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更新日:2011年11月15日

普通旋盤
矢崎 徳雄
株式会社茂呂製作所
製造部 部長
先輩の教えは「見てろし」(見ていなさい)だった
立体のイメージが大切、そして段取り

「普通に仕事をして出来て当たり前だと思うけど」と、会社の上司が絶賛するその技については、極めて謙虚に答える。出来る人には出来ることのレベルは見えないのだろう。会社にとっての宝は、黙々と機械に取り組む風情である。
矢崎さんは甲府工業高校出身。なぜ工業高校に行ったかと言えば、そもそもしゃべって接客するのは苦手だから、と。そうだろうか。もう少し詮索してみると。
「たしかにものづくりは好きかもしれないですね」「プラモデルとかですか?」「竹細工とか、ソリとか。ソリはねぇ、いろいろしたよ。ハンドル付けてみたりしてね。自分で色々工夫するのが楽しかったなぁ」
工業高校を選んだのも、縁あって茂呂製作所に来たのも、やはり「ものづくりが好き」だからということ。

奉職42年、今は業務を続けながら、指導員の資格に挑戦中なのだという。担当は普通旋盤。NC旋盤も使えるが、段取りにかかる手間(時間)を考えると、普通旋盤の方がやりやすい。この茂呂製作所自体が、試作や小ロットの仕事が多く、その仕事の要は矢崎さんの腕にかかっているようだ。
扱う素材の質を見極め、支え方を工夫し、適切な刃を選択し、正しい角度で研削する。そのポイントは"見た目"だそうだ。まさしく培った経験で、刃物をグラインダーにかけ、厚さ角度を作り出す。治具も素材により微妙なバランスを作り出す。用途にあった角度を見た目で判断する。今までの難しかった仕事を色々聞いた。
「大きいものは難しいよ」
大口径の加工は、普通旋盤でしかできない。「おさえが難しいんだ」と1000mmものの固定とコツを教えていただいたが…矢崎さんでも難しいことは分かったが。
鋳物の試作、石の加工、円錐形など、それぞれ材質が違う一点物を創り出すという。

「3DのMCもあるけど。二次元から角度を変えて三次元にする、普通旋盤の方が仕事が早いからね」立体を頭の中でイメージして、角度を変えながら掛け替えて創り出していく。道具の違いで出来は変わる。
「普通旋盤は"手加減"できるからいいんだよね。早いし」。また、NCのフォローをすることもある。
「NCの刃物を自製する場合、"逃げ角"をいれてやらないと」と。

ラジコンに凝ったこともあるが、趣味は仕事=ものづくりという。特に「ない道具」をつくるのは楽しいらしい。
先輩の仕事を「見る」「聞く」で学び、裏でちょっと工夫してみる、自分なりに。これが矢崎さんの技の習得法。自ら培った技を次の世代にどのようにして伝承していくかが次の大きな仕事になる。「やってて飽きない仕事だね」としみじみ語る。そして"手加減"とは、の質問に「音、におい、振動、回転の勢い、熱」と答えてくれた。五感を使って感じ取り、加減をしていくということ。創意工夫の経験の蓄積が醸し出す匠の言葉だった。

株式会社 茂呂製作所
山梨県韮崎市藤井町駒井3169 0551-23-3366
http://www.moross.co.jp
金属切削加工を得意技として、小ロット製品から難材加工、試作品製作や治具・工具の加工などを扱う。さらに機械設備の保守・改造・改修という新分野を豊かな経験が裏打ちする高い技術で着手しトータルサポート体制を実現した。また、社内育児所を設け、女性スタッフ・お母さんたちの仕事力に大きな期待を持っている。
「匠友倶楽部」会員。現状の仕事体制に出来た功労者は社内の熟練技術者であり、財産だと考えている。その技術力を尊重し、次世代に残したいと会員を募り「匠友倶楽部」を結成した。
山梨県内の製造業を営む中小企業の若い経営者10名が集い、設立された「匠友倶楽部」。
長年培われ継承されてきた職人の技、貴重な匠の技を次世代に引き継ぐため設立された。互いが持つ匠の技を活かして匠の技を融合しながら、顧客のニーズに応え、新たな技術を創造する。「断る」「無理」はない。というもの。
さらに踏み込んでモノづくり学校を設立する。山梨県内中小企業10社と「山梨県機械・電子電気技能士会」の共同により、山梨県認定訓練校の資格を取得。「テクノスクール匠」の校是は『会社の明日を支える匠の技を次世代へ伝える。技術の継承に、会社の未来がある』。技術習得を旨とする講座は、実際現場で働く民間企業の社員や技能士会の熟練工が講師、インストラクターとなって進める。講座内容は取捨選択したオーダーメイドの講座が可能。現場に出張し、問題点解決を現場で行う指導もある。新入社員教育訓練は、原則として入社半年以上の経験ある人から訓練を行う。
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