要することとされる事業者は、対象事業に係る工事の着手前に同項の通知を受けたときは、同項の規定により再度の送付が必要とされる事業者見解書について、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行うまでは、当該工事に着手してはならない。

5 第三項の規定により景観評価その他の手続を経ることを要することとされる事業者は、対象事業に係る工事の着手後に同項の通知を受けたときは、直ちに当該工事を中断し、同項の規定により再度の送付が必要とされる事業者見解書について、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行うまでは、当該工事を再開してはならない。ただし、防災上緊急に必要な工事その他やむを得ないと知事が認める工事については、この限りでない。

(対象事業の廃止の届出等)

第二十二条 事業者は、第七条第二項の規定による送付を行ってから対象事業に係る工事を完了するまでの間に次の各号のいずれかに該当することとなった場合には、その日の翌日から起算して二週間を経過する日までに、その旨を知事に届け出なければならない。

 富士山景観配慮地区内において対象事業を実施しないこととしたとき。

 第七条第一項第三号に掲げる事項を修正し、又は変更した場合において当該修正後の事業又は当該変更後の事業が対象事業に該当しないこととなったとき。

 対象事業の実施を他の者に引き継いだとき。

2 前項第三号の場合において、当該引継ぎ後の事業が対象事業であるときは、同項の規定による届出の日以前に当該引継ぎ前の事業者が行った景観評価その他の手続は新たに事業者となった者が行ったものとみなし、当該引継ぎ前の事業者について行われた景観評価その他の手続は新たに事業者となった者について行われたものとみなす。

3 第十七条第三項の規定は、第一項の規定による届出があったときについて準用する。

(景観配慮の手続の終了後における景観評価その他の手続の再実施)

第二十三条 事業者は、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行った後に、対象事業の実施に係る区域及びその周囲の土地利用の状況の変化その他の特別の事情により、対象事業の実施において景観の保全上の適正な配慮をするために第七条第一項第五号又は第六号に掲げる事項を変更する必要があると認めるときは、当該変更後の対象事業について、更に第六条第一項及び第七条から第十六条までの規定の例による景観評価その他の手続の全部又は一部を行うことができる。

2 第十七条第一項第二十条第二十一条(第五項を除く。)及び前条の規定は、前項の規定により景観評価その他の手続が行われる対象事業について準用する。この場合において、第十七条第一項中「による通知」とあるのは「による通知(第二十三条第一項に規定する景観評価その他の手続において行われるものに限る。)」と、「若しくは通知」とあるのは「若しくは通知(第二十三条第一項に規定する景観評価その他の手続において行う送付又は通知に限る。)」と読み替えるものとする。

3 事業者は、第十二条第五項の規定による通知を受け、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を行った日の翌日から起算して五年を経過した日以後に当該対象事業に係る工事に着手しようとするときは、第一項の規定による景観評価その他の手続を行う必要があるかどうかについて、知事と協議しなければならない。

4 第十七条第三項の規定は、前項の協議において第一項の規定による景観評価その他の手続を行うこととなったときについて準用する。

(景観配慮の手続の終了後における景観評価その他の手続の再実施の要請)

第二十四条 知事は、第十二条第五項の規定による通知を行い、又は第十三条第五項の規定による送付若しくは通知を受けた後に、対象事業の実施に係る区域及びその周囲の土地利用の状況の変化その他の特別の事情により、対象事業の実施において景観の保全上の適正な配慮をするために第七条第一項第五号又は第六号に掲げる事項を変更する必要があると認めるときは、当該対象事業について、事業者に対し、前条第一項の規定による景観評価その他の手続を行うよう求めることができる。

(景観配慮の手続の終了後における事業内容の変更の場合の届出等に関する規定等の適用除外等)

第二十五条 第二十一条第二項から第四項まで(第二十三条第二項において準用する場合を含む。次項において同じ。)及び第五項並びに前二条の規定は、対象事業のうち、環境影響評価法第四条第一項の規定による届出がされた事業及び山梨県環境影響評価条例第六条第一項の規定による届出又は同条例第七条第三項の規定による送付がされた事業については、適用しない。

2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する事業のうち、環境影響評価法第三十条第一項第二号に規定する事由が生じた事業(山梨県環境影響評価条例第五十二条に規定する場合に該当するものを除く。)及び同条例第三十条第一項第二号に規定する事由が生じた事業については、これらの事業が対象事業に該当する場合に限り、それぞれ当該事由が生じた日以後においては、第二十一条第二項から第四項まで及び第五項並びに前二条の規定を適用する。

第六章 手続の併合等

第二十六条 相互に関連する二以上の対象事業を実施しようとする場合は、当該事業に係る事業者は、これらの事業について、併せてこの条例の規定による景観評価その他の手続を行うことができる。

2 二以上の者がこの条例の規定による景観評価その他の手続を行う場合において、これらの者のうちから代表者を定めたときは、当該代表者は、これらの手続を代表して行うことができる。

第七章 対象事業以外の事業に係る景観配慮の手続

第二十七条 対象事業以外の事業(その実施に係る区域の全部又は一部が富士山景観配慮地区内であるものに限る。)であって、その位置及び規模並びに当該区域の周囲の土地利用の状況その他の事情からみて景観影響の程度が著しいものとなるおそれがあるものについては、この条例に規定する景観評価その他の手続を行うことができる。この場合において、当該事業を行おうとする者は、あらかじめ、知事に協議し、その同意を得なければならない。

2 前項後段の規定による同意に係る事業については、対象事業とみなして、この条例の規定を適用する。

第八章 雑則

(学識経験者の意見)

第二十八条 知事は、次の各号のいずれかに該当する場合には、世界遺産(世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約第十一条2の世界遺産一覧表に記載された文化遺産をいう。)又は景観に関する学識経験を有する者の意見を聴くことができる。

 技術指針を定め、又は改定しようとするとき。

 第八条第一項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)第九条第三項(第十二条第四項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)において準用する場合及び第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)又は第十二条第一項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)の意見を述べようとするとき。

 第十条第二項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)第十三条第二項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)又は第二十一条第二項(第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定により判定を行おうとするとき。

 第十四条第一項(第二十三条第一項においてその例による場合を含む。)の規定により必要な措置をとるよう求めるとき。

 前各号に掲げる場合のほか、この条例の施行に関し特に必要と認められるとき。

2 前項に規定する学識経験を有する者について必要な事項は、規則で定める。

(報告及び検査)

第二十九条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、富士山景観配慮地区内において事業を実施し、若しくは実施しようとする者その他の関係者から報告若しくは資料の提出を求め、又はその指定する職員に、これらの者の事務所若しくは事業所若しくは当該事業に係る土地若しくは工作物に立ち入り、帳簿書類その他の物件を検査させ、関係者に質問させ、若しくは景観の保全のための措置の実施の状況を調査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(関係市町村長等との協力)

第三十条 知事は、この条例の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係市町村長等に対し、必要な資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。

(勧告及び公表)

第三十一条 知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者に対し、必要な措置を講ずべきことを勧告することができる。

 事業者がこの条例の規定に違反して景観評価その他の手続の全部若しくは一部を行わないとき、又は虚偽の内容によりこれらの手続を行ったとき 当該事業者

 事業者が第十七条第一項(第二十三条第二項において準用する場合を含む。)又は第二十一条第四項(第二十三条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して工事に着手したとき 当該事業者

 事業者が第二十一条第五項の規定に違反して、工事を中断せず、又は同項の規定により中断した工事を再開したとき 当該事業者

 第二十九条第一項に規定する者が同項の報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは資料を提出せず、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき 当該者

 事業者が事業者見解書に記載された事項と異なる内容で工事を実施したとき 当該事業者

2 知事は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくて当該勧告に従わないときは、その旨及びその勧告の内容を公表することができる。

3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該勧告を受けた者に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

4 知事は、第一項の規定による勧告又は第二項の規定による公表をしたときは、その旨を関係市町村長等に通知するものとする。

(適用除外)

第三十二条 この条例の規定は、次に掲げる事業については、適用しない。

 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第八十七条の規定による災害復旧の事業又は同法第八十八条第二項に規定する事業

 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第八十四条の規定が適用される場合における同条第一項の都市計画に定められる事業又は同項に規定する事業

 被災市街地復興特別措置法(平成七年法律第十四号)第五条第一項の被災市街地復興推進地域において行われる同項第三号に規定する事業

 その他災害の防止のために緊急に実施する必要があると知事が認める事業

 環境影響評価法第二条第二項の第一種事業又は同条第三項の第二種事業(同法第三条の十第一項後段の規定による通知がされたものに限る。)

 前各号に掲げるもののほか、規則で定める行為に係る事業

(委任)

第三十三条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において規則で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

(平成二八年規則第五号で平成二八年六月二四日から施行)

 第二条第四条並びに第五条第一項及び第六項から第八項までの規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において規則で定める日

(平成二八年規則第五号で平成二八年三月二四日から施行)

(経過措置)

2 対象事業であって次に掲げるものについては、第四章から第六章までの規定は、適用しない。

 この条例の施行の日(以下この項において「施行日」という。)前に免許、特許、許可、認可、承認又は同意が与えられた事業

 施行日前に補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二条第一項第一号の補助金又は同項第二号の負担金の交付の決定を受けた事業

 施行日前に都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第十七条第一項の規定による公告が行われた同法の都市計画に定められた事業

 施行日から起算して六月を経過する日までに環境影響評価法第四条第一項の規定による届出が行われる事業

 施行日から起算して六月を経過する日までに山梨県環境影響評価条例第六条第一項の規定による届出又は同条例第七条第三項の規定による送付が行われる事業

 施行日から起算して六月を経過する日までに工事に着手される事業

 前各号に掲げるもののほか、規則で定める事業

(委任)

3 前項に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な経過措置に関する事項は、規則で定める。

別表第一(第三条関係)

一 建築物その他の規則で定める工作物の新築及び増築の事業

二 道路の新設及び改築の事業

三 ダム、せき及び放水路の新築及び改築の事業

四 鉄道及び軌道の建設及び改良の事業

五 飛行場及びその施設の設置又は変更の事業

六 廃棄物処理施設の設置並びにその構造及び規模の変更の事業

七 公有水面その他の水面の埋立て及び干拓の事業

八 土地区画整理事業

九 住宅団地の造成事業

十 都市基盤の整備事業

十一 流通業務団地の造成事業

十二 土石又は砂利の採取事業

十三 墓地又は墓園の造成事業

十四 学校用地の造成事業

十五 レクリエーション施設用地の造成事業

十六 前各号に掲げるもののほか、これらに準ずるものとして規則で定める事業

別表第二(第五条関係)

一 富士吉田市

二 南巨摩郡身延町

三 南都留郡西桂町

四 南都留郡忍野村

五 南都留郡山中湖村

六 南都留郡鳴沢村

七 南都留郡富士河口湖町

山梨県世界遺産富士山の保全に係る景観配慮の手続に関する条例

平成27年12月25日 条例第46号

(平成28年6月24日施行)

体系情報
第1編 規/第9章 その他/第1節 世界遺産
沿革情報
平成27年12月25日 条例第46号