山梨県のあらまし2023
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気品の中にやまなしの個性が光ります。日本クリスマスエリカピラミッドアジサイ山梨県の和紙の歴史は古く、奈良時代末の773(宝亀4)年の記録には、全国の紙の産地として甲斐の名が記されています。市川三郷町の「市川大門手漉和紙」と身延町の「西嶋手漉和紙」は山梨県郷土伝統工芸品に認定されています。山梨県では、洋ランやオリジナル花きなど気象条件や技術を生かした高品質な花が生産されています。12月に雪のような白い花を咲かせる「クリスマスエリカ」とともに、富士山のような円すい形の花や花色変化が特徴の「ピラミッドアジサイ」なども新たに注目されています。全国有数の印章の産地である山梨県では、文久年間に水晶のてん刻が始まったといわれています。印材には、水晶、つげ、水牛などを使用し、機械彫り以外に手彫りによる印章も多く作られています。手彫りの印章は「甲州手彫印章」として国の伝統的工芸品に指定されています。て す き山梨県は、宝石加工と貴金属加工が一体となった産地であり、研磨宝飾製品では、国内屈指の出荷額を誇っています。さまざまなジュエリーに加え、国の伝統的工芸品に指定されている「甲州水晶貴石細工」といった幅広い宝飾製品がそろっています。山梨県の織物は、独特の光沢や風合いで江戸時代より人々の心をとらえた「甲斐絹」をルーツとしています。現在、甲斐絹の技は婦人服、インテリア、裏地、傘地などに生かされ、ネクタイ生地では日本一のシェアを誇っています。江戸時代末期までに甲府城下を中心に生産が始められたとみられ、袋物として当時から庶民の間で親しまれていました。鹿革に独特の伝統技法を用いて漆加工したもので「甲州印伝」として国の伝統的工芸品に指定されています。山梨県郷土伝統工芸品である甲州雨畑硯は、材料の良さ、光沢の良さがたん世界的に有名な中国の高級品「端けい渓」に匹敵するとされ「和端渓」と呼ばれています。墨ののりがよく、優雅な使い心地のため、書道愛好家にも人気が高いものとなっています。か い き たんわけい32No.1No.1日本和紙花き印章硯ジュエリー織物(テキスタイル)印伝 技Yamanashi逸品

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