○山梨県希少野生動植物種の保護に関する条例
平成十九年七月九日
山梨県条例第三十四号
山梨県希少野生動植物種の保護に関する条例をここに公布する。
山梨県希少野生動植物種の保護に関する条例
目次
第一章 総則(第一条―第八条)
第二章 個体の取扱いに関する規制
第一節 個体の所有者の義務等(第九条・第十条)
第二節 個体の捕獲及び譲渡し等の禁止(第十一条―第十五条)
第三節 特定希少野生動植物種事業に関する規制(第十六条―第十九条)
第三章 生息地等の保護に関する規制
第一節 土地の所有者の義務等(第二十条・第二十一条)
第二節 生息地等保護区(第二十二条―第二十九条)
第四章 保護管理事業(第三十条―第三十三条)
第五章 推進体制等(第三十四条―第三十九条)
第六章 雑則(第四十条・第四十一条)
第七章 罰則(第四十二条―第四十六条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、県内に生息し、又は生育する野生動植物が、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の重要な一部として県民の豊かな生活に欠かすことのできないものであることにかんがみ、県、市町村、事業者及び県民等が一体となって希少野生動植物種の保護を図ることにより、生物の多様性が確保された良好な自然環境を保全し、もって現在及び将来の県民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
一 その種の存続に支障を来す程度にその種の個体の数が著しく少ないもの
二 その種の個体の数が著しく減少しつつあるもの
三 その種の個体の主要な生息地又は生育地が消滅しつつあるもの
四 その種の個体の生息又は生育の環境が著しく悪化しつつあるもの
五 前各号に掲げるもののほか、その種の存続に支障を来す事情があるもの
4 この条例において「県民等」とは、県民、旅行者及び滞在者をいう。
(県の責務)
第三条 県は、野生動植物の種が置かれている状況を常に把握するとともに、希少野生動植物種の保護に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。
(事業者の責務)
第四条 事業者は、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる希少野生動植物種の個体の生息又は生育の環境の悪化を防止するため当該環境への負荷の低減に努めるとともに、県が実施する希少野生動植物種の保護に関する施策に協力するものとする。
(県民等の責務)
第五条 県民等は、希少野生動植物種の保護に自ら努めるとともに、県が実施する希少野生動植物種の保護に関する施策に協力するものとする。
(財産権の尊重等)
第六条 この条例の適用に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重し、県民の生活の安定及び福祉の維持向上に配慮し、並びに県土の保全その他の公益との調整に留意しなければならない。
(希少野生動植物種保護基本方針)
第七条 知事は、希少野生動植物種の保護を図るための基本方針(以下「希少野生動植物種保護基本方針」という。)を定めるものとする。
2 希少野生動植物種保護基本方針は、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 希少野生動植物種の保護に関する基本構想
二 指定希少野生動植物種及び特定希少野生動植物種の選定に関する基本的な事項
三 指定希少野生動植物種及び特定希少野生動植物種の個体(卵及び種子を含む。以下同じ。)の取扱いに関する基本的な事項
四 指定希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護に関する基本的な事項
五 保護管理事業(指定希少野生動植物種の個体の繁殖の促進、その生息地又は生育地の保護及び再生その他の指定希少野生動植物種の保護を図るための事業をいう。以下同じ。)に関する基本的な事項
六 前各号に掲げるもののほか、希少野生動植物種の保護に関する重要事項
3 知事は、希少野生動植物種保護基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、山梨県環境保全審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
4 知事は、希少野生動植物種保護基本方針を定めたときは、遅滞なくこれを公表しなければならない。
5 前二項の規定は、希少野生動植物種保護基本方針の変更について準用する。
(指定希少野生動植物種等の指定等)
第八条 指定希少野生動植物種及び特定希少野生動植物種は、知事が、あらかじめ審議会の意見を聴いて、指定する。
4 知事は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。
5 知事は、指定をするときは、その旨を告示しなければならない。
6 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。
7 知事は、指定希少野生動植物種又は特定希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。
第二章 個体の取扱いに関する規制
第一節 個体の所有者の義務等
(個体の所有者等の義務)
第九条 指定希少野生動植物種の個体の所有者又は占有者は、指定希少野生動植物種を保護することの重要性を自覚し、その個体を適切に取り扱うように努めなければならない。
(助言又は指導)
第十条 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、指定希少野生動植物種の個体の所有者又は占有者に対し、その個体の取扱いに関し必要な助言又は指導をすることができる。
第二節 個体の捕獲及び譲渡し等の禁止
一 第十三条第一項の許可を受けてその許可に係る捕獲等をする場合
二 人の生命又は身体の保護その他の規則で定めるやむを得ない事由がある場合
(譲渡し等の禁止)
第十二条 前条の規定に違反して捕獲等をされた指定希少野生動植物種の個体(その加工品であって規則で定めるものを含む。)は、譲渡し若しくは譲受け又は引渡し若しくは引取りをしてはならない。
(捕獲等の許可)
第十三条 学術研究又は繁殖の目的その他規則で定める目的で指定希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をしようとする者は、知事の許可を受けなければならない。
2 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。
一 捕獲等の目的が第一項に規定する目的に適合しないこと。
二 捕獲等によって指定希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがあること。
三 捕獲等をする者が適当な飼養栽培施設を有しないことその他の事由により捕獲等に係る個体を適切に取り扱うことができないと認められること。
4 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、第一項の許可に条件を付することができる。
5 知事は、第一項の許可をしたときは、規則で定めるところにより、許可証を交付しなければならない。
6 第一項の許可を受けた者のうち法人であるものその他その許可に係る捕獲等に他人を従事させることについてやむを得ない事由があるものとして規則で定めるものは、規則で定めるところにより、知事に申請をして、その者の監督の下にその許可に係る捕獲等に従事する者であることを証明する従事者証の交付を受けることができる。
9 第一項の許可を受けて捕獲等をした者は、その捕獲等に係る個体を、適当な飼養栽培施設に収容することその他の規則で定める方法により適切に取り扱わなければならない。
2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第三節 特定希少野生動植物種事業に関する規制
(特定希少野生動植物種事業の届出)
第十六条 特定希少野生動植物種の生きている個体の譲渡し又は引渡しの業務を伴う事業(以下「特定希少野生動植物種事業」という。)を行おうとする者は、あらかじめ、次に掲げる事項を知事に届け出なければならない。
一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
二 特定希少野生動植物種の個体の譲渡し又は引渡しの業務を行うための施設の名称及び所在地
三 譲渡し又は引渡しの業務の対象とする特定希少野生動植物種
四 前三号に掲げるもののほか、規則で定める事項
2 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項に変更があったとき、又は特定希少野生動植物種事業を廃止したときは、規則で定めるところにより、その日から起算して三十日を経過する日までの間に、その旨を知事に届け出なければならない。
4 知事は、第一項の規定による届出があったときは、特定希少野生動植物種事業の届出をした者(以下「届出事業者」という。)に対し、規則で定めるところにより、特定希少野生動植物種事業届出済証(以下「届出済証」という。)を交付しなければならない。
5 前項の規定により届出済証の交付を受けた者は、規則で定めるところにより、届出済証又はその写しを特定希少野生動植物種の個体の譲渡し又は引渡しの業務を行うための施設の見やすい場所に掲示しなければならない。
6 届出事業者は、第四項の届出済証を亡失し、又はその届出済証が滅失したときは、規則で定めるところにより、その旨を知事に届け出なければならない。
(特定希少野生動植物種事業を行う者の遵守事項)
第十七条 前条第一項の規定による届出をして特定希少野生動植物種事業を行う者は、その特定希少野生動植物種事業に関し特定希少野生動植物種の個体の譲受け又は引取りをするときは、その個体の譲渡人又は引渡人の氏名又は名称及び住所並びにこれらの者が法人である場合にはその代表者の氏名を確認するとともに、次に掲げる事項についてその譲渡人又は引渡人から聴取しなければならない。
一 その個体が、繁殖させた個体であるか又は捕獲され、若しくは採取された個体であるかの別
二 その個体が繁殖させた個体であるときは、繁殖させた者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 その個体が捕獲され、又は採取された個体であるときは、捕獲され、又は採取された場所並びに捕獲し、又は採取した者の氏名及び住所
2 前項の規定による立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
第三章 生息地等の保護に関する規制
第一節 土地の所有者の義務等
(土地の所有者等の義務)
第二十条 土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、指定希少野生動植物種の保護に留意しなければならない。
(助言又は指導)
第二十一条 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、土地の所有者又は占有者に対し、その土地の利用の方法その他の事項に関し必要な助言又は指導をすることができる。
第二節 生息地等保護区
(生息地等保護区)
第二十二条 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その個体の生息地又は生育地及びこれらと一体的にその保護を図る必要がある区域(法第三十六条第一項に規定する生息地等保護区の区域を除く。)であって、その個体の分布状況及び生態その他その個体の生息又は生育の状況を勘案してその指定希少野生動植物種の保護のため重要と認めるものを、生息地等保護区として指定することができる。
3 知事は、指定をしようとするときは、あらかじめ、審議会及び関係市町村の意見を聴かなければならない。
6 知事は、指定案について異議がある旨の前項の意見書の提出があったときその他指定に関し広く意見を聴く必要があると認めるときは、公聴会を開催するものとする。
7 知事は、指定をするときは、その旨並びに指定の区域、指定に係る指定希少野生動植物種及び指定の区域の保護に関する指針を告示しなければならない。
8 指定は、前項の規定による告示によってその効力を生ずる。
9 知事は、生息地等保護区に係る指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により指定の必要がなくなったと認めるとき又は指定を継続することが適当でないと認めるときは、指定を解除しなければならない。
(管理地区)
第二十三条 知事は、生息地等保護区の区域内で指定希少野生動植物種の保護のため特に必要があると認める区域を管理地区として指定することができる。
2 知事は、管理地区に係る指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育の状況の変化その他の事情の変化により前項の規定による指定の必要がなくなったと認めるとき又はその指定を継続することが適当でないと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
一 建築物その他の工作物を新築し、改築し、又は増築すること。
二 宅地を造成し、土地を開墾し、その他土地(水底を含む。)の形質を変更すること。
三 鉱物を採掘し、又は土石を採取すること。
四 水面を埋め立て、又は干拓すること。
五 河川、湖沼等の水位又は水量に増減を及ぼさせること。
六 木竹を伐採すること。
七 指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育に必要なものとして知事が指定する野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。
八 管理地区の区域内の湖沼若しくは湿原であって知事が指定するもの又はこれらに流入する水域若しくは水路に汚水又は廃水を排水設備を設けて排出すること。
九 道路、広場、田、畑、牧場及び宅地の区域以外の知事が指定する区域内において、車馬若しくは動力船を使用し、又は航空機を着陸させること。
十 第七号の規定により知事が指定した野生動植物の種の個体その他の物以外の野生動植物の種の個体その他の物の捕獲等をすること。
十一 指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある動植物の種として知事が指定するものの個体を放ち、又は植栽し、若しくはその種子をまくこと。
十二 指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのあるものとして知事が指定する物質を散布すること。
十三 火入れ又はたき火をすること。
十四 指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育に支障を及ぼすおそれのある方法として知事が定める方法によりその個体を観察すること。
5 前項の許可を受けようとする者は、規則で定めるところにより、知事に許可の申請をしなければならない。
7 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、第四項の許可に条件を付することができる。
9 次に掲げる行為については、第四項の規定は、適用しない。
一 非常災害に対する必要な応急措置としての行為
二 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるもの
三 木竹の伐採で、知事が管理地区ごとに指定する方法及び限度内においてするもの
(立入制限地区)
第二十四条 知事は、管理地区の区域内で指定希少野生動植物種の個体の生息又は生育のため特にその保護を図る必要があると認める場所を、立入制限地区として指定することができる。
3 知事は、土地の所有者又は占有者が正当な理由により第一項の規定による指定を解除するよう求めたとき、又はその指定の必要がなくなったと認めるときは、その指定を解除しなければならない。
4 何人も、知事が定める期間内は、立入制限地区の区域内に立ち入ってはならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。
一 非常災害に対する必要な応急措置としての行為をするために立ち入る場合
二 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるものをするために立ち入る場合
三 前二号に掲げるもののほか、知事がやむを得ない事由があると認めて許可をした場合
(監視地区)
第二十五条 生息地等保護区の区域で管理地区の区域に属さない部分(次条第一項及び第二十七条第一項において「監視地区」という。)の区域内において第二十三条第四項第一号から第五号までに掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、知事に規則で定める事項を届け出なければならない。
4 知事は、前項の規定により期間を定めたときは、これに係る届出をした者に対し、遅滞なくその旨及びその理由を通知しなければならない。
5 届出をした者は、届出をした日から起算して三十日(第三項の規定により知事が期間を定めたときは、その期間)を経過した後でなければ、届出に係る行為に着手してはならない。ただし、知事が指定希少野生動植物種の保護に支障を及ぼすおそれがないと認めてその者に通知したときは、この限りでない。
6 次に掲げる行為については、第一項の規定は、適用しない。
一 非常災害に対する必要な応急措置としての行為
二 通常の管理行為又は軽易な行為で規則で定めるもの
三 第二十二条第一項の規定による指定がされた時において既に着手している行為
(措置命令等)
第二十六条 知事は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、管理地区の区域内において第二十三条第四項各号に掲げる行為をしている者又は監視地区の区域内において同項第一号から第五号までに掲げる行為をしている者に対し、その行為の実施方法について指示をすることができる。
2 知事は、第二十三条第四項若しくは第二十四条第四項の規定に違反した者、第二十三条第七項(第二十四条第五項において準用する場合を含む。)の規定により付された条件に違反した者、前条第一項の規定による届出をしないで同項に規定する行為をした者又は同条第二項の規定による命令に違反した者がその違反行為によって指定希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護に支障を及ぼした場合において、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、これらの者に対し、相当の期限を定めて、原状回復を命じ、その他指定希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地の保護のため必要な措置を執るべきことを命ずることができる。
(報告徴収及び立入検査等)
第二十七条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、管理地区の区域内において第二十三条第四項各号に掲げる行為をした者又は監視地区の区域内において同項第一号から第五号までに掲げる行為をした者に対し、その行為の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
3 前項の規定による立入検査又は立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
2 知事は、その職員に前項の規定による立入りをさせようとするときは、あらかじめ、土地の所有者又は占有者にその旨を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。
3 第一項の規定による立入りをする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 土地の所有者又は占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
2 前項の補償を受けようとする者は、知事にその請求をしなければならない。
3 知事は、前項の請求を受けたときは、補償をすべき金額を決定し、その請求をした者に通知しなければならない。
第四章 保護管理事業
(保護管理事業計画)
第三十条 知事は、保護管理事業の適正かつ効果的な実施に資するため、審議会の意見を聴いて保護管理事業計画を定めるものとする。
2 前項の保護管理事業計画は、保護管理事業の対象とすべき指定希少野生動植物種ごとに、保護管理事業の目標、保護管理事業が行われるべき区域及び保護管理事業の内容その他保護管理事業が適正かつ効果的に実施されるために必要な事項について定めるものとする。
3 知事は、第一項の保護管理事業計画を定めたときは、その概要を告示し、かつ、その保護管理事業計画を一般の閲覧に供しなければならない。
(認定保護管理事業等)
第三十一条 県は、指定希少野生動植物種の保護のため必要があると認めるときは、保護管理事業を行うものとする。
2 国又は県以外の地方公共団体は、その行う保護管理事業であってその事業計画が前条第一項の保護管理事業計画に適合するものについて、知事のその旨の確認を受けることができる。
3 国又は地方公共団体以外の者は、その行う保護管理事業について、その者がその保護管理事業を適正かつ確実に実施することができ、及びその保護管理事業の事業計画が前条第一項の保護管理事業計画に適合している旨の知事の認定を受けることができる。
3 生息地等保護区の区域内の土地の所有者又は占有者は、認定保護管理事業等として実施される給餌設備その他の保護管理事業のために必要な施設の設置に協力するように努めなければならない。
4 知事は、前条第三項の認定を受けて保護管理事業を行う者に対し、その保護管理事業の実施状況その他必要な事項について報告を求めることができる。
第五章 推進体制等
(推進体制の整備)
第三十四条 県は、市町村並びに事業者、県民等及びこれらの者の組織する民間の団体と相互に連携して、希少野生動植物種の保護に関する施策を積極的に推進するための体制を整備するものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第三十五条 県は、希少野生動植物種の保護に関する施策の策定及び実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と協力し、その推進に努めるものとする。
(調査研究)
第三十六条 県は、希少野生動植物種の保護に関する施策を策定し、及び実施するため、野生動植物の種の個体の生息又は生育の状況、その生息地又は生育地の状況その他必要な事項について、調査研究の推進に努めるものとする。
(情報提供)
第三十七条 県は、希少野生動植物種の保護に支障を及ぼさない範囲内において、前条の規定による調査研究の成果その他希少野生動植物種に関する情報の提供に努めるものとする。
(普及啓発)
第三十八条 県は、希少野生動植物種の保護の重要性に対する事業者及び県民等の理解を深めるため、希少野生動植物種に関する広報活動、教育活動、学習の機会の充実等を通じて普及啓発を図るように努めるものとする。
(希少野生動植物種保護専門員)
第三十九条 知事は、希少野生動植物種の保護に熱意と識見を有する者のうちから、希少野生動植物種保護専門員を委嘱することができる。
2 希少野生動植物種保護専門員は、次に掲げる活動を行う。
一 希少野生動植物種が置かれている状況及びその保護の重要性について啓発をすること。
二 希少野生動植物種の個体の生息若しくは生育の状況又はその生息地若しくは生育地の状況について調査をすること。
三 希少野生動植物種の個体の生息地又は生育地及びこれらと一体的にその保護を図る必要がある区域における当該希少野生動植物種の保護のための巡視をすること。
四 希少野生動植物種の個体の所有者若しくは占有者又はその生息地若しくは生育地の土地の所有者若しくは占有者に対し、その求めに応じ希少野生動植物種の保護のため必要な助言をすること。
3 前二項に定めるもののほか、希少野生動植物種保護専門員に関し必要な事項は、規則で定める。
第六章 雑則
2 国等は、第十一条第二号に掲げる場合以外の場合に指定希少野生動植物種の生きている個体の捕獲等をしようとするとき、又は第二十三条第四項若しくは第二十四条第四項第三号の許可を受けるべき行為に該当する行為をしようとするときは、規則で定める場合を除き、あらかじめ知事に協議しなければならない。
第七章 罰則
第四十二条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第四十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
二 第二十四条第四項の規定に違反した者
第四十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
二 第十八条第二項の規定による命令に違反した者
五 第二十五条第二項の規定による命令に違反した者
六 第二十五条第五項の規定に違反した者
第四十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第十三条第八項の規定に違反して許可証又は従事者証を携帯しないで捕獲等をした者
三 第十六条第二項の規定に違反した者
附則
(平成二〇年規則第二号で平成二〇年四月一日から施行)
(山梨県高山植物の保護に関する条例の廃止)
2 山梨県高山植物の保護に関する条例(昭和六十年山梨県条例第十五号)は、廃止する。
(山梨県高山植物の保護に関する条例の廃止に伴う経過措置)
3 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。