ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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42①若尾逸平と甲州財閥〜近代の日本の経済界に影響を与えた甲州財ざい閥ばつ〜(3)近代の山梨少年:そもそも,甲州財閥とは何ですか。若尾:甲州財閥とは,明治から昭和にかけて東京を中心に活発な経済活動を行っていた山梨県(甲州)出身の実業家たちの総称だ。甲州財閥と呼ばれる主な実業家は,私や雨宮,根津などの他には佐さ竹たけ作さく太た郎ろう,小お野の金きん六ろく,神かん戸べ挙きょ一いち,小こ池いけ国くに三ぞうなどが挙げられるな。また,その流れの中には堀ほり内うち良りょう平へい,小こ林ばやし一いち三ぞう,若わか尾お璋しょう八はち,河か西さい豊とよ太た郎ろう,田た辺なべ七しち六ろく,早はや川かわ徳のり次つぐ,小こ林ばやし中あたるたちがいた。時には対立することもあったが,協力し合い,同じ甲州人としてまとまった力は,三井,三菱,住友,安田などの四大財閥にも引けをとらなかったぞ。「株を買うなら将来性がなければだめだ。それは,乗り物と明かり(灯あかり)だ。」この言葉は,誰が言ったのかな。行商生活からスタートしたわしに何でも聞きなさい。若尾逸平さんに「甲州財閥」についてインタビューしてみたよ。若尾さん,お願いします。私の名前は,根ね津づ嘉か一いち郎ろう。「鉄道王」と呼ばれたぞ。私の名前は,雨あめ宮みや敬けい次じ郎ろう。「天下の雨敬」と呼ばれたぞ。私の名前は,若わか尾お逸いっ平ぺい。上の言葉は,私がかつて根津君に言った言葉だ。当時,私たちは「甲州財閥」と呼ばれたのだ。私の話を通して,「甲州財閥」のことをわかってほしい。イラスト提供 山梨近代人物館甲州財閥この3人を中心とした山梨県出身の実業家たち(山梨中銀金融資料館 蔵)(山梨中銀金融資料館 蔵)(根津美術館 蔵)

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