50年のあゆみ
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山梨県消防学校創立50周年を迎えられましたことを心よりお慶び申し上げます。 平成14年4月、私は山梨県初の女性消防吏員として消防学校に入校しました。 ここが寮室だと案内されたのは、まだほんの少しペンキのにおいが残る真新しい一室で、入寮にあたり会議室であった場所を女性専用の寮室に改装していただいたと聞き、飛び上がるほど嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。 ただ1つ、窓のすぐ外は慰霊碑であったこと、国旗掲揚台のロープが田富に吹く夜風を受けてカランカランと大きな音を立てたことなど、私を恐怖の世界に誘うには充分な場所であったことも今となっては良い思い出です。 私にとって、もう1つの恐怖の世界は何といっても実技訓練です。運動神経も体力も十人並み、性格は至ってマイペースで負けず嫌いとは決して言えない、何をやっても29人中29番 の私に、同じ組の4人は、梯子リレーなどの競争で負けるたびに嫌な顔一つせず、連帯責任の腕立て伏せや訓練中には「頑張れ!頑張れ!」と何度も何度も励ましの声をかけてくれたりしました。消防学校での半年間を無事卒業し、今私が消防吏員として歩むことができるのは、教官の皆様と28人の同期のおかげであると感謝いたしております。 時代の変化に伴い、消防を取り巻く環境もめまぐるしく変化を遂げて行くことと思います。 母校の大学校歌にある「集まり散じて人は変われど 仰ぐは同じき理想の光」の一節と同じく、私たち消防吏員の使命や目的は、時を経てもなお変わることはありません。 最後に、山梨県消防学校での教育を基にこれからもよりよい山梨県の消防を築いていくことをここにお誓いいたしますとともに、山梨県消防学校が今後さらに充実し、ますます発展されますことを心よりお祈りいたします。 50周年に寄せて 平成14年度初任教育(第45期)卒業 甲府地区消防本部 小沢 夕紀 寄稿文 ‐46‐

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