ふれあい特集号vol.55(デジタルブック版)
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悔しさをバネに世界で戦える選手に成長一瞬を大切にきらめく やまなしのシュン! ホールドと呼ばれる突起物に手や足を掛けながら、全身を使って人工の壁を踏破する競技、スポーツクライミング。2020年の東京オリンピックの正式種目に決定したことで競技人口が急速に増え、人気、注目度共に高まっています。 女子高生クライマー 戸田萌希さんがクライミングを始めたのは6歳の時。登山好きの両親と一緒に、クライミングジムを訪ねたのがきっかけでした。「カラフルな壁がとても新鮮で、アスレチック代わりに、家族で遊びに行くという感じでした」と、あどけない笑顔で話します。 「9歳の時、初めて大会に参加しました。軽い気持ちで挑戦したのですが、驚くことに予選を1位で通過し、すごくうれしかった。でも決勝には進めず、ものすごく悔しくて『このままでは終われない、もっと強くなりたい』と思ったことが、大きな転機になりました」。それからは厳しい練習に耐え、大会にも積極的に参加するようになったという萌希さん。15歳で国内最高峰の大会の一つであるボルダリングジャパンカップで準優勝、2016年のアジアユース選手権でリードとボルダリングの2種目制覇と、国内トップ選手の仲間入りを果たしました。 「スポーツクライミングは、設定されたコースをいかに攻略するかが勝負の鍵です。壁を登り切ったときの達成感はもちろん、どう進むか考えることや体をどう動かすかなど、全てが面白いですね」と話す萌希さんからは、登ることが楽しくて仕方がない様子が伝わってきます。 2017年は日本代表に選出され、世界中のトップクラスの選手が集まるワールドカップにも参戦しました。「結果は出せなかったけれど、自分に何が足りないのかが見えてきて、次につながるいい経験ができました。東京オリンピックを視野に入れつつも、今は、年明け早々に始まるジャパンカップに集中しています。そこで結果を出し、代表権を得てワールドカップの舞台に立ちたいし、将来は、年7回開催するワールドカップ全てでコンスタントに結果が出せる『本当の強い選手』になりたい。そのためにも、今は目の前にある壁に集中し、一つ一つ攻略していきます」と語る萌希さん。その瞳の先には次に活躍するステージが映っています。ほまれふれあい17目の前の壁を制覇しさらなる飛躍を目指す休日は、家族やジム仲間と瑞牆山などへ行きトレーニングすることも多い。「岩を登る時は手や足を掛ける突起が繊細なので、大会とは違う独特の緊張感やスリルも味わえて楽しいんです」「リード」「スピード」「ボルダリング」の3種目があるスポーツクライミング。萌希さんが最も好きなのは、各コースごとに定められた制限時間内に幾つコースを登れたかを競う「ボルダリング」。壁を前に、頭でイメージした通り、コースを見いだし攻略することに醍醐味を感じると言う「スポーツクライミングは、速さや技術を競う競技ですが、巨大な壁を前に、自分と対話しながら、どう気持ちを持っていくかということも大切な要素。そういう自分との闘いにも大きな魅力を感じています」と、世界に挑む手を見せてくれたみずがきだい ご み

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