○山梨県地球温暖化対策条例

平成二十年十二月二十六日

山梨県条例第四十九号

山梨県地球温暖化対策条例をここに公布する。

山梨県地球温暖化対策条例

目次

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 地球温暖化対策実行計画等(第八条・第九条)

第三章 事業活動に関する地球温暖化対策(第十条・第十一条)

第四章 自動車の使用に関する地球温暖化対策(第十二条―第十四条)

第五章 森林の保全及び整備等に関する地球温暖化対策(第十五条・第十六条)

第六章 電気機器等に関する地球温暖化対策(第十七条・第十八条)

第七章 再生可能エネルギーの利用に関する地球温暖化対策(第十九条)

第八章 環境物品等の調達の推進に関する地球温暖化対策(第二十条)

第九章 地球温暖化の防止に関する教育及び学習(第二十一条)

第十章 雑則(第二十二条―第二十五条)

附則

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、山梨県環境基本条例(平成十六年山梨県条例第二号)の基本理念にのっとり、地球温暖化対策に関し、県、事業者、県民、環境保全活動団体及び観光旅行者等の責務を明らかにするとともに、基本的な事項を定めることにより、地球温暖化対策の推進を図り、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 地球温暖化 人の活動に伴って発生する温室効果ガスが大気中の温室効果ガスの濃度を増加させることにより、地球全体として、地表及び大気の温度が追加的に上昇する現象をいう。

 地球温暖化対策 温室効果ガスの排出の抑制並びに吸収作用の保全及び強化(以下「温室効果ガスの排出の抑制等」という。)その他の地球温暖化の防止を図るための施策をいう。

 温室効果ガス 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号。第五号において「法」という。)第二条第三項に規定する温室効果ガスをいう。

 温室効果ガスの排出 人の活動に伴って発生する温室効果ガスを大気中に排出し、放出し若しくは漏出させ、又は他人から供給された電気若しくは熱(燃料又は電気を熱源とするものに限る。)を使用することをいう。

 環境保全活動団体 法第二十四条第一項に規定する地域地球温暖化防止活動推進センターその他環境の保全を図るための活動を行うことを主たる目的として組織された団体をいう。

 観光旅行者等 観光旅行、余暇活動等の目的で一時的に県内に滞在する者をいう。

 再生可能エネルギー 太陽光、風力、水力、バイオマス(動植物に由来する有機物であってエネルギー源として利用することができるもの(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品を除く。)をいう。)を熱源とする熱その他規則で定めるものをいう。

(県の責務)

第三条 県は、総合的かつ計画的な地球温暖化対策を策定し、及び実施するものとする。

2 県は、前項の規定による地球温暖化対策の策定に当たっては、市町村、事業者、県民及び環境保全活動団体と連携して、これを行うものとする。

3 県は、第一項の規定による地球温暖化対策の実施に当たっては、市町村、事業者、県民、環境保全活動団体及び観光旅行者等と連携して、これを行うものとする。

4 県は、市町村が行う地球温暖化対策を促進するための技術的な助言その他の必要な支援を行うものとする。

5 県は、事業者、県民、環境保全活動団体及び観光旅行者等が行う地球温暖化対策を促進するための支援を行うものとする。

(事業者の責務)

第四条 事業者は、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出が地球温暖化の要因となっていることを自覚するとともに、その事業活動に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置を自主的かつ積極的に講ずるよう努めなければならない。

2 事業者は、県が実施する地球温暖化対策に協力しなければならない。

(県民の責務)

第五条 県民は、その日常生活に伴う温室効果ガスの排出が地球温暖化の要因となっていることを自覚するとともに、その日常生活に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置を自主的かつ積極的に講ずるよう努めなければならない。

2 県民は、県が実施する地球温暖化対策に協力しなければならない。

(環境保全活動団体の責務)

第六条 環境保全活動団体は、地球温暖化対策を自主的かつ積極的に行うとともに、その活動を通じて、事業者、県民及び観光旅行者等の地球温暖化の防止に関する理解を深め、並びにこれらの者の地球温暖化対策への参加を促進するものとする。

2 環境保全活動団体は、県が実施する地球温暖化対策に協力するものとする。

(観光旅行者等の責務)

第七条 観光旅行者等は、その滞在中の活動に関し、温室効果ガスの排出の抑制等のための措置を講ずるよう努めるものとする。

2 観光旅行者等は、県が実施する地球温暖化対策に協力するものとする。

第二章 地球温暖化対策実行計画等

(地球温暖化対策実行計画)

第八条 知事は、総合的かつ計画的な地球温暖化対策を実施するため、地球温暖化対策に関する計画(以下この条及び次条において「地球温暖化対策実行計画」という。)を策定するものとする。

2 地球温暖化対策実行計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 県内における温室効果ガスの排出の抑制及び吸収の量に関する目標

 県が自らの事務及び事業に関して行う温室効果ガスの排出の抑制に関する目標

 前二号の目標を達成するために必要な施策に関する事項

 前三号に掲げるもののほか、地球温暖化対策実行計画の実施に関し必要な事項

3 知事は、地球温暖化対策実行計画を策定しようとするときは、山梨県環境保全審議会の意見を聴かなければならない。

4 知事は、地球温暖化の防止に係る技術の向上及び社会経済情勢の変化を踏まえ、必要があると認めるときは、地球温暖化対策実行計画を変更するものとする。

5 第三項の規定は、地球温暖化対策実行計画の変更について準用する。

(地球温暖化対策の実施状況の報告)

第九条 知事は、毎年度、地球温暖化対策実行計画に基づく地球温暖化対策の実施状況を山梨県環境保全審議会に報告しなければならない。

第三章 事業活動に関する地球温暖化対策

(温室効果ガスの排出の状況の把握)

第十条 事業者は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況の把握に努めるものとする。

(排出抑制計画)

第十一条 事業活動に伴い相当程度多い温室効果ガスの排出をする事業者として規則で定めるもの(第三項第二十三条及び第二十四条第一項において「特定事業者」という。)は、規則で定めるところにより、その事業活動に係る温室効果ガスの排出の抑制等に関する計画(以下この条において「排出抑制計画」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。

2 排出抑制計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の状況

 事業活動に伴う温室効果ガスの排出の量について事業者が自ら定める目標

 前号の目標を達成するための基本方針及び当該基本方針に基づき講ずる措置

 前三号に掲げるもののほか、規則で定める事項

3 特定事業者以外の事業者は、規則で定めるところにより、排出抑制計画を作成し、知事に提出することができる。

4 第一項又は前項の規定により排出抑制計画を提出した事業者は、排出抑制計画の内容を変更したときは、規則で定めるところにより、変更後の排出抑制計画を知事に提出しなければならない。

5 第一項又は第三項の規定により排出抑制計画を提出した事業者は、規則で定めるところにより、排出抑制計画(前項の規定により変更後の排出抑制計画を提出した事業者にあっては、変更後の排出抑制計画)の実施状況を知事に報告しなければならない。この場合において、当該事業者は、事業活動に伴う温室効果ガスの排出の量から、第十六条の規定により認証された温室効果ガスの吸収の量その他規則で定める措置を講ずることにより排出が抑制され、又は吸収された温室効果ガスの量を減じた量を報告することができる。

6 知事は、第一項若しくは第三項の規定による排出抑制計画の提出があったとき、第四項の規定による変更後の排出抑制計画の提出があったとき又は前項の規定による実施状況の報告があったときは、速やかに、その概要を公表するものとする。

第四章 自動車の使用に関する地球温暖化対策

(自動車の使用の抑制等)

第十二条 自動車(原動機付自転車を含む。以下この条及び第十四条第一項において同じ。)を使用する者は、温室効果ガスの排出を抑制するため、公共交通機関の利用、自転車の使用等により、自動車の使用の抑制に努めるとともに、自動車を使用する場合においては、温室効果ガスの排出の量がより少ない自動車を使用するよう努めるものとする。

2 自動車を使用し、又は所有する者は、自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出を抑制するための自動車の適正な運転及び整備(次条において「環境に配慮した自動車の運転等」という。)に努めるものとする。

3 知事は、自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出を抑制するため、公共交通機関の利用の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。

(通勤における温室効果ガスの排出の抑制)

第十三条 事業者は、その従業員の通勤に自家用自動車が使用されることに伴う温室効果ガスの排出を抑制するため、事業所の立地条件に応じ、従業員に対し、公共交通機関の利用、自転車の使用等の促進、環境に配慮した自動車の運転等に関する研修その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(自動車環境計画)

第十四条 事業の種別ごとに規則で定める台数以上の自動車を使用する事業者は、規則で定めるところにより、その使用する自動車に係る温室効果ガスの排出の抑制に関する計画(以下この条において「自動車環境計画」という。)を作成し、知事に提出するよう努めなければならない。

2 前項の事業者以外の事業者は、規則で定めるところにより、自動車環境計画を作成し、知事に提出することができる。

3 前二項の規定により自動車環境計画を提出した事業者は、自動車環境計画の内容を変更したときは、規則で定めるところにより、変更後の自動車環境計画を知事に提出するものとする。

4 第一項又は第二項の規定により自動車環境計画を提出した事業者は、規則で定めるところにより、自動車環境計画(前項の規定により変更後の自動車環境計画を提出した事業者にあっては、変更後の自動車環境計画)の実施状況を知事に報告するものとする。

5 知事は、第一項若しくは第二項の規定による自動車環境計画の提出があったとき、第三項の規定による変更後の自動車環境計画の提出があったとき又は前項の規定による実施状況の報告があったときは、速やかに、その概要を公表するものとする。

第五章 森林の保全及び整備等に関する地球温暖化対策

(森林の保全及び整備の推進等)

第十五条 事業者、県民及び環境保全活動団体は、森林の持つ温室効果ガスの吸収作用に関する理解を深めるとともに、連携して、森林の適切な保全及び整備並びに県内産の木材その他の森林資源の利用の推進に努めるものとする。

(温室効果ガスの吸収の量の認証)

第十六条 知事は、事業者、環境保全活動団体その他の知事が定めるものが県内の森林の適切な整備を行った場合には、知事が定めるところにより、当該整備による温室効果ガスの吸収の量を認証することができる。

第六章 電気機器等に関する地球温暖化対策

(温室効果ガスの排出の量がより少ない電気機器等の使用)

第十七条 電気機器その他のエネルギーを消費する機械器具(以下この条及び次条第一項において「電気機器等」という。)を使用する者は、温室効果ガスの排出の量がより少ない電気機器等を使用するよう努めるものとする。

(省エネルギー性能の表示等)

第十八条 温室効果ガスの排出の量が相当程度多い電気機器等として規則で定めるもの(以下この条において「特定電気機器等」という。)を規則で定める台数以上陳列して販売する者(店舗において販売する者に限る。次項第二十三条及び第二十四条第一項において「特定電気機器等販売事業者」という。)は、規則で定めるところにより、特定電気機器等の見やすい箇所に、当該特定電気機器等に係る省エネルギー性能(エネルギーの消費量との対比における特定電気機器等の性能として規則で定める方法により算定した数値をいう。次項において同じ。)に関する情報を表示しなければならない。

2 特定電気機器等販売事業者は、特定電気機器等を購入しようとする者に対し、その販売する特定電気機器等に係る省エネルギー性能について説明しなければならない。

第七章 再生可能エネルギーの利用に関する地球温暖化対策

第十九条 県は、率先して、再生可能エネルギーを変換してその事務及び事業のために使用する電気を得るための設備の導入その他再生可能エネルギーの利用の推進のために必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、事業者及び県民による再生可能エネルギーの利用の促進を図るため、これらの者に対し、情報提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

第八章 環境物品等の調達の推進に関する地球温暖化対策

第二十条 事業者は、環境物品等(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)第二条第一項に規定する環境物品等をいう。)の調達の推進を図るための方針を作成するよう努めるものとする。

第九章 地球温暖化の防止に関する教育及び学習

第二十一条 県は、学校、地域、家庭等と連携し、幅広い世代を対象に、学校教育、社会教育、家庭教育その他あらゆる機会を通じて、地球温暖化の防止に関する教育及び学習を推進するものとする。

2 知事は、地球温暖化の防止に関する教育及び学習を推進するための指針を定めなければならない。

第十章 雑則

(指導及び助言)

第二十二条 知事は、事業者、県民、環境保全活動団体及び観光旅行者等が、この条例に基づく地球温暖化対策を実施する場合において、必要な指導及び助言をすることができる。

(報告及び資料の提出)

第二十三条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、特定事業者及び特定電気機器等販売事業者に対し、この条例に基づく措置の実施状況その他の必要な事項に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

(勧告及び公表)

第二十四条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

 第十一条第一項又は第四項の規定による提出をせず、又は虚偽の提出をした特定事業者

 第十一条第五項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした特定事業者

 第十八条第一項の規定による表示をせず、若しくは虚偽の表示をし、又は同条第二項の規定による説明をせず、若しくは虚偽の説明をした特定電気機器等販売事業者

 前条の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者

2 知事は、前項各号に掲げる者が正当な理由がなく同項の規定による勧告に従わないときは、その旨及び勧告の内容を公表することができる。

3 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、その理由を当該者に通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第二十五条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

附 則

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、第十一条第十四条第十六条第十八条第二十三条及び第二十四条の規定は、平成二十一年四月一日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日から地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成二十年法律第六十七号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日の前日までの間における第二条第五号の規定の適用については、同号中「地域地球温暖化防止活動推進センター」とあるのは、「都道府県地球温暖化防止活動推進センター」とする。

山梨県地球温暖化対策条例

平成20年12月26日 条例第49号

(平成21年4月1日施行)

体系情報
第6編の2 境/第1章
沿革情報
平成20年12月26日 条例第49号