○山梨県県有林野調査規程

昭和四十五年四月一日

山梨県訓令甲第六号

林政部

林務事務所

森林総合研究所

山梨県県有林野調査規程を次のように定める。

山梨県県有林野調査規程

目次

第一章 総則(第一条・第二条)

第二章 土地調査(第三条―第十条)

第三章 立木等の調査

第一節 産物の計量単位等(第十一条)

第二節 単木の調査(第十二条―第二十二条)

第三節 林分の調査(第二十三条―第三十一条)

第四節 ごく印及び調査木の表示(第三十二条・第三十三条)

第五節 副産物の調査(第三十四条)

第六節 産物の搬出に関する調査(第三十五条)

第四章 実施規定(第三十六条)

附則

第一章 総則

(趣旨)

第一条 この規程は、別に定めがあるもののほか、調査員が県有林野の土地、産物及び経営に関する調査を行なう場合に、必要な事項を定めるものとする。

(調査野帳)

第二条 調査の成果は、現地で直ちに調査野帳に明りように記載するものとする。

第二章 土地調査

(測量器具)

第三条 土地調査のため測量をする場合には、次に掲げる器具を用いるものとする。

 ポケツトコンパス又はトランシツト

 デジタル方位距離計

 GPS測量機

 光波測距儀

 メートル縄

 巻尺

 ポール

(平二五訓令甲九・一部改正)

(計測単位)

第四条 土地調査のための測量の計測単位は、次の各号に掲げる数量の区分に応じ、当該各号に定める単位によるものとする。

 角度 度

 傾斜角 度

 距離 メートル

 座標 度又はメートル

 面積 ヘクタール又は平方メートル

(平二五訓令甲九・一部改正)

(土地測量)

第五条 主産物若しくは副産物の収穫、部分林の設定、土地の貸付け若しくは使用承認又は造林事業等(以下「事業」という。)の調査のための区域の周囲は、実測するものとする。ただし、軽易な調査については、全部又は一部の実測を省略することができるものとする。

(調査区域)

第六条 調査区域の境界に草木等がある場合には、これらをり開いて調査区域を明らかにするものとする。

(測点)

第七条 周囲測量の各測点には、測量杭を設置し、測点番号を付するものとする。

2 周囲測量のいずれかの測点を、既存の測量杭、境界標、三角点標等明瞭な地物にけい測するものとする。

3 前項けい測が困難な場合には、調査区域が基本図の上で確認できる地点にけい測し、実測位置を明らかにするものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(実測図及び位置図の作成)

第八条 実測が終了した場合には、実測図及び基本図挿入位置図を作成するものとする。

2 収穫調査にあつては、前項の図面のほか搬出系統図を作成するものとする。

3 実測図の縮尺は、五千分の一とする。ただし、事業の種類により、又は調査区域が小面積のためこれにより難い場合は、適宜の縮尺を用いることができるものとする。

(公差)

第九条 ポケツトコンパス又はデジタル方位距離計を用いて周囲測量を行つた場合の閉合公差は、測定距離の総和の五十分の一とし、これを超えるものについては、再測するものとする。

2 トランシツトを用いた場合の公差は、別に定めるものによるものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(面積の算出)

第十条 面積の算出は、プラニメーター法、三斜法又は経緯距法によるものとする。

第三章 立木等の調査

第一節 産物の計量単位等

第十一条 産物調査の計量単位等は、別表のとおりとする。

第二節 単木の調査

(計測器具)

第十二条 立木竹の単木の調査をする場合には、次に掲げる器具を用いるものとする。

 輪尺

 直径巻尺

 測高器

 かん

 メートル縄

(平二五訓令甲九・一部改正)

(用薪区分)

第十三条 針葉樹は、用材に区分し、広葉樹は、胸高直径により用材又は薪材に区分するものとする。ただし、形質が不良で、用材とすることが不適当な針葉樹又は広葉樹は、薪材に区分することができるものとする。

(被害木の区分)

第十四条 被害木の区分は、次の各号に掲げるものとする。

 枯木竹 枯死したもの

 焼木竹 火災を受け枯死したもの又は幹枝葉の一部が生存して、まだ枯死しないが、被害程度がはなはだしく生存の見込みがないもの

 伐倒木竹 伐採されたもの

 転倒木竹 樹根とともに転倒したものをいい、それを枯木竹と生木竹に区分し、枯死したものを転倒枯木竹、生存しているものを転倒生木竹とする。

 折木竹 樹幹が折断し、又は裂傷を受け、生存の見込みがないものをいい、そのうち枯死したものを折枯木竹、生存しているものを折生木竹とする。

 雑損傷木竹 前各号以外の損傷を受けた木竹で枯死し、又は生存しているもの

(利用率の算出)

第十五条 立木の利用率の算出は、その立木より生産される素材の材積を推定し、これを幹材積で除して求めるものとする。

(胸高直径の測定)

第十六条 立木の胸高直径の測定は、傾斜地にあつては山側から一方向を、平地にあつては任意の一方向を測定するものとする。ただし、胸高直径の測定部が不整形で正確を期し難い場合は、最大直径と最小直径を測定した数値を平均して求めるものとする。

2 立木の胸高直径測定の位置は、地上一二〇センチメートルとする。ただし、傾斜地にあつては、斜面の上部の地際から一二〇センチメートルとし、曲木の場合は、曲りに沿つて一二〇センチメートルとするものとする。

3 立木の胸高直径は、輪尺で測定するものとする。ただし、輪尺で測定できない大径木又は極端な不整形木は、直径巻尺で測定するものとする。

(樹高の測定)

第十七条 樹高の測定は、地際よりしよう頭までの全長を、測定するものとする。ただし、傾斜地にあつては、斜面の上部の地際よりしよう頭までの全長を、測定するものとする。

2 曲木の樹高の測定は、曲りに沿つて測定するものとする。

(立木材積の算出)

第十八条 立木の幹材積の算出は、別に定める立木幹材材積表(以下この条において「立木幹材材積表」という。)により求めるものとする。

2 立木幹材材積表に定めのない立木の幹材積の算出は、胸高直径の円積に樹高及び立木幹材材積表による形数を乗じて求めるものとする。

3 第十三条の規定により区分された薪材の枝条の材積は、立木の幹材積の二〇パーセント以内において適宜見積り、幹材積に加えるものとする。

4 末木の材積の算出は、元口の円積に末木の長さを乗じ、これを三で除して算出するものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(不整形木の材積の算出)

第十九条 前条の規定は、しよう頭を有する折木、転倒木等の材積の算出について準用する。

2 樹幹が折損し、その折損分が不明のもの又は空どう木若しくは腐朽木の材積の算出は、別に定める方法により算出するものとする。

3 第十六条第二項の規定による胸高直径測定の位置から下で分岐している立木の材積算出は、分岐している樹幹の数に従い別に定める方法により算出するものとする。

(盗誤伐木等の材積の算出)

第二十条 盗誤伐木等で、樹幹の測定ができない場合の材積の算出は、伐根の直径を測定し、附近における同樹種の類似根株を有する立木を測定し、胸高直径及び樹高を推定して算出するものとする。

(素材及び製材等の材積の算出)

第二十一条 素材及び製材等の材積の算出は、別に定めるものによるものとする。

(根株の材積の算出)

第二十二条 根株の材積の算出は、伐根の断面積に、伐根の平均の高さを乗じて算出するものとする。

第三節 林分の調査

(立木調査)

第二十三条 林分の立木調査は、次条に規定する毎木調査法によるものとする。ただし、林相斉一な人工林若しくは天然林(針葉樹林に限る。)を調査する場合又は販売を目的としない場合の林分の調査は、第二十五条に規定する標準地調査法によることができるものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(毎木調査法)

第二十四条 毎木調査法による調査は、調査区域の全部について第二節に規定する単木調査を行ない、立木の本数及び材積をそれぞれ集計するものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(標準地調査法)

第二十五条 標準地調査法による調査は、調査区域内に標準地を設定し、その標準地の面積並びに立木の本数及び材積を調査し、全区域の面積に比例して、調査区域全域の本数及び材積を推定して算出するものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(標準地の設定方法)

第二十六条 標準地の設定は、調査区域内の林木の疎密度、樹種の混交歩合、径級配置及び成長状況を考慮し、調査区域の標準と認められる箇所を選定するものとする。ただし、林相不斉一な林分にあつては、調査区域を斉一な林分ごとに適宜区分し、これらの区分ごとに標準地を選定するものとする。

2 標準地の形状は、なるべく沢より峯にかけて帯状に選定するものとし、その面積は、調査区域が一〇ヘクタール未満の場合は、その調査区域の二パーセント以上の面積を有する標準地を設定するものとする。ただし、その最少面積は一〇アールをくだることはできない。

3 前項の調査区域が一〇ヘクタール以上である場合は、その調査区域の一パーセント以上の面積を有する標準地を二箇所以上設定するものとする。

(標準地の面積調査)

第二十七条 標準地の周囲は、実測し、その標準地の面積の計算は、第二章土地調査の規定により行なうものとする。

(標準地の表示)

第二十八条 標準地の位置は、実測図に表示するほか現地に標識を付し、その区域を明らかにするものとする。

(点在有用樹及び保残木の調査)

第二十九条 第二十五条の規定による標準地調査法(以下「標準地調査法」という。)により調査を行なう場合に、調査区域内の全域に点在する有用樹種、又は保残木を、別途に調査する必要があるときは、これらの有用樹種又は保残木については、第二十四条に規定する毎木調査法(以下「毎木調査法」という。)により実施するものとする。

(末木又は枝条の調査)

第三十条 調査区域に散在している末木又は枝条の調査をする場合は、標準地調査法に準じて調査するものとする。ただし、これにより難い場合は、毎木調査法によるものとする。

(平二五訓令甲九・一部改正)

(立竹の調査)

第三十一条 立木の束数の調査は、毎木調査法によるものとする。ただし、一斉竹林又はこれに近い竹林の場合は、標準地調査法によることができるものとする。

2 第二十五条から第二十九条の規定は、前条ただし書の場合について準用する。

3 立竹の胸高直径の調査については、地上一二〇センチメートルの箇所の最小の直径を測定するものとする。

第四節 ごく印及び調査木の表示

(極印及び番号)

第三十二条 極印の使用は、別に定めるものによるものとし、調査木の番号は、一調査区域内において一本の調査木ごとに付するものとする。

(平一九訓令甲一二・平二五訓令甲九・一部改正)

(調査木及び保残木の表示)

第三十三条 間伐木、択伐木、保残木及び点在する第十四条に規定する被害木等の調査には、胸高部にペンキを塗付する等明りような表示をするものとする。

第五節 副産物の調査

第三十四条 副産物の材積又は数量の調査は、標準地調査法により行なうものとし、特に必要と認めた場合は、全数調査によるものとする。ただし、収穫量が既往の実績等によつて判定できるものは、目測によることができる。

2 土石の調査は、前項の規定にかかわらず、別に定める方法によるものとする。

第六節 産物の搬出に関する調査

第三十五条 産物の搬出等に関する調査は、次の各号に掲げるものについて行なうものとする。

 調査区域から市場までの搬出方法及び距離

 伐採搬出に必要な各種施設及び位置

 その他必要と認める事項

第四章 実施規定

第三十六条 前各条に定めるもののほか、この規程の実施に関し必要な事項は、林政部長が定める。

(平九訓令甲二一・平一二訓令甲一二・令三訓令甲一〇・一部改正)

この訓令は、公布の日から施行する。

(平成九年訓令甲第二一号)

この訓令は、平成九年四月一日から施行する。

(平成一二年訓令甲第一二号)

この訓令は、平成十二年四月一日から施行する。

(平成一九年訓令甲第一二号)

(施行期日)

1 この訓令は、平成十九年四月一日から施行する。

(平成二五年訓令甲第九号)

この訓令は、平成二十五年四月一日から施行する。

(令和三年訓令甲第一〇号)

この訓令は、令和三年四月一日から施行する。

別表

産物

区分

計量単位

端数処理等

主産物

立木

直径

センチメートル

立木の直径は、二センチメートルに括約する。

樹高

メートル

単位以下の端数は、四捨五入する。

材積

立方メートル

一 立木材積は、単位以下二位にとどめ、二位未満の端数は、四捨五入する。ただし、単木材積が単位以下二位に満たない立木については、単位以下三位にとどめる。

二 単木材積に本数を乗じたものの集計は、単位以下二位にとどめ、二位未満の端数は四捨五入する。

粗朶とは、胸高直径四センチメートル以下のものをいい、一束の標準は、五十本とする。

集計単位 束

胸高直径の単位 センチメートル

一 竹は、次の表の上欄の胸高直径に応じた下欄の本数を一束とする。

 

 

 

 

胸高直径

(センチメートル)

(本)

 

二・〇

七〇

三・〇

三〇

四・〇

一二

五・〇

六・〇

七・〇

八・〇

九・〇

一・五

一〇・〇

 

 

 

二 竹の胸高直径の測定は、単位以下一位を四捨五入して単位にとどめる。

根株

立方メートル

(ただし、これにより難い場合は、個によることができる。)

 

副産物

小柴

すず竹

笹類

落枝

樹皮

下草

(一メートルなわしめ)

一 切芝又は土石については、単位以下二位にとどめ、二位未満の端数は、四捨五入する。

二 石については、前項によるほか一個の数量が単位以下二位に満たず、三位が四捨五入できない場合は、四位を四捨五入して三位にとどめる。ただし、一個の数量に調査数を乗じたものの集計は、単位以下二位にとどめ、二位未満の端数は四捨五入する。

薬草

山菜

牧草

きのこ

キログラム

切芝

平方メートル

土石

(転石を含む)

立方メートル

(ただし、転石は個によることができる。)

天然生樹苗

切花

落葉

樹液

樹実

竹皮

こけ類

も類

鉱泉

湯花

鉱業法(昭和二十五年法律第二百八十九号)の適用を受けない鉱物

一般の慣例によるものとする。

山梨県県有林野調査規程

昭和45年4月1日 訓令甲第6号

(令和3年4月1日施行)

体系情報
第9編 務/第4章 県有林
沿革情報
昭和45年4月1日 訓令甲第6号
平成9年3月31日 訓令甲第21号
平成12年3月31日 訓令甲第12号
平成19年3月30日 訓令甲第12号
平成25年3月29日 訓令甲第9号
令和3年3月31日 訓令甲第10号