ふるさと山梨-中学校版-(デジタルブック版)
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132小 菅 村[ The source of the Tama River ・ A town where everyone works together ] 源流を誇りに みんなが協働するむらわたしたちのまち人口726人 面積52.77㎢ (H27.10.1) 小菅村は,山梨県の北東部,大だい菩ぼ薩さつ嶺れいの山岳地帯に位置し,都内を貫流する多摩川の源流部に位置しています。東西14㎞,南北7㎞,標高は奥多摩湖面の530mから大菩薩連山の2,000mまでと高低差に富んでいます。 森林が総面積の94%を占め,その約3割が東京都の水源かん養林になっています。 都心から80㎞圏内にありながら,ミズナラやブナなどの原生林,大型哺乳類や様々な野鳥,昆虫から可か憐れんな野の花まで,豊かな自然が残っています。 小菅村の人口は,昭和30年にピークを迎えましたが,高度成長期に農林業の不振や若年層の都市部への急激な流出により過疎化が進みました。村の基幹産業は農林水産業ですが,小規模経営,高齢化,後継者不足により経営環境は厳しさを増し,従事者はだんだん減っています。このような状況の中で平成6年にオープンした温泉施設,また,平成25年にオープンしたフォレストアドベンチャー,平成27年にオープンした「道の駅こすげ」などは,松姫バイパス(松姫トンネル)の開通で来客者が増加したことに伴い,村の活性化につながる重要な施設となっています。松しょう鶴かくのブナ:松まつ姫ひめ峠とうげから鶴つる寝ね山やまを越えると,まるで鶴が大空を舞うかのように枝を広げた巨木があります。 長作観音堂は建物の様式から鎌倉時代のものと推定されています。 藤原期の住宅手法をひく仏堂建築の流れに沿うもので,その洗練された技法は甲州にもたらされた遺構として貴重な建物です。昭和21年11月29日,国宝に指定されましたが,昭和25年8月29日,法改正によって国の重要文化財の指定となりました。観音様を信仰すると安産であるといわれ,県外や近隣の市町村から多くの人々が参さん詣けいに訪れています。長なが作さく観かん音のん堂どうどのようにして,巨木や豊かな自然が守られてきたのだろう。なぜ,「松姫峠」と名付けられたのかな。興味深い歴史がありそう。

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