ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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90昭 和 町[ Drive for a small, but rich city ] 小さくても豊かなまちをめざしてわたしたちのまち人口19,136 人 面積9.08 ㎢ (H27.10.1) 昭和町は,山梨県のほぼ中央に位置し,甲府市,中央市,南アルプス市,甲斐市と接しています。標高は,262mで山が無く平らな地形をしています。 町の西側には釜無川が,町の中には鎌田川,山伏川,常永川が流れ,水資源に恵まれた町といえます。町内にある甲府市水道局昭和浄水場は,20か所の取水井(深井戸)から水をくみ上げ,昭和町と甲府市の南部,中央市の一部に給水しています。 このように,昭和町は,昔から水の豊かな土地柄を生かした稲作がさかんな地域でした。しかし,近年,甲府市の中心部から近いことや,大規模な町開発が行われたことなどにより,住宅が増え,農地が減少しました。 一方,甲府バイパスや中央自動車道,昭和バイパス,アルプス通りと,町内を通る幹線道路が次々に開通し,国母工業団地と釜無川工業団地といった大きな工業団地が開かれた他,大型のショッピングセンターやショッピングモールも開業しました。この他,昭和押原公園や常永ゆめ広場など災害拠点に備えた広い公園も作られ,「子育てしやすいまち」ランキングで全国11位という子どもにも大人にも優しいまちとなっています。 大規模区画整理事業によって,大型ショッピングモールを中心に商業施設や近代的な家並みが出現した昭和町の常永地区。この中に意識して眺めなければ見落としてしまうような,土が盛り上がった場所があります。これこそが,今から約500年前,武田信玄が,甲斐の国主だった時代につくられた信玄堤の本堤に連なる,かすみ堤の跡です。今日のように重機が無い時代に,先人たちがいかにしてこの土木工事に挑んだか。その,苦役に人々を駆り立てた思いとは何か。ぜひ,偉業を成し遂げた先人たちに思いを馳はせてほしいと思います。 また,これらのかすみ堤は,大水に備えて作られました。大水から家や田畑を守ろうとする先人たちの驚きの発想があります。ぜひ,その仕組みを調べ,先人たちの知恵に触れてほしいと思います。先人たちが必死に生きた証 〜かすみ堤〜なぜ,堤防にあえて切れ目を設けたのだろう。かすみ堤

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