山梨てくてくvol.07
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富士山で有史以降最大の噴火「貞観噴火(864年)」では、膨大な量の溶岩が噴出し、約30km2にわたる裾野を埋め尽くした。その上に約1200年の歳月をかけて再生してできたのが「青木ヶ原樹海」。溶岩がむき出しの若い森では、富士山特有の玄武岩質の溶岩がつくり出した神秘的な地形の数々を観察できる。「富士風穴」は、樹海の森で多く見られる「溶岩トンネル」を代表する洞穴。火口から流れた溶岩は途中で表面だけが冷えて固まり、トンネル状になった内部では、熱い溶岩がより遠くまで流れた。全長200mの穴の中は氷が張り詰めているので、明治時代に蚕の卵の貯蔵庫として日本の養蚕業を支えた。(上)富士風穴の中から出た冷気が入り口にたまり、夏でも涼しい(右)富士風穴の手前では、ゆっくり流れ出た溶岩が縄状に固まった跡も見られる「富士山があるがゆえに、自然や地形の面白さは抜群」と語る山梨県富士山科学研究所の吉本充宏さんに火山としての富士山の個性や魅力が分かるおすすめポイントへ案内していただきました。いつもは眺めたり、登ったりして楽しむ富士山に、もぐっていきます。富士山に、もぐる。青木ヶ原樹海と富士風穴[富士河口湖町]※富士風穴内は通常立ち入り禁止です。入洞には富士河口湖町 教育委員会の許可とガイドの同行が必要となります。07

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