ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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139第1章 ふるさと山梨を大観して第2章 心のふるさと富士山第3章 ふるさと山梨を見つめて第4章 私たちのまちを見つめて第5章 未来を考える資 料 編●山梨県は,今後どのような産業を伸ばしていけばよいでしょうか。山梨県はジュエリー産業が盛んだとは知っていたけど,こんなスゴ技をもった職人さんがいるんだ。その技術を学ぶ環境も整っているんだね。山梨県では2030年をめどに「やまなしエネルギービジョン」を策定しています。多様なクリーンエネルギー等をバランスよく取り入れることにより,県内経済の活性化と安全・安心な県民生活につながるエネルギー施策を進めていこうとしています。 「燃料電池」とは,水素と酸素から電気をつくり出す新しい発電装置のことです。電気とともに熱も利用できるので総合エネルギー効率が高いです。発電する際は,水しか排出しません。振動や騒音の心配もありません。山梨大学燃料電池ナノ材料研究センターでは,国内外でトップクラスの燃料電池研究が進められています。 山梨県は,宝飾製品の出荷額が全国シェアの約1/3を占め,日本一を誇ります。県内で原石の加工から貴金属加工,完成まですべての工程を一貫して行うという,世界的にも珍しい集積産地であり,さまざまなジュエリーから貴石工芸品まで幅広い製品がそろっています。また,山梨県には,日本で唯一,県立宝石美術専門学校が設置されていて,ジュエリーについて学び,宝飾のプロを育てる環境も整っています。燃料電池 …山梨大学燃料電池ナノ材料研究センター山梨の輝き …宝飾産業技術技術で未来を切り開く 甲府の宝石研磨職人は,代々「手て擦すり」という石を手に持ち,平面研磨機に直接当てて研磨します。手先の感覚と摩擦の音だけで切るため,世界的に見ても甲府の職人だけができる難しい技術です。中でも,山梨県出身の宝石研磨職人の清水幸雄さんは世界でたった一人,「キキョウカット」という宝石研磨技術をもっています。「キキョウカット」とは,正五角形12枚で囲んだ正12面体をベースに,合計180面を有するカットのことで,桔き梗きょうの花びらに形が似ていることから,「キキョウカット」と呼ばれています。コンピューターを駆使してもできないこのキキョウカットを,清水さんは,手擦りで,しかも勘のみで行います。コツは,指にある“目”で石を見ることだそうです。スゴ技研磨職人:清し水みず幸ゆき雄おさん燃料電池が普及すると,私たちの生活は具体的にどのように変わるのかな。キキョウカット作品燃料電池電気水水水素酸素

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