ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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66コミュニケーション力を育むアートの力 開発 好明 KAIHATSU, Yoshiaki身近なものを変容させる創造力 丸山 純子 MARUYAMA, Junko●開発さんの他の作品について調べてみましょう。●アートを通して人と人とのつながりをつくる仕組みについて考えてみましょう。 トラックに作品を積み込み,日本列島を移動しながら行う展覧会「デイリリー・アート・サーカス」や,手紙が1年後に届けられる「未来郵便局」など,開発さんの作品は,作品そのものにコミュニケーションが内包されていたり,作品がコミュニケーションを誘発したりと,いつの間にか私たちの行為そのものが,作品の一部になっているということがよくあります。 スーパーの袋は,その役割を終えると不用品となります。そのスーパーの袋を,はかないがために美しいとされる花と重ねあわせ,村の廃校で静かに咲く花畑をつくりたいと作家は考えました。普段見過ごされたり,忘れられてしまったりするような「モノゴト」を取り出し,変容し,再提示してみるという作品を創造しています。●つながりをつくる開発作品●日用品をアートに転用する丸山作品 甲斐市出身。美術家。大学院を修了後,「それぞれの地球-1990年」を皮切りに活動を展開。2004年第9回ヴェネチア・ビエンナーレ建築展に参加。その後もコミュニケーションをテーマに国内外で多くの展覧会やさまざまなプロジェクトを展開している。 甲府市出身。美術家。米国の大学を卒業後,国内外のアートプロジェクトに参加。主に身近にある物を収集し,手を加えることで意味を変化させ,それを展示する場を変える作品を展開している。 開発さんは,発泡スチロールを使って,異質な空間をつくったり,実際の彫刻作品よりも1.5倍に拡大してつくったりしています。右の作品のモデルは何でしょう? また,3月9日をアートの日と設定し,その趣旨に賛同した国内外の美術館等がさまざまなイベントを催すことを促したりもしています。●多様な表現の開発さんの作品「未来郵便局」は,あなたの思いを1年後の自分に,友達に届ける新しい郵便システムです。「デイリリー・アート・サーカス」は,東日本大震災の被災地の方たちに楽しんでもらう展覧会として企画されたものです。「ドラゴンチェアの旅」は,子どもたちが自分だけの椅子をつくり,開発さんがつくった竜の頭部に続けて,それらをつなげ,集団制作の楽しさを体感してもらう作品です。「ドラゴンチェアの旅」と「無音花畑」の表現における,共通点と相違点について,周りの友達と意見交流をしてみましょう。

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