ふるさと山梨-中学校版-（デジタルブック版）

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18世界文化遺産への歩み2世界遺産になるまでにはどのような取り組みがあったのかな。これからはどのような取り組みをしていかなければならないのかな。富士山のことは左の写真の山梨県立富士山世界遺産センター（富士河口湖町）へ行けば詳しく調べることができます。富士山のどんなところが認められて世界文化遺産に登録されたのかな。（１）世界遺産について世界遺産登録までには21年もかかった世界遺産の種類　世界遺産とは,1972（昭和47)年にユネスコ（国連教育科学文化機関）で採択され,1975（昭和50）年に発効した「世界の文化遺産および自然遺産の保護に関する条約（世界遺産条約）」に基づき,「世界遺産リスト」に記載されている物件のことです。この世界遺産リストには,世界中の人々が守り,未来へと伝えていかなければならない,とても大切な文化財や自然などが登録されています。　世界遺産は,「文化遺産」・「自然遺産」・「複合遺産」の三種類に分けられます。富士山は三種類のうち,「文化遺産」として2013（平成25）年に登録されました。正式な名称は,「富士山－信仰の対象と芸術の源泉」です。　富士山の世界遺産登録への動きは1992（平成4）年に山梨・静岡両県の自然保護グループにより始まりました。当初,富士山は「自然遺産」に登録することが目ざされていました。しかし国は,「自然遺産」への登録を見送りました。その理由は,富士山のような形をした山は世界に複数あること,富士山は人間の手によって開発が進んでいて自然の雄大さが損なわれていること,そしてごみの問題などからでした。　そこで,富士山の世界遺産への登録を目ざす動きは,「文化遺産」への登録に方針を転換していきます。それとともに,「自然遺産」への登録が見送られた理由の一つであるごみ問題解決に向けた活動も行われるようになっていきました。当時,富士山は登山客が捨てたり不法投棄されたりするごみが多い状態でした。そこで,地道な清掃活動や登山客への呼びかけ,また富士山を汚さないためのバイオトイレの設置といった環境美化活動が行われるようになりました。こうした地道な活動の結果,2013（平成25）年,富士山の「文化遺産」への登録が決定されたのです。種　　類内　　容文化遺産昔の人が生活していた跡などの遺跡や古い建物，文化的に大切な風景や景色など　自然遺産地形や地質，生態系，絶滅のおそれのある動物が住んでいたり，植物が育っていたりするところなど複合遺産文化遺産と自然遺産の両方の価値をもっているもの