ページID:84261更新日:2018年2月19日

ここから本文です。

知事臨時記者会見(平成30年2月9日金曜日)

本館2階特別会議室

13時15分から

 

発表事項

株式会社キーテックの合板工場整備計画に関する共同記者会見について 

知事

本日は、たくさんの皆さん方に御理解をいただきながら、キーテックさんが身延町に工場を新設していただけることを本当にうれしく思っています。2年前に「やまなし森林・林業振興ビジョン」を取りまとめて、「材」、「エネルギー」、「場」という3つの視点で、これからの山梨県の木材産業を育てていこうというビジョンづくりをさせてもらいました。その中でも「材」としての活用が大きな懸案でありました。

山梨県では現在7割の木材がチップ用に販売されています。キーテックさんは、20万立法メートルの木材を生産する山梨県で、今回の工場がスタートすると、約3割の6万立法メートルを県内調達していただけるとの計画です。合板で丸太を使う場合は、1立法メートルで大体1万円です。一方、チップ用の丸太が大体半分の5,600円くらいですから、木材の生産金額が倍に増えていくことになります。そういう意味では、林業関係者の皆さんの所得向上や、工場の新設ですから、雇用という部分に大きく繋がると確信していますし、林業・木材産業の成長産業化に大いにプラスになると思っています。

親会社のJKホールディングスさんも御理解をいただいて、今回の補正予算、今日の午前中に公表させていただいた強い木材産業づくりの21億円を合板製造ラインの機械設備導入に助成する、林野庁からの交付金を計上させていただいて、対応を進めることになります。併せて、産業労働部の視点から申し上げますと、去年の秋決定をしました、地域未来投資促進法に基づく計画を今後、キーテックさんに具体化していただくことになります。この部分で言えば、中部横断自動車道のインフラを使った初めての認定ということに繋がっていけるように、今、キーテックさんとご相談をさせていただきながら進めております。計画が認定されると、不動産取得の減免措置の支援等が受けられることになりますので、県としても最大限に対応させていただきたいと思います。

いずれにしましても、今回の決定は、本県、林業・木材産業を大きく発展させるそのベースになる施設だと県としても大変うれしく思っていますし、今後、具体化する際は更に身延町さん、キーテックさん、JKホールディングさんと力を合わせて、峡南地域、そして山梨県全体の大きなベースになれるよう最大限努力をしていきたいと思います。私からは以上でございます。ありがとうございます。

身延町長

本日の株式会社キーテック様、また親会社でありますJKホールディングス株式会社様における合板工場整備計画発表にあたり、山梨県峡南地域中核工業団地の所在町を代表して御挨拶を申し上げます。さて、整備計画をされている工業団地では、平成22年度より、ユニプレス株式会社山梨工場様が操業を停止し、現在に至っております。県の御協力をいただく中で、この度、民間企業による協議が整いまして、株式会社キーテック様には、身延町に生産の拠点を整備していただく運びとなりました。

御存じのとおり身延町を取り巻く峡南地域は、山梨県を代表する林業地域でありまして、本町の面積の8割が山林でもあります。株式会社キーテック様は合板製造を手掛ける日本でも優良な企業であり、地元への雇用の創出や経済効果などにより身延町はもとより、峡南地域への活性化が図れるものと期待しているところであります。今後の工場整備には、身延町も全面的に協力する所存でありますので、早期の操業に向けて、お取り組みをいただけますようお願いを申し上げまして、挨拶といたします。ありがとうございました。

JKホールディングス株式会社代表取締役社長

JKホールディングスの青木でございます。当社は、住宅建材卸売の業界の中ではトップクラスの売上を誇るジャパン建材という会社を中核にしまして、合板・木質住宅建材の製造及び販売を行うキーテック等をグループ会社に有し、住宅関連業界に幅広く事業展開する東証1部上場のホールディングスカンパニーであります。

当社は、環境問題を経営の最重要課題の一つにしています。木材資源を有効に活用し、循環型社会を構築することで、CO2削減や地球温暖化の抑制に貢献できると考えております。今般、グループ会社のキーテックが山梨県身延町に進出する機会を得られたことは、当社の経営方針に沿った環境配慮型のビジネスを構築でき、社会にも貢献できるものと大変喜んでおります。この進出の背景につきましては、キーテック社長の中西より御説明させていただきます。

株式会社キーテック代表取締役社長

あらためましてキーテックの中西でございます。当社は、今年創業60周年を迎える合板、LVLの製造会社でございます。最初は東京の晴海に、次に埼玉の八潮に合板の製造工場を建設いたしましたが、約35年前の1982年に現在の千葉県の木更津に新しい工場を設けまして、そこに合板の製造工場を集約し、新たにLVLの製造工場を新設して、主に外材、輸入材を原料とする港湾型の合板、LVL製造工場を運営してきております。

昨今、主原料になります輸入材の中で、とりわけ南洋材が現地の伐採規制あるいは環境に配慮する必要があるという前提で、非常に調達に不安がある、それが顕在化してきたということで、当社としましても、国産材の利用を増やすという方針でここまで進めてきております。日本の合板とLVLのマーケット自体も、そういった原料の供給、あるいは環境問題等々考慮されて、どんどん国産材を原料とする製品に変わってきているというのが実態であります。そういう中で当社も更に国産材を有効に使った製品をつくれないかということで、検討を重ねてきました。

そんな中で今回、更に国産材を手に入れ易い内陸部で、更に輸送が容易である、更にはキーテック、当社が今まで得意とする大消費地の関東圏のマーケットに近い、これらのことをいろいろ考えまして、更に現在使っている国産材の主な仕入れソースが、この山梨県、あるいは近隣の県である、若干でも知見のある場所であることを考慮しまして、最終的に山梨の身延町への進出を決定させていただきました。事業規模は年間6万8千立法メートルの合板を製造します。従業員は新たに約40名を雇用させていただきたいと思っております。投資金額は機械で約55億円、平成30年度に着工し、工事を進めて、平成31年度初めからは操業に入りたいと考えております。

地元密着の、地元に貢献できる工場・会社になりたいと思っておりますので、引き続き山梨県、身延町の御指導を賜りながら、新しい工場を運営して参りたいと思っています。今日はよろしくお願い申し上げます。

記者

先ほど知事が年間20万立法メートルで、そのうち3割の6万立法メートルと言っていましたが、いただいた資料だと原木消費量が年間12万立法メートルとなっていますが。

知事

これは会社で使う量です。今山梨県全体の木材生産量は20万立法メートルあって、6万立法メートルの県産材を使っていただくので、今の総生産量のうちキーテックさんに使ってもらうのが3分の1の6万立法メートルということです。

記者

そうすると、キーテックさんの方から見ると、12万立法メートルの半分が県産材という認識でよろしいですか。

株式会社キーテック代表取締役社長

はい。

記者

引き続きキーテックさんにお伺いします。従業員40人というのは、地元採用ということでよろしいですか。

株式会社キーテック代表取締役社長

基本的には地元で採用させていただきたいと思っております。

記者

続いて知事にお伺いします。今回、雇用の面とか、産業、林業発展のためになる大きな工場ができるということですが、オリンピックに向けても県産材の利用が予定されていますけれども、今回は、オリンピックとの関係性というところはあるのですか。

知事

キーテックさんの工場進出は、直接、オリンピックには関係しませんが、オリンピックに前後した中部横断道の整備ができるという前提で、先程中西社長がおっしゃったように、いろいろな適地から、今までのお仕事で縁が深く、中部横断道ができることで、流通、運搬でも利便性が高まる等々の理由から山梨を選択していただいたと、身延町内のユニプレスの跡地が、特に下部温泉早川インターから降り、橋をわたって2、3分もかからずに行けてしまうところが、キーテックさんの決め手になったものと思っています。

オリンピックとは別に31年からの本格稼働ということですから、当然、関係するところは若干出てくるかも知れませんが、それはそれとして、カラマツを主体とした例の新国立競技場の屋根の部分とか、FSCを活かした部分、材が未決定の施設に対しては、売り込み活動は当然してまいりますし、キーテックさんの材としての利活用が、山梨県でより一層加速します。

特に単価の面で合板用の材とチップ用の材とでは倍近く違うという現実がありますから、今まで県外に出していたものが県内で、尚かつキーテックさんのところで合板用に売れる。これは民・民のことなので、いくらかということは言えませんが、少なくとも所得向上に繋がり、新たな雇用にも繋がる。それを通じて、山梨県全体の林業・木材産業が成長産業になっていき、また、峡南地域の活性化にも資する非常にいい循環になってきた、そのキーとなる土台を、キーテックさんがつくっていただいたので、非常にうれしく思っています。

記者

合板をつくるということですが、どういう物に使われる合板を予定しているのでしょうか。木材の調達というのは身延町内だけに限るのか、それともどういうところから、どんな木材を調達されるのでしょうか。

株式会社キーテック代表取締役社長

最初の質問ですが、今回つくる合板の主用途は、構造用合板という住宅用の構造部材に使われるのが1つ。更に将来的には、派生した商品としてフローリングの基材としての活用も視野にいれています。2つ目の質問の、調達する木材についてですが、従前、私どもの千葉の工場では、山梨から主にカラマツという樹種を買わせていただいています。今度の工場でも引き続き、このカラマツを一部使いながら、メインはアカマツとスギというふうに考えております。山梨県の木材の樹種を詳細には存じ上げていませんが、アカマツの有効利用というのが1つの懸案事項であると聞いていますので、そういう意味では有効活用させていただけるのではないかと思っています。

記者

55億円を投入して整備していくとのお話だったと思いますが、資料を見ると、ユニプレスの工場がまだ残ったままです。建物自体を建て替えるのか、工場の建物を活用しながら、中をつくっていくのでしょうか。

株式会社キーテック代表取締役社長

今申し上げた55億円というのは、想定される機械代金ということです。それ以外に土地・建物の購入代金が付加されて、この辺は最終の調整がユニプレスさんと済んでいませんので、ここでは差し控えさせていただきましたけれども、その金額に付加させていただきます。基本的には今建っている建物を有効に使わせていただいて、一部増改築するということです。

記者

先程、知事から話のあった補正予算の21億円はこの55億円のうちの21億円を県として出すのでしょうか。キーテックが山梨に進出してくれたことで、その後、木材調達とかの安定供給等の協定を結ぶのかについて、県としてはいかがでしょうか。

知事

まず、今日の補正の3番目、合板・製材・集成材生産性向上・品目転換促進対策交付金のうちの21億円余がキーテックさんの機械設備の導入で、国からきたものを交付金としてお渡ししますが、55億円のうち21億円が交付金となります。

協定等は当然、森林組合とかいろいろな方に6万立法メートルを念頭において、原料調達を合板用でお願いすることから、森林組合の方々等との合意形成や、またキーテックさんが今までお付き合いしていない地域の皆様方に説明会などで、県も身延町さんもいっしょに取り組むといったことを含めて、上手に広げていかなければと思っております。安定供給の協定も必要に応じて、どの組合と結ぶのかは別としても、支援体制そのものは工場の稼働までに、また稼働後も含めて、山梨の3割近い原木を取り扱っていただけることから、尚かつ、生産者・林業者の皆さんにとっても、より良い値段で合板用の丸太が販売できる、もちろんお互いにウィンウィンでなければ持続可能ではありませんから、そういう意味では協定の説明会等もしっかりと協力しながら対応していきたいと考えています。

記者

身延町の工場でつくられる製品が6万8千立法メートルとありますが、本社全体の中で大体何割くらいにあたるものなのですか。

株式会社キーテック代表取締役社長

今、千葉の方で生産しているのもこれに近い数量。それと一部海外で、OEMでつくっていただいている数量もこれの半分くらいということで、全体でいきますと12から13万立法メートルのうちの6万8千立法メートル。こういった感じとなります。

(OEM:キーテック社ブランドの商品《合板》を提携工場で生産)

 

以上

 

ページの先頭へ戻る

このページに関するお問い合わせ先

山梨県知事政策局広聴広報グループ 
住所:〒400-8501 甲府市丸の内1-6-1
電話番号:055(223)1336   ファクス番号:055(223)1525

同じカテゴリから探す

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

このページを見た人はこんなページも見ています

県の取り組み

pagetop