ページID:81400更新日:2017年7月28日

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知事臨時記者会見(平成29年7月27日木曜日)

本館2階特別会議室

14時30分から

 

発表事項

知事会見写真

 総合球技場の整備とリニア環境未来都市の創造について

知事

急遽お集まりいただきまして、ありがとうございます。総合球技場の整備とリニア環境未来都市の創造につきまして、先ほど県議会に私自身の考え方をお示ししたところでございます。県民の皆さま方に対してもこの会見を通じて、発表させていただくことにさせていただきました。

まず、総合球技場の建設場所につきましては、本年4月に総合政策部内にリニア環境未来都市推進室を設置し、リニア駅前及び小瀬スポーツ公園周辺の2ヶ所の候補地につきまして、立地、整備・運営、機能の3つの視点からメリットや課題を改めて精査し、比較検討を行ってきたところでございます。検討結果の主なポイントとしては、まず、立地につきまして、アクセス利便性におきましては、新山梨環状道路東部区間の供用によりまして、両候補地の差異はほとんどなくなること。一方で、リニア駅前に総合球技場を建設した場合には、近接する駅舎との施工時期が重なる場合、総合球技場の建設工事に影響を及ぼすおそれがあること。

2つ目には、総合球技場及びその駐車場がリニア駅前の観光交流・産業振興エリアの6割以上を占め、本県の新たな玄関口にふさわしい、賑わいの創出、産業の振興等をプランニングする自由度が狭められることなどの懸念があるということであります。また、整備・運営につきましては、駐車場の整備に伴う用地確保における必要面積が、小瀬スポーツ公園周辺の方が、既存駐車場の有効利用により、少なくて済むとともに、用地全てを買収する場合には、リニア駅前の方が、小瀬スポーツ公園周辺に比べ概ね1.8倍の経費を要するということになります。

この検討結果については、今月10日から19日にかけて、地元の住民の皆さま方や企業の皆さまに(対して)案をお示しし、ご意見を伺ったところでございます。リニア駅前については、総合球技場の建設を要望する声が一部あったものの、物流への支障、セキュリティに不安があるなどの反対意見や総合球技場ではない、地域の活性化につながる施設の整備要望がございました。小瀬スポーツ公園周辺につきましては、自治会連合会として、山城地区に総合球技場の建設を強く要望する、などのご意見をいただいたところでございます。私としては、多面的な比較検討の結果や地元の皆さま方のさまざまな思いを総合的に勘案し、小瀬スポーツ公園周辺に総合球技場を建設することが適当と判断したところでございます。今後は、有識者の皆さま方のご協力をいただきながら、整備基本計画の策定を進めて参りたいと考えております。

この整備基本計画の中身は、これから当然、詰めるわけでありますけれども、施設の具体的な配置や規模、事業費、運営収支の算定等を盛り込む考えでございます。その際、一番大切な基本的な考え方は、県民の皆さん方の負担の最小化と利用の最大化ということを基本的な考え方にしていきたいと考えています。適正規模の検討や外部資金の活用等によりますイニシャルコストの低減を図るとともに、収益増に向け、太陽光発電やネーミングライツによる収入確保や、積極的な利用促進策を検討するなど、県の財政負担の軽減に意を用いて参りたいと考えております。また、今後の具体化に向けては、バリアフリーやユニバーサルデザインにも十分配慮し、子供からお年寄りまで、障害の有無にかかわらず、誰もが利用できる「県民みんなの球技場」を目指して参りたいと考えています。こうした取り組みに加え、小瀬スポーツ公園全体のさらなる有効活用方策も併せて検討を行い、本県のスポーツの聖地として、さらなる高みを目指して行きたいと考えています。

続きまして、リニア環境未来都市につきましては、現在、周辺市町におきまして、都市計画マスタープランの改定作業に着手するなど、10年後のリニア開業に向けて確実に動き始めているところであります。県としても、こうした市町の取り組みと密接に連携を図りながら、リニア駅周辺におけるコンベンション機能等を有する交流施設、産業振興に資する施設などの整備につきまして検討するとともに、本年3月に策定いたしました整備方針に基づく駅近郊のまちづくりを積極的に推進することとし、まず、都市計画やまちづくりが専門であるアドバイザーを招聘し助言を頂く中で、有識者や民間事業者とも連携した体制を構築し、地元意見も丁寧に伺いながら、具体化に向けて検討を進めて参りたいと考えております。さらに、リニアの開業を新たなライフスタイルの展開や産業・経済の持続的な発展、観光の振興につなげるため、官民が一体となって、リニア中央新幹線の開業効果を最大限に生かし、県内全域に波及させる推進体制のあり方について、具体化を進めていきたいと考えています。今後とも、総合球技場の整備、並びにリニア環境未来都市の創造に向けては、県民の皆さま方に丁寧に説明しながら、推進して参りたいと考えております。

記者

いくつかお伺いしたいと思います。最後の言葉で県民の皆さまに丁寧な説明とありましたが、まず、(全員協議会の中で)県議会議員の一部から建設ありきという言葉もありましたけれども、建設そのもの自体について県民の方にコンセンサスが得られているとお考えになっているのかどうかということを1点お伺いしたいのですが。

知事

建設整備につきましては、昨年12月22日に総合球技場の検討委員会、座長であります佐々木(邦明)委員長から、私に直接6回の検討の取りまとめについて、お示しいただきました。その際に、この総合球技場の将来の姿というのは、整備することが目的ではなく、これからこの球技場をどう地域に生かして、地域の発展に貢献する施設として運営・利用することが最も重要であるというお話を直接頂きました。それを踏まえて、佐々木委員長から本県のシンボルとして山梨ならではの魅力に満ちた施設が早期に整備される願いを込めて検討委員会としての報告をいただいたところであります。それ以降、ご案内のとおり地域の説明会を3月中に一巡し、そして先ほどもお話ししましたように、4月に総合政策部内に(リニア環境未来都市)推進室をつくり、今までの要望を、また、両地域のメリット、デメリットをさらに精査した中で、比較検討し、今お話をさせていただいたようにリニア駅前は自由度をこれからもっと高めていくべきだということと、小瀬周辺の方がより財政的な部分で有利であるということを総合的に判断させていただいた。併せて地域の皆さん方の声も、小瀬周辺が地域全体で応援していただけるということが判断の大きな材料であります。併せて少し長くなって恐縮ですが、総合球技場の検討委員会に先立って昨年の2月に「県営スポーツ施設整備の基本方針」というものを取りまとめさせていただきました。ご案内のとおりスポーツ施設は、県営スポーツ施設だけではなく、市町村の施設、並びに民間の施設と3つあるわけですが、特に県営スポーツ施設は、県民の皆さま方の税で事業化をするものでありますから、当然県民全体のプラスになる、そして、先ほどもお話ししたように財政負担ができるだけ少ないということが基本的な考え方であると思っています。特にご案内のとおり、小瀬の全体の施設は、先のかいじ国体から既に30年が経過をしています。かなり老朽化が進み、当然、毎年毎年優先順位を付けながら手を入れているものの、私は、甲府駅南口の整備もそうでありますけれども、30年に一度の大きな変化には、社会ニーズを踏まえることが基本だと思っております。そして、今回は、ちょうど障害者団体の皆さま方からも、やはりスポーツ施設整備においては、障害者の皆さん方と健常者、老若男女、多様な人々が集う空間スペースとしてデザインしてほしいというご要望をいただいております。それらを踏まえ、ユニバーサルデザインに配慮しつつ5年後、10年後を見据えて今回小瀬に、新たに建設することを決定しましたので、ご理解を賜りたいと思います。

記者

続けて、コンセンサスが得られているという、これまでの住民説明を通しても建設自体に理解を得られているし、その30年老朽化に関して、ある種必要性が来ている時だという理解ということになりますか。その上で、県議等からの6月の執行部説明会でもあったかと思いますが、建設費とかランニングコスト、運営費等の費用対効果の部分になるかと思いますが、大きな県費負担が懸念されている部分がありまして、今後それを明示していくというご説明でしたけれども、まさにその部分において改めて県民に対してどういう形で説明していくのか、建設自体に対する理解を得ていくお考えがあるのかお伺いしたい。

知事

先ほども一部の県議会議員の方からご指摘がありましたように、既存の中銀スタジアム、既存の施設を大改修すればいいのではないかということ。これの方がよりコストが低減するというご指摘もありましたけれども、むしろ大規模改修の方がコストが増嵩するという比較検討の結果があります。併せて先ほどお話ししたように建設する場合、県民の皆さま方からのいろいろなサポートが必要であります。特に後ほど細かくは担当からご説明させますが、リニア駅周辺であれば、いわゆるtotoの30億が上限の部分しか活用できないことになります。一方で、スポーツ公園の中であれば、これは上限の部分ですけれども、用地取得3分の1、(施設)建設の2分の1といういわゆる社会資本整備総合交付金というものが国の資金でも活用ができることになります。併せて吹田スタジアムでしたか。民間の皆さん方からもイニシャルコストの部分でご協力をいただいたという事例もあります。やはり直近の先行事例がありますから、そういう事例をイニシャルコストの部分、そして、運営の部分、フローの部分、それぞれをよく検討すること。そして、山梨らしさが佐々木先生達の検討委員会でまとめていただいた3つの視点のうちの大きな1つの視点でありますから、基本計画の前の整備構想をつくる際にも検討委員会の内容を参考にさせていただきながら早急に取りまとめ、さらに、県議会議員の皆さんからいただいた意見をこれから基本計画をつくるに当たって最大限反映していきたいと考えています。

記者

県民理解をどう得ていくかということに関して、理解を得たうえで、そのサポートが必要という話がありましたが、その負担について県民にも求めていくというか、その必要性を含めて理解を求めていくということでしょうか。

知事

吹田(スタジアムの建設)は、企業の寄付、個人からの寄付もあったと思います。県民負担というのは2通りあって、税という負担の部分と善意というか寄付という行為での負担の2つがあるので、少し切り分けて、どういうふうにこれから山梨全体で地域の活性化、地域の振興を図っていくのかという視点をスポーツ施設の整備基本方針も当然念頭においてまとめておりますし、総合球技場検討委員会でまとめられた報告書の中でも非常にウエートを置いていただいている部分です。それを当然踏まえた中で対応する。財政については、今まで私が就任してからは、県債等残高を計画的に削減しています。そういう意味では、これからも財政支出は急にどこかの年度で上がるのではなく、健全な財政というものを念頭に置き、なおかつ財政支出の平準化ということにも意を用いて全体の計画を作るということが私に与えられた責務でありますから、それは当然メインに考えながら県民負担の最小化と利用の最大化を目指して、フローの部分でもできるだけ収入が入るような工夫というものをこれから具体化していきたい。随時、基本計画がまとまったり、基本計画を具体化するため議論する場においていろいろなご意見をまとまった形でご報告したり、それを通じて県民の皆さま方にもご報告を随時していくことになっていくと考えています。

記者

県民の建設に対するコンセンサスが得られているかというところで、確かに住民説明会をして地元住民の方から要望が出るなどして建設場所の住民からのコンセンサスはある程度得られているという説明は分かりますが、山梨県民全体のコンセンサスというものはしっかり得られているのか。まだ建設費もランニングコストも具体的に分からないという中で、今後、またさらに、建設費やランニングコストを県民に何らかの形で確認して、本当にこれを建設するのかということをどこかで県民にもう一度確かめるお考えはありますか。

知事

後ほど必要な資料があればお示ししますが、昨年2月に取りまとめた県有スポーツ施設整備の基本方針の中で、総合球技場につきましては、次期国民体育大会までに整備した場合に競技会場として使用が可能であるとか、機能を最大限に発揮させるためには交通の利便性が高く山梨を象徴する場所が望ましいとか、平成26年に県民96000人から整備を求める署名が知事に提出されたとか、いろいろな観点を整理させていただいています。その上で総合球技場をどういう形で対応していったらよいのかということで佐々木先生が委員長の検討委員会にお願いし、取りまとめていただきました。一連の部分では、その時点時点でのコンセンサスは、10万人署名というのが前提になって、少し象徴的になっているかもしれませんけれども、今まで1年半かけて今年に入ってからも3月に集中的な2カ所の地域の皆さま方への提示、そして4月に入ってからの比較検討した結果の提示と、まず地域の皆さま方にご理解いただくための努力をしてきました。繰り返しになりますが、当然のことながらスポーツ施設というのはどこかのAというチームだけが使うということではなくて、幅広く高校生や中学生、いろいろな場面場面で使う。また、先ほどお話ししたユニバーサルデザインとか、健常者障がい者を問わず誰でもが使える施設というのは多くの障がい者団体からの強い要望があります。そういう諸々を含めて、ご要望やご提言をいただいているということを踏まえて、基本方針、そして検討委員会の報告、そして地元の説明会、そして、これから予算化、事業化に向けて、その大前提となる精査を有識者により高い専門性を生かして行い、これからの運営費用、整備費用というものを基本計画の中で具体化していく。その都度、また県民の皆さま方には報道を通じて、また県のホームページなどの媒体を通じてご報告しながら理解を求めていくことになります。

記者

こういう施設を造るときには、高速道路とか道路でも需要予測というものを粗々出すものもありますが、今回のケースについては需要予測はどのように見積もられていますか。

知事

現時点での需要がどうあるのかということは現状の小瀬の利用の部分、他の類似施設、最近造られた施設など、現状の利用状況と他県事例がございますから、そういうものをベースに、今まで利用ができなかった、たとえば高校生のサッカーやラグビーとか中学生のサッカーとかの利用をプラスして全体像を出したうえで基本計画を策定する委員会のご議論の中で数字等の精査はこれから検討していくということになると思います。

記者

冒頭でも総合球技場の整備を県民に丁寧に説明したうえで進めていくとおっしゃっていましたが、なぜ、総合球技場が必要なのかという整備に対する知事の思いを改めてお伺いしたいと思います。

知事

基本的には、先ほどもお話ししましたように今のメインスタジアムは基本的には30年以上前のかいじ国体の際に出来ているスタジアムということ。さらには平成26年に、前知事の時代になりますが、10万人署名が集まったという大きなうねり。さらには、健常者障がい者を問わずユニバーサルデザインという視点をこれから計画的に整備する際の大きな視点として必要だということで、今回小瀬に整備するという判断をさせていただいたということです。

記者

先ほどの知事のお話の中で大規模改修の方がコストがかかるとおっしゃっていました。ただ、仮に総合球技場を新設して総合球技場と中銀スタジアムの2つになった場合に対して運営費を県費で投じるという部分が出てくると思いますが、長期的な視点に立ったとしても、新設の方が安いと言い切れるのでしょうか。

知事

先ほどもお話ししたように具体的な数字的な精査は、基本計画を策定する際にすることになろうかと思います。現状の中でこの4月から3カ月かけて庁内で検討した結果では大規模改修する方がコストが増嵩すると比較検討の結果が出たということも含めて判断したということでご理解いただければと思います。

記者

今後の整備スケジュールに関してですが、今後、基本構想に盛り込まれると伺っているのですが、いつ頃をめどに知事の念頭におかれる完成時期とか、その前段になる基本計画をいつまでに。先ほどの全員協議会でも話題になったと思いますが、目標時期、策定時期、完成時期のスケジュールをどのように考えていますか。

知事

最終的な出口は、基本計画を作る際に、特に財政支出の平準化とか、諸々の合意形成というものも当然あると思います。9月議会には、この基本計画をご議論していただく有識者の皆さん方による検討委員会を設ける費用を計上していきたいと考えています。まだ、今、私の思いですから、9月に委員会費用が予算計上できれば、その後、具体的になっていくと考えています。

記者

そうすると、現状では基本計画は年度内に策定できるとか、その辺りは。

知事

そこは、どこまで、今お話があったようなことを、さらには先ほど県議会議員の皆さま方からご意見があった部分も踏まえて、資料等の整理をどこまでできるか。まだスタートができていませんから、出口を今言うことは適当ではないので、また、しばらくしたら検討状況を踏まえて、皆さん方にご報告を申し上げたいと思います。

記者

最初の質問で、完成を知事としては何年後とか、平成何年に施設を稼働させたり運用を始めたりする目標は現状であるのですか。

知事

今、その時期を言うのは、基本計画策定の検討に影響を与えてはいけないと思います。基本計画を作る際のいろいろなご議論のテーマになってくるのではないかなと考えています。

 

以上

 

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