ページID:86184更新日:2018年6月1日

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知事臨時記者会見(平成30年5月31日木曜日)

特別会議室

10時00分から

 

発表事項

都留市立病院における分娩再開に関する共同記者会見について 

知事

今日は大変お忙しい中、山梨大学の平田教授、堀内都留市長には、わざわざ県庁までご足労いただきありがとうございます。本日、県、都留市、山梨大学と共同で、この会見ができることを、本当に嬉しく思います。今、司会からも話がありましたとおり、来年2月から都留市立病院での分娩再開が決まりました。これまで、長い間分娩取扱施設がなかった山梨県の東部地域での分娩再開を目指し、山梨大学に寄附講座を開設したり、学生の皆さま方に奨励金を交付したりして、産科医の確保に向け、共同で対応してきたところです。今回、山梨大学から、産科分娩に必要な産科医を確保し、派遣することができるというお話をいただきました。都留市も併せた三者で派遣医師数や再開時期を決めることができたことについて、大変嬉しく思います。また、8月から分娩の予約受付が始まるため、来月くらいから、妊娠の兆候がわかった方は、都留市立病院で受診ができるということもあり、共同記者会見がこの時期になったということについて、皆さま方にもご理解いただきたいと思います。

東部地域の分娩再開というのは、山梨県全体にも非常に大きくプラスになることです。今まで富士北麓地域の山梨赤十字病院と富士吉田市立病院に分娩が偏在していましたが、都留市立病院で再開できるということは、東部地域の多くの若いお父さんお母さんにとって非常に大きな朗報だと思っております。

これからも、山梨大学と連携しながら産科医の確保について対応し、本県の全ての地域で安心して分娩ができるという体制を目指すことは、日本一健やかに子どもを産み育むことができる山梨県づくりに大いにプラスになると確信しております。今までご努力いただきました、都留市長をはじめ都留市の関係者の皆さん、さらには山梨大学の平田教授を含めた関係者の皆さん、本当に両者の懸命なる努力があって、今日に漕ぎ着けたということを、県民を代表して心から御礼を申し上げるとともに、県民の皆さま方には、これからも本県の周産期医療の充実について、ご理解とご支援を賜ることを心からお願いし、御礼の挨拶にさせていただきたいと思います。本日は本当にありがとうございます。

都留市長

皆さん、改めましておはようございます。この度、平成31年2月より、都留市立病院におきまして産科分娩を再開することが公表できますことは、都留市民にとりまして大きな喜びであります。これもひとえに、山梨県並びに山梨大学の努力のおかげだと、心より感謝と敬意を表するところでございます。

また、長らく分娩施設がなかった東部地域住民にとりましても、大変大きな、素晴らしいニュースであると思います。そしてまた、知事が進められております、日本一健やかに子どもを育む山梨の充実につながるものと確信しております。

当市といたしましても、当病院における分娩の再開は、安全、安心して子どもを産み育てるための環境づくりには欠かせないものと、最重要課題のひとつとして位置付け、再開実現に向けた取り組みを継続的に行って参りました。平成31年2月には、万全の体制をもって分娩が再開できますように、引き続き山梨県並びに山梨大学の関係者の皆さまと、さらに東部地域の各市町村とも連携を図りながら、諸準備を進めていくつもりでございます。

ぜひ、多くの皆さまに都留市立病院でお産をしていただければ幸いと思います。今日はありがとうございました。

国立大学法人山梨大学教授

山梨大学産婦人科の平田でございます。

少し背景のことをお話ししたいと思います。山梨県における産婦人科医療を維持していくためには、どのくらいの産婦人科医が必要かというと、120人から130人くらいです。振り返ってみますと、ちょうど2001年には、産婦人科医が123人いました。この頃の産婦人科医の勤務環境は非常に厳しく、いろいろな社会的な問題があり、産婦人科医になる若い医師がとても減ってしまいました。現に山梨県では、2006年から2010年の5年間で産婦人科医になったのは5人、年平均1人です。100人から120人のグループを維持していくためには、年間3人から4人の産婦人科医が必要です。ですが、5年間で5人しか産婦人科医にならず、当時は非常に産婦人科医が少なくなりました。どのくらい少なくなったかというと、2011年に山梨県における産婦人科の医者の数は90人を切ってしまいました。

そうした背景が続く中で、あまりにも産科医の数が少ないと、安全安心な産科医療が提供できないため、どうしても県内の全てのお産をしている病院でお産を維持していくことができず、やむを得ず2008年の4月から都留市立病院でのお産をお休みさせていただきました。当時は都留市民の皆さんから、いろいろなご意見をいただきました。そういった意味で、非常にご不便とご迷惑をおかけしたことは、この場で改めてお詫びしたいと思います。しかし、その状況が決していいと思っていたわけではなく、あくまでもお休みしていただけで、何とか都留でお産を再開したい、そのためには産婦人科の医者を増やさなくてはいけないということで、どうしたら産婦人科医が増えるだろうかということを、山梨県とも協議しながら、ずっと進めて参りました。

先ほど、後藤知事のお話にあったように、山梨大学の医学部に県が寄附講座をつくっていただいて、そこで助産師や学生に教育をする教員を増やし、教育に力を入れるということを、この10年間やってきました。また、卒業して2年間の初期研修医たちにも産婦人科のおもしろさを分かってもらうため、とにかくこの10年間教育に力を入れてきました。例えば数学が嫌いな学生は数学を勉強する必要がないと思っていますが、勉強すれば好きになる子は多いです。産婦人科も、元々医学の中ではなかなか勉強していないところであり、産婦人科があまり好きでない医学生が多かったのですが、そうした人たちに教育をすることによって、産婦人科のおもしろさを分かってもらうということをずっとやってきました。

結果として、2011年から今年の2018年までの8年間で、県内で産婦人科医になってくれたメンバーは、全部で23人。目標としていたのは年平均3人で、少しだけ少ないですが、そうした数の産婦人科医を確保することができました。これはひとえに山梨県の努力があり、県内の産婦人科医が皆協力して学生や研修医に指導してきたということが背景にあってのことです。

そうした中でやっと産婦人科医の数が増えて、現状で108人います。ですから、本来山梨県内で必要な120人台にはまだ達していません。さっき申し上げた年平均3人というのは、100人のグループを維持していくのに必要な数だと思いますので、今後とも山梨県のご協力を得ながら県内の産婦人科医の数を増やして、もっともっと安全で安心な産婦人科医療を県内全体に広げていきたいと思っています。

都留市立病院には、来年2月にお産の予定の方からお産ができるように、現在産婦人科医が1人、常勤で準備に入っていますが、来年には合計3人の産婦人科医に常勤で勤務していただいて、そこでお産を再開していきます。都留市民だけではなく、できるだけ東部地域の大月や上野原の方々、今大月から河口湖へ通ったり、上野原から八王子へ通ったり、あるいは八王子でお産をしたりという方も、都留市立病院に集まっていただいて、そこでお産をしていただくという体制をとっていければと思います。お産というのは危険と背中合わせですので、我々としては、県内病院と協力して、都留において安全で安心なお産ができるように努力していきたいと思っております。

最後に、堀内市長が度々大学にいらっしゃって、分娩再開についてずっと協議して参りました。そうした相談を踏まえて、安全安心なお産を再開していきたいと思いますので、ぜひ皆さま方、県民の方々にご紹介をお願いしたいと思います。

記者

県内の産婦人科医の数が2011年から2018年までの8年間で23人増えたというのは、全て山梨大学医学部の学生さんか、それとも外部からの方もいるのでしょうか。

国立大学法人山梨大学教授

23人という数は、医者になると2年間の初期研修、その後産婦人科では3年間の専攻医研修、昔は後期研修と言っていました。5年経過すると専門医という資格を取得する試験を受けることができます。その3年目の後期研修に入るメンバーが23人ということです。後期研修は、山梨県では全ての研修病院が協力して、統一のプログラムを作って実施しています。例えば、山梨大学に1年間、県立中央病院に1年、山梨赤十字病院に1年間という形で皆で協力して統一プログラムを組んでいます。23人というのは山梨県内で産婦人科の後期研修に進んだ方の数です。2人を除いては山梨大学医学部の卒業生で、山梨県の中で初期研修をした方です。

記者

都留市立病院での年間の需要、妊婦さんの見込みはどれくらいになるでしょうか。

国立大学法人山梨大学教授

過去のデータを振り返ってみますと、ちょうどお産を休止した時、10年前に都留市立病院でお産をしていた方は330人前後だったと思います。現在は、都留市民の方でお産をしている方の数が200人を少し下回っている状況です。10年前も、都留市民の方だけのお産をとっていたのではなくて、近隣の市町村の方にも来ていただいていましたので、350人くらいはいらっしゃったということになります。ただ、ご存じのとおり県内全体でお産の数は少しずつ減っています。なので、数をたくさん増やすというのではなくて、安全安心な産婦人科医療を提供できる体制をつくっていきたいので、まずは200人くらいのお産がとれるような体制をつくっていって、体制ができた次の段階で少しずつ数を増やしていくというように考えています。なので、需要ということで言えば、今お話ししたような数がひとつの目標値になります。

記者

2008年に休止された時のひとつのきっかけになったのが、常勤の麻酔科医の確保だったと思いますが、その後安心安全なお産の体制について、病院でどのような体制を構築した上で、今回の再開につながったといえるのでしょうか。

国立大学法人山梨大学教授

当時の都留市立病院でお産を休止した時に、麻酔科医の問題がありました。県内他でもお産をする病院がある中で、産科医療体制を安全に構築できるところを優先して対応していこうということを一つの判断材料にしました。妊婦さんにもローリスクの方、ハイリスクの方がいますが、当時の都留市立病院ではかなりハイリスクの妊婦さんまで手広く扱っていました。しかし、今回お産を再開するに当たっては、病院全体の体制を作り直さなければならないので、安全な産科医療を提供するために、まずはリスクの低い方を中心としたお産をしていこうと考えています。ではリスクの高い方をどうするかというと、現在も都留市立病院が外来をして、お産は山梨赤十字病院でして非常に緊密に連携しているのですが、これからもリスクの高い方については山梨赤十字病院で対応していこうと考えています。リスクの低い方の帝王切開ですと僕らが自分で安全にできますが、リスクの高い方ですと、とても産婦人科医だけでは安全な手術が提供できません。麻酔科の常勤医を確保していただいたわけではないので、まずはリスクの低い方を対象にして、安全な医療を提供していきます。ただ、そのリスクの低い方だけに限定するというのは体制が構築できるまでで、何年かかるか分かりませんが、10年前のようにリスクの高い方まで範囲を広げる際には、常勤の麻酔科医を配置していただく必要があるということです。

 

以上

 

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