○恩賜県有財産界標保存規程
大正五年三月二十三日
山梨県訓令乙第四六号
内務部
恩賜県有財産界標保存規程左ノ通相定メ大正五年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
右訓令ス
恩賜県有財産界標保存規程
第一条 本規程ニ於テ界標ト称スルハ境界査定内規第一条ニ掲クル境界ヲ標示スル為メ設置シタル境界標及予備標ヲ謂フ
第二条 界標ハ出張所長之ヲ保存ス但シ草木払下ノ慣行アル恩賜県有財産ノ界標ニ付テハ其保護ノ責任ヲ有スル町村又ハ町村組合ノ保存行為ヲ監督スヘシ土地ノ状況又ハ地方ノ状態ニ依リ界標ノ亡失毀壊移転其ノ他異状ヲ生スル虞アル箇所ハ特ニ其ノ保存行為ノ監督ニ注意スヘシ
第三条 出張所長又ハ分担区員ハ境界査定図簿ニ照シ毎年一回以上各界標ヲ巡検スヘシ但前条第二項ノ界標ニ在リテハ毎年二回以上之ヲ巡検スルモノトス
② 前項ノ巡検ヲ為スニ当リ草木払下ノ慣行アル恩賜県有財産ニ付テハ其ノ保護ノ責任ヲ有スル町村又ハ町村組合ノ立会ヲ求ムヘシ
第四条 管理課員界標ニ異状フルコトヲ発見シタルトキハ直ニ其ノ箇所種類数量及状況ヲ出張所長又ハ分担区員ニ通報スヘシ
第五条 出張所員又ハ分担区員界標ニ異状アルコトヲ認知シタルトキハ直ニ相当ノ方法ヲ以テ境界ノ保存ヲ講シ且第一号様式ニ依リ出張所長ニ報告スヘシ但シ改設ヲ要スルモノノ外翌月五日限リ報告スルヲ妨ケス
第六条 出張所長界標ニ異状アルコトヲ認知シタルトキハ左ノ手続ヲ為スヘシ
一、草木払下ノ慣行アル恩賜県有財産ノ界標ニシテ其ノ保護ノ責任ヲ有スル町村又ハ町村組合ニ於テ之カ改設修理ノ責任アルモノハ第二号様式ニ依リ其改設修理ヲ指揮スルコト
二、草木払下ノ慣行ナキ恩賜県有財産ノ界標其ノ他前号以外ノ界標ハ其改設修理ノ方法ヲ講スルコト
第七条 出張所長改設スヘキ界標ノ種類ヲ変更セントスルトキハ特ニ命セラレタル場合ノ外第三号様式ニ依リ知事ノ認可ヲ受クヘシ
第八条 出張所長ハ予算配付額以内ニ於テ界標ノ改設修理ヲ為スコトヲ得
第九条 界標ノ改設修理ハ左ノ標準ニ依ルヘシ
一、亡失シタルトキ又ハ腐朽若ハ毀壊ノ為修理ノ途ナキトキハ之ヲ改設スルコト
二、移転、顛倒、汚損其他軽微ナル毀壊ノ場合ハ之ヲ修理スルコト
三、字体不明ナルトキハ之ヲ明瞭ナラシムルコト
四、地盤崩壊又ハ埋設等ノ虞アルトキハ予備標ヲ設クルコト
第十条 出張所員又ハ分担区員界標ノ改設修理ヲ命セラレタルトキハ速ニ之ニ執行シ終了後五日以内ニ第四号様式ノ一ニ依リ之レヲ出張所長ニ報告スヘシ
出張所長界標ノ改設修理ヲ了シタルトキハ第四号様式ノ四ニ依リ直ニ之ヲ保護ノ責任ヲ有スル町村又ハ町村組合ニ通報スヘシ
第十二条 出張所長ハ毎年度直接改設修理ヲ為サントスル予定ノ界標ニ付経費ヲ見積リ第五号様式ニ依リ前年六月末日迄ニ之ヲ知事ニ上申スヘシ
第十三条 出張所長境界査定内規第十二条ニ依リ境界ニ利用シタル界標ノ亡失腐朽毀壊移転及顛倒等ヲ認知シタルトキハ直ニ其状況ヲ知事ニ報告シテ指揮ヲ受クヘシ
第十四条 本規程ハ左ノ場合ニ之ヲ準用ス
一、部分林、小柴、下草採取区域及林班等ノ標識保存
二、従来界標ナキ測点ニ於ケル界標ノ新設
出張所長前項第二号ニ依リ界標ノ新設ヲ為サントスルトキハ第六号様式ニ依リ知事ノ認可ヲ受クヘシ