ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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22御お師しの家 ~富士山信仰の面影~3(1) 御お 師し(3) 御師の家の食事(2) 御師の家 「御師」とは「御祈き祷とう師し」のことです。御師は神社の神しん職しょくの資格をもつかたわら,富士山を信仰して登山をする人(道どう者じゃ)たちに自らの住宅を宿しゅく坊ぼうとして提供し,参詣者の案内や祈祷を行い,食事や宿泊をまかなうなどの世話をしました。富士吉田市上吉田地区には江戸・明治時代,86軒の宿(御師の家)がありましたが,現在では,数軒が残るだけとなっています。 朝食では,白米,みそ汁,焼き魚,昼食のお弁当は,梅干し入りおにぎりと椎しい茸たけやかんぴょうの煮物など,夕食には,白米,吸い物,刺身,煮物,漬け物,お酒などがありました。地元の野菜や池で飼っていた鯉こいなどを使用し,富士山に登る人の安全を祈願するとともにおもてなしの料理を振る舞っていました。 外と川がわ家けは,1768年から,1962年まで御師としての仕事を行っていました。御師の家として残っている家の中では古いもので,現在では重要文化財・世界遺産構成資産として指定されています。幕末から明治期の外川家当主江戸時代に振る舞われていた御師料理の再現(2013年)鯉の刺身,鯉のあらい,ひじきとじゃがいもの煮物,ゴボウの鶏肉巻きなど御師の家 旧外川家住宅富士講 登山の服装写真提供 ふじさんミュージアム御ご神しん前ぜん上段の間(最も格の高い客室)●御師の家の役割を調べてみましょう。表通りから細長い道を入った奥に御師の家があるのはなぜだろう。なぜ白い服装で富士山に登るのかな。

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