ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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143第1章 ふるさと山梨を大観して第2章 心のふるさと富士山第3章 ふるさと山梨を見つめて第4章 私たちのまちを見つめて第5章 未来を考える資 料 編(3)大村先生からのメッセージ大村先生が大切にしてきた人生の心得七か条 神山村立神山中学校(現,韮崎市立韮崎西中学校)時代の忘れられない思い出の一つは,いつも温かく見守って励ましてくれた恩師鈴木先生との出会いだそうです。県立韮崎高校ではスキー部と卓球部で主将を務めるなどスポーツに熱中し,スキーの長距離競技で国民体育大会の選手にも選出されるほどでした。農家を継ぐつもりでいたところを,父の「勉強する気があるなら,大学へ行かせてやるぞ」の言葉で猛勉強を開始し,山梨大学学芸学部(現・教育学部)へ進学しました。卒業論文「油脂成分の微量分析」には,当時から粘り強く実直に研究に打ち込む大村先生の姿がうかがえます。また,大学でもスキーの長距離競技に打ち込み,厳しい練習を積みました。 社会人となり,東京の定時制工業高校で5年間,理科の先生をしました。ここで運命を変える出来事がありました。日が暮れるまで働き,仕事で汚れた手のまま夜は懸命に学ぶ生徒の姿に心を打たれ,「自分はこれまで何をやってきたのか」と学び直しを決意しました。その後,東京理科大学大学院に入学,山梨大学助手を経て,北里研究所に入所してアメリカ留学も経験しました。「人のまねだけではその人を超えられない」「何か役に立つことはないかと絶えず考え,人の役に立つことをやりたい」と,懸命な努力と人との縁を大切にしてきたことが偉業につながりました。●上の大村先生の書き初めの言葉はどんな意味でしょうか。●これからの自分を支える言葉をあなたも考えてみましょう。一 歴史を学び,それを基に未来をみつめる。一 何事も人のまねをしない。一 自分が世の中の人々のために何ができるかを優先し,いとわず行動する。一 役目についた折には,自分の能力をもって全力で尽くす。一 リーダーとなった時は,「君主は器ならず」と考え,そこに集まる人の個性を最大限に引き出す。一 「一期一会」と「恕じょ」(思いやりの心)を大切にする。一 よき人生は日々の鍛錬にある。 書は全くの素人ですが,人生で心がけてきたことを書き初めとしてしたためてきました。可能性に満ちたみなさんに,特にこの言葉を贈ります。力強くよりよい未来を拓いていってください。

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