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更新日:2011年11月30日
平成二十三年十一月定例県議会の開会に当たり、提出致しました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
「まもられてるから まもりたい」をテーマとする恩賜林御下賜百周年記念事業は、三月十一日の記念式典を皮切りに、親子三代による記念植樹、森林サミット開催などの記念事業を実施してきたところでありますが、今月十三日に、天皇陛下の御名代として皇太子殿下の御臨席を仰ぎ、コラニー文化ホールで開催した記念大会をもって、成功のうちに終了致しました。
大会当日は、本県森林・林業における功労者や恩賜林保護団体の代表など約千八百名の参加の中、皇太子殿下から「これからも、恩賜林が人々のための森林として、大切に守り育てられることを願います」との天皇陛下のおことばをいただき、また、子ども達によって森づくり宣言がされました。
これを機に、改めて恩賜林の恵みに感謝するとともに、県民の皆様とともに恩賜林をはじめ山梨の森林を末永く守り続けていく決意を新たにしたところであります。
ここに至るまでに、県議会議員各位をはじめ、多くの関係者の皆様に多大な御協力をいただいたことに改めて御礼申し上げます。
さて、我が国経済は、東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にある中で、緩やかに持ち直しているものの、先行きについては円高の長期化や海外経済の減速などによる下振れリスクに警戒感が示されております。
県内景気についても、全体として持ち直してきているものの、そのペースは緩やかになっている中で、機械電子産業の一部では生産水準が下がるなど中小企業は依然として厳しい状況におかれていることから、今後も、地域経済の実情の把握に努め、必要に応じて迅速に対策を講じていく所存であります。
雇用対策については、従来の緊急雇用創出事業とふるさと雇用再生事業に加えて、被災者や新卒未就職者の方々の追加雇用に鋭意取り組み、県、市町村合わせて、十月末までに二千四百七十八人の雇用を創出し、雇用を下支えしているところであります。
しかしながら、景気の先行きへの警戒感から、企業が求人を手控えているという現実もあり、来春卒業予定の県内高校生の就職内定率が九月末時点で過去最低の三十七・六パーセントとなるなど、新規卒業予定者の雇用情勢は非常に厳しい状況にあります。
このため、県内企業を訪問して実施していた高校生の採用拡大の要請を、これまでの百十社に加えて更に五十二社に対して行い、今月中旬までに昨年度を大幅に上回る二百六十二人の求人枠を開拓したところでありますが、山梨労働局や県教育委員会と連携を図り、今後とも、積極的に就職支援に取り組んで参ります。
また、中小企業の資金繰りについて、商工業振興資金における現在の資金需要は比較的落ち着きを見せているところではありますが、年末及び年度末に向け、引き続き資金需要等の動向を注視して参ります。
更に、本格的な復興予算を盛り込んだ国の三次補正が、過日成立したところであります。
この補正予算は、被災地向けの復興対策のほか、全国的な防災対策や円高対策、雇用対策なども含んでいることから、その具体的な内容について鋭意情報収集に努め、可能であれば、今定例県議会に追加提案を行うなど機動的かつ弾力的に対応して参りたいと考えております。
次に、全国的に水害や土砂災害などの被害をもたらした台風十二号、十五号等は、本県にも記録的な大雨をもたらし、土砂崩落や路肩の崩壊などの被害が千十箇所で発生致しました。
これらのうち応急工事の必要な箇所については対応が終了し、既に本格的な復旧工事に一部着手しておりますが、被災状況を踏まえると、既定の予算を超える対応が必要であります。
また、国が東日本大震災対応のために行っていた公共事業の執行留保が、全国的な防災、減災対策を進めるため、十月には解除となりました。
こうしたことから、台風等による被災箇所の早期復旧に必要な経費を追加補正するとともに、災害に強い地域づくりを進めるため緊急防災、減災対策を実施することとし、今定例県議会に関係の予算を提出しております。
なお、防災体制の見直しについては、県庁としての防災施策を盛り込んだやまなし防災アクションプランの見直し案を九月に公表したところであり、本県防災の総合的な計画である地域防災計画については、地震部会や富士山火山部会等での検討を踏まえ、年内を目途に、関係機関で構成する県防災会議で修正を行うこととしております。
次に、放射性物質については、文部科学省が実施した航空機モニタリング広域調査の結果が、過日公表されたところであり、本県の放射線量率は、大方の地域で〇・一マイクロシーベルトを下回っているという結果でありました。
一部の地域において、〇・一から〇・二マイクロシーベルトの地域が点在しておりましたが、これらの地域について、文部科学省では、花崗岩に含まれるカリウムなど自然界に由来する放射線の影響が考えられるとしていることから、これまで県が実施してきた大気や水道水、主要農畜産物の調査結果などを加味しますと、本県のほぼ全域において、放射性物質に関する安全性が確認されたものと考えています。
また、都県境の雲取山付近の山間部において、〇・二から〇・五マイクロシーベルトに区分される、やや高い放射線量率と放射性セシウムの沈着が検出されたことを受け、丹波山村では、空間放射線量率と水道水の再調査が行われました。
調査の結果は、地域住民の生活区域においては、大気も水も安全であることが再確認されるとともに、雲取山登山道では、最も高い地点においても〇・二五六マイクロシーベルトであり、登山道は長期間滞在する場所ではないことから、登山による身体への影響はないとされたところであります。
県と致しましても、大気、水、県産農畜産物等について引き続き検査を実施し、県民の安全・安心の確保に努めて参りたいと考えております。
次に、当面する県政の課題について申し上げます。
先ず、リニア中央新幹線の早期実現についてであります。
昭和四十八年に全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画路線となった中央新幹線は、本年、実に三十八年の歳月を経て整備計画路線に格上げされました。
建設主体に指名されたJR東海が、東京・名古屋間の概略ルートと駅位置を発表するなど、歴史的な転機を迎えています。
リニア中央新幹線は、我が国の交流や産業経済の発展を一層促進させるなど大きな波及効果をもたらすことが期待されており、本県にとっても、観光産業の振興をはじめとする様々な経済効果を創出し、暮らしやすさ日本一の県土形成に大きく寄与する社会基盤となることが期待されます。
こうしたリニア中央新幹線開業のメリットを最大限活用し、本県活性化の起爆剤としていくためには、県全体の活用、発展に資する観点から、本県にとって最も望ましい位置に中間駅が設置されることが必要であります。
本県内の中間駅の位置につきましては、長年にわたり四つの圏域から設置要望がありましたので、各圏域協議会をはじめとする多くの関係者と協議を重ねて参りました。
その結果、具体的な位置は、高規格道路との結節性や用地確保の容易性などから、甲府市大津町周辺が県民にとって使いやすく、本県全体の発展にとって最適な場所であると判断し、今月二日に開催したリニア中央新幹線建設促進山梨県期成同盟会臨時総会において説明し、満場一致で御理解を得たところであります。
これを受けて、過日、JR東海に対して県民の総意として、当該箇所へ駅を設置するよう要請致しました。
また、リニア中央新幹線の早期実現に向け避けては通れないもう一つの懸案は、中間駅の建設費用負担の問題であります。
JR東海の考えは、地元には税収など様々な開発利益が見込まれるため、中間駅の建設費用は受益がある地元で全額負担すべきというものでありましたが、私は、駅の利用促進のために地元にはアクセス整備をはじめとする駅周辺整備に大きな負担が生じることから、鉄道施設としての駅の部分は鉄道事業者であるJR東海が全額負担すべきとの考えを一貫して主張して参りました。
中間駅の費用負担問題は、沿線各県で共通する事柄であることから連携して交渉してきたところ、先日、JR東海は、中間駅設置予定六県との協議の場において従来の考え方を転換し、鉄道施設として必要となる設備を備えた駅の建設費用は、全額同社が負担することを表明しました。
これは、本県の考え方と一致するものであり、リニア中央新幹線の早期開業に向けて、大局に立った判断がなされたものであると高く評価したいと思います。
今後は、JR東海に協力してリニア中央新幹線の早期完成に努力するとともに、新駅に求められる機能や規模、県内主要拠点とのアクセス整備などについて検討を進め、リニア中央新幹線開業のメリットを最大限活用できるよう取り組んで参ります。
また、リニア中央新幹線は、実現に向けて新たな段階に入ったことから、より一層の気運醸成、普及啓発に取り組んでいく必要があります。
リニア実験線の走行試験については、平成二十五年度末頃に営業線仕様での再開が想定されており、これに伴って、リニア普及啓発の核である県立リニア見学センターへの来場者は、大幅に増加することが見込まれます。
このため、見学センターの魅力を一層向上させる必要があると考えており、役割を終えた実験車両の実物を展示することができないか、国土交通省、鉄道総合技術研究所など関係機関と協議して参りましたが、今般、平成十五年に世界最高記録である時速五百八十一キロメートルを記録した先頭車両を無償で借り受けることができました。
今後、地域の観光拠点ともなるよう車両の展示方法をはじめ施設内容の検討を進め、より誘客効果の高い、魅力ある見学センターとなるよう、平成二十六年度早々の完成を目標に再整備して参ります。
次に、おもてなしのやまなし観光振興条例の制定についてであります。
本県を訪れる方がやすらぎと感動を覚え、再び訪れたいと思う魅力ある地域づくりを進めることにより観光振興を図るため、観光関係団体や有識者等からなる条例検討委員会において、本県の観光振興の方向性等について検討をいただいて参りました。
この検討を踏まえて、今回提出致しました条例案では、県民等が地域に対する理解と関心を深め、誇りと愛着を持ち、おもてなしを実践することが重要であること、県民総参加による取り組みを推進していくことなどを基本理念とするとともに、山梨ならではのおもてなしの推進、多様な観光の推進、外国人旅行者の来訪の促進等の基本的な施策や、観光振興計画の策定等の推進体制等の整備を進めることとしております。
また、おもてなしの重要性に対する県民等の理解と関心を深めるため、毎年二月一日から七日までの間をおもてなし推進週間と定め、明年二月には、県民大会の開催や街頭キャンペーン等を行い、県民総参加でおもてなしの推進に取り組む気運の醸成を図って参ります。
次に、「富士山の日」の制定についてであります。
富士山世界文化遺産登録への取り組みについては、今後、文化庁からユネスコへの推薦書が明年二月一日までに提出され、明年夏から秋頃に実施されるユネスコの諮問機関イコモスの現地調査を経て、平成二十五年夏には、ユネスコ世界遺産委員会による登録可否の決定がなされる見込みであります。
世界文化遺産登録実現のためには、静岡県との連携を更に深めるとともに認定NPO法人「富士山を世界遺産にする国民会議」等と連携して国民運動を盛り上げていく必要があります。
こうしたことから、二月二十三日を「富士山の日」として制定し、これを契機として、明年二月二十三日には記念式典を開催するなど、世界文化遺産登録を実現する国民運動を盛り上げるとともに、日本の象徴である富士山の自然、景観、歴史・文化を末長く後世に引き継いでいくための取り組みを更に進めて参ります。
次に、クリーンエネルギーの導入促進についてであります。
本県の未利用県有地を活用して誘致することとしたメガソーラー発電所については、十月中旬より民間事業者の企画提案を募集してきたところ、四件の提案応募がありました。
先日、外部の有識者等からなる選定委員会において提案内容の審査を行った結果、十分な事業実行能力を有するとともに、発電収益の一部を県に納付し、資材調達や下請工事を地元企業に発注するなど、地域貢献度の高い提案のあった三井物産など三社で構成する連合体を、事業者として決定致しました。
年内には覚書の締結を行い、県有地の荒造成の完了が見込まれる明年六月には、土地の貸借契約を締結した上で、事業者によるメガソーラー発電所の整備を進めていく考えであります。
今回の誘致は、再生エネルギーを全量固定価格で買い取る特別措置法の成立後、自治体誘致で全国初となるものであり、これは、日照時間の長さなど本県の地域特性が高く評価されたものと考えております。
また、内陸部では国内最大規模となる米倉山太陽光発電所につきましても、年内には太陽光パネルの設置が完了し、明年一月末には運用開始を行うとともに、並行して整備を進めているPR施設につきましても、明年一月二十八日から一般公開を予定しています。
次に、林業公社の見直しについてであります。
林業公社の経営は、木材価格の大幅な下落の中で、これまでの森林整備に要した借入金を伐採収益で返済することが困難となり、現在の木材価格で試算すると、最終的には約二百八億円の債務超過が見込まれるなど極めて厳しい状況にあります。
県としては、これまで、常任委員会をはじめ県議会において幅広い見地から御議論をいただくとともに、経営検討委員会での御意見も伺いながら、公社の改革について検討を進め、過日、県議会に改革プラン案をお示ししたところであります。
改革プラン案では、先ず、森林整備の方向性について、分収林の契約期間の終了により伐採する跡地において土地所有者が森林の再整備を行うことは困難な状況であり、これを放置すると森林の公益的機能に支障が生じることが懸念されることから、概ね五十年の伐期を七十年から九十年に延長した上で、繰り返しの抜き伐りによる広葉樹林などへの移行を促すこととし、適切な森林管理に努めていくことと致しました。
また、分収割合については、土地所有者の皆様に、今後、債務処理に多額の県民負担を伴うことや他県においても見直しを行っている状況などを御理解いただき、公社六十、土地所有者四十としている現在の割合を、公社八十、土地所有者二十に見直すことをお願いしていくことと致しました。
更に、分収林事業を公社がこのまま続けていくことは、公社の債務を更に増加させることとなることから改革を先延ばしせず、公社を廃止することが適当との結論に達したところであります。
廃止後の分収林は、県に移管し、県有林と一体的に管理して参りますが、土地所有者の皆様には、公社廃止の同意に加えて、分収割合や伐期の見直しについて御理解をいただいた上で契約変更を行う必要があることから、これに要する期間を五年程度と考え、廃止時期は平成二十九年三月を目標としております。
廃止の際には、最終的な債務処理に要する額を確定した上、県議会には、債権放棄等の御議決をお願いすることとなります。
今後、県議会の御意見をいただいた上で、年内に改革プランとして策定し、早急に推進体制を整備の上、明年の早期から実行に移して参りたいと考えております。
次に、道路公社の見直しについてであります。
道路公社につきましては、経済の停滞、高速道路の各種割引制度などにより、雁坂トンネル有料道路の通行台数が計画を大幅に下回り、料金収入が低迷しているため、建設資金借入金を償還できない状態がしばらく続く見込みとなっております。
このため、県議会や経営検討委員会の御意見をいただきながら、経営改善と財政支援の方向性をお示しするまでの間として、本年度は、償還金不足分について短期無利子貸付を行ったところであります。
経営検討委員会においては、外部発注業務の一括委託など維持管理費の削減による経営改善策を講ずることによって、三十年間の有料道路期間内で借入金の返済が可能である見込みとされたところであります。
一方、法令等の規定により、政府資金等の償還を有料道路期間よりも十年以上短い期間で行わなければならないことから、一時的に資金不足が生ずることへの対応については、公社の経営安定と有料道路期間内での着実な返済のため、県による長期の無利子貸付が適当との御意見をいただいたところであります。
こうしたことから、公社においては更なる経営改善に努めた上で、明年度より県からの財政支援を実施して参りたいと考えております。
次に、中小企業高度化資金の不良債権処理についてであります。
経営の破綻などにより貸付金の完済が見込めない中小企業高度化資金の不良債権については、平成二十年二月から株式会社整理回収機構に債権管理回収業務を委託し、担保物件の競売、連帯保証人からの徴求などにより回収を進めて参りました。
その結果、これまでに一定の成果を上げることができましたが、同機構を所管する金融庁の方針により、明年度以降は業務委託ができないこととなり、今後の不良債権の処理方針を定めることが必要となりました。
そこで、弁護士、公認会計士などの有識者からなる第三者委員会を設置し、回収状況などの検証と併せ、不良債権の処理方針について検討いただいて参りました。
先日、第三者委員会から、執り得る手段が尽くされているため、このまま回収業務を継続しても見込むことができる収入は限定的であり、委託料等、回収業務に必要な費用がこれを大幅に上回ることを踏まえると、県民負担を最小にする観点から、不良債権を譲渡する道を探ることが適当である旨の中間報告がありました。
こうした検討を踏まえ、県議会で御議論いただく中で、早急に今後の処理方針を定めて参りたいと考えております。
次に、廃棄物最終処分場についてであります。
北杜市明野町の環境整備センターについては、漏水検知システムの異常検知に伴い、廃棄物の受け入れを停止しておりますが、本年八月及び十月の二度にわたり、安全管理委員会で異常検知の原因や再発防止策を御説明した上で、現在、遮水シートの修復や調査箇所の埋め戻し等の復旧作業を進めているところであります。
また、今月中旬に開催された委員会で施設の安全性について概ね御理解をいただいたことから、今後、地元北杜市より御理解をいただいた上、できるだけ速やかに受け入れを再開して参りたいと考えております。
笛吹市境川町の一般廃棄物処分場につきましては、十月の市町村長会議において、県内全市町村が参加する一部事務組合を事業主体として整備する方向で、意向の確認がなされたところであります。
また、処分場の整備に向けた体制や事業内容等を協議するため、処理施設を有する市町村等で構成する検討協議会が設置され、この協議会においてより具体的な検討が進められることになりました。
現在、検討協議会では、組織体制や事業内容、費用負担のあり方など、明年度に事業着手することを目指した検討が進められており、県と致しましても、処分場整備に向けた協議が円滑に進むよう努めて参りたいと考えております。
次に、峡東地域の建設業者に対する指名停止措置についてであります。
県では、公正取引委員会から独占禁止法違反として排除措置命令を受けた峡東地域の建設業者三十六社を、指名停止等措置要領に則って十二箇月又は十五箇月の指名停止と致しました。
指名停止を行うに当たっては、指名停止が地域に与える影響について注視し、大きな影響が生じた場合には必要な措置を講ずることとして、経済や雇用に関して毎月調査を行い、注意深く観察して参りました。
こうした中、九月定例県議会において、指名停止が地域の経済や雇用に深刻な影響を及ぼしているとして、その期間の半減を求める請願が採択されたことを重く受け止める必要があります。
このため、県では、峡東地域の商工会、各業界・業種の企業等から聞き取り調査を行い、更に、地域の経済や雇用の現状及び指名停止業者の経営状況を客観的に検証するため、外部の中小企業診断士の指導の下での経営診断や金融機関からの聞き取り調査を行いました。
こうした調査では、対象業者のうちの相当数について、年末から年度末にかけて廃業や倒産の危険性が非常に高く、廃業や倒産が現実のものとなった場合、数十から百社の下請・孫請業者への深刻な影響が見込まれ、地域の経済・雇用全体に波及することが確認されたところであります。
また、山間部の多い峡東地域では、冬期における道路の除雪や凍結防止、災害発生時の緊急対応などの担い手となる建設業者の減少によって、住民生活への影響も懸念されるところであります。
これらのことから、今回の場合、指名停止等措置要領の「情状酌量すべき特別の事由」に該当し、指名停止期間の短縮はやむを得ないものと判断致しました。
この措置は、指名停止が、もはや談合再発防止の効果を超えて峡東地域の経済や雇用全体に回復困難な打撃を与えるおそれがあることから、これを避けるために講じるものであります。
一方で、多くの県民の皆様から、独占禁止法に違反する行為があったとされたことに対する厳しい意見や、指名停止期間を短縮すべきでないという意見が寄せられました。
県としては、今後、入札監視委員会の意見なども伺いながら、談合の防止に一層取り組んで参ることとしており、指名停止措置を受けた建設業者にあっては、こうした県民の厳しい声を真摯に受け止め、法令の遵守、企業倫理の高揚、地域社会への貢献、体質改善などに取り組み、社会的な責任を果たすことを強く求めるものであります。
次に、提出案件の内容につきまして御説明申し上げます。
今回提出致しました案件は、条例案九件、予算案四件、その他の案件九件となっております。
条例案のうち、主なるものにつきまして申し上げます。
先ず、県職員等の給与に係る条例の改正についてであります。
県職員、学校職員並びに警察職員に係る給与につきましては、去る十月三十一日、人事委員会から給料月額の引き下げ等を内容とする勧告がありました。
これを踏まえて、勧告に沿った対応を行うこととし、必要な条例改正案を提出致したところであります。
次に、山梨県議会議員の議員報酬の特例に関する条例の制定についてであります。
議員報酬の特例減額措置につきましては、県議会議長からの申し入れに基づき、昨年十二月一日から今月末までの一年間の臨時的な措置として実施して参りました。
こうした中、先日、県議会議長から人事委員会勧告の内容などを踏まえ、県議会としては特例減額措置を更に一年間継続するとの申し入れをいただいたことに鑑み、必要な措置を講じようとするものであります。
次に、予算案のうち主なるものにつきまして申し上げます。
先ず、職員の給与費等につきましては、既に申し上げましたとおり、所要の改定を行うこととし、十億円余を減額致しております。
次に、東部地域への総合制高校の設置につきましては、谷村工業高等学校、桂高等学校両校の関係者など地元との協議が整ったことから、平成二十六年四月の開校に向けて用地測量費を計上するとともに、桂高等学校普通教室棟の耐震補強のための設計委託費を計上致しております。
また、災害発生時における孤立集落対策として、被災時の通信手段を確保するための衛星携帯電話等の整備に対して助成することとし、所要の経費を計上致しております。
このほか、既に申し上げました、リニア見学センターのリニューアルやおもてなしのやまなし観光振興条例関連事業、富士山の日制定関連事業、災害及び防災関連の公共事業などを行うこととし、所要の経費を計上致しております。
以上の内容をもって編成しました結果、一般会計の補正額は、六十四億円余、既定予算と合わせますと四千七百四十億円余となり、前年度同期予算と比較して、一・一パーセントの減となっております。
この財源と致しましては、歳出の増加などに係る財源として国庫支出金四十五億円余、県債二十五億円余などを計上するとともに、給与改定等に伴う一般財源の減額等に伴い、繰入金を六億円余減額することと致しております。
その他の案件につきましては、いずれも、その末尾に提案理由を付記しておりますので、それによりまして御了承をお願い致します。
なにとぞ、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げます。
なお、職員の不祥事件について申し上げたいと存じます。
過日、産業政策課の職員が、山梨県迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されるという事件が発生致しました。
この職員につきましては、既に停職六月の懲戒処分としたところでありますが、このような行為は全体の奉仕者たる公務員としてあってはならない非行であり、誠に遺憾であります。
また、綱紀の保持につきましては、日頃から再三再四にわたり、注意を喚起して参ったところでありますが、本年七月に県職員が逮捕された偽装結婚事件に引き続き、こうした事案が発生したことについては、誠に忸怩たる思いであります。
県民の皆様に深くお詫び申し上げますとともに、今後につきましては、引き続き服務規律の確保に努めるとともに、不祥事根絶懇談会からいただいた御提言に基づく各種の取り組みを鋭意進めて参る所存でありますので、議員各位並びに県民の皆様の御理解を賜りますようお願い申し上げます。
平成二十三年十一月三十日
山梨県知事 横内正明
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